
新築工事中の自宅に納める本棚を組み立てました。基本的な加工は終わり、あとは若干の駄目回りと、床から800mmほどの位置で側板に電気コード用の穴あけをすれば完了です。材料は節の多い杉板ですが、こうしてできてみるとなかなか壮観です。写真は部屋のいちばん奥のほうに置くタイプのものを3台並べたところですが、下から2段目の棚板は床から650mm仕上がりです。これは当工房のテーブルやデスクの標準的な高さで、今回はデスクと本棚を接近させて使用することを想定しています。
部屋の内寸は左右3200mmほどあるのですが、本棚の1ユニットをこの大きさ=幅約80×高さ約240cmにしないと重くて持てないし、大きすぎて搬入もできません。3つの部屋にそれぞれ4台運び込んでからそれを連結して、壁や床や天井にがっちり固定して壁一面の「造り付け本棚」とします。
作りは自宅の自室用(私・妻・子)ということと予算の関係もあって、いちばん簡素な作りです。注文家具であれば部材にホゾやミゾを切って組んでいくのですが、今回はそれをやっていると倍以上の時間がかかってしまうので、横架材はぶつ切りで縦の側板とコーススレッド(木工用の目の粗い木ネジ)で止めていきます。ただ、本などをぎっしり並べてもその重さに耐えられるように、正確に長さと木口を切りそろえた横板を、下穴明け+皿もみをしながら65mmのコーススレッドを一カ所各5本ずつねじ込んであります。外観からはイモで組んであるとは分からないはずです。
棚板の幅(家具的には奥行)は303mmで、縦方向の側板は幅305mmです。210mm幅の素材を3枚矧いでそれを2分したので、単純計算では315mmのはずですが、木端の通し削り(直線と直角を出す)をすることでそれぞれ何ミリずつかは減り、また3mm厚のパネルソーの鋸刃で切断することでその分も減り、さらに最も狭い板にそろえてとなると結果10mm少なくなってしまいました。しかしこの程度ですめば上々です。通常であればもう10mmくらいは余裕をみないといけないと思います。
棚板は写真のタイプの本棚の2・3段目は水平ですが、それ以外はすべて地震等で本その他のものが落下しにくいように後端を5mmずつ下げて傾斜させています。実際にはぱっと見た目には分からないくらいですが。
鉋がけは部材を自動鉋板に通しただけで、仕上げの手鉋または超仕上鉋盤は使っていません。全部で132枚もある尺板の仕上削りをやっていたら途方もない時間がかかってしまいますからね。そのかわり交換したばかりの新しい刃で、送材速度を極力遅くして(当工房の自動鉋盤は無段変速です)ナイフマークがほとんど分からないくらいにしています。
さらにですが、ここは悩みどころですが、無塗装の予定です。もし塗装するとすればのべ64平方mにもなるので、自分でやるにしても塗料と手間とで実費で10万円くらいはかかるでしょう。それはちょっと負担だし、本などを収納するだけなのでそんなに汚れはしないだろうということで、結論としては無塗装としました。