日別アーカイブ: 2012年10月21日

ユニットバス

システムバスともいいますが、今回の自宅工事ではお風呂はセミオーダーのユニットバスです。つまりメーカーで用意した部材一式を現場で組み立てて風呂場一室を丸ごと作ってしまいます。カタログから基本形を選んで、あとはいくつかのオプションを選択するだけなので、それほど変わりばえはしませんが、そのかわりまったくオリジナルでお風呂を建造するのに比べ早く安くできます。おそらく半分以下でしょう。

風呂の最大の問題はやはり水漏れの対策です。浴槽や洗い場の床からはもちろんのこと、壁や天井への水はね・水滴・結露の対処、それから洗面脱衣室との水湿遮断など、難問がたくさんあります。とくに木造住宅の場合はどんな木を使うにしても水濡れは御法度なので、それをしっかり防がないと建物がたちまちそこから痛んでしまいます。その点は、ユニットバスは基本的に工場生産の工業製品なのでさまざまな工夫があらかじめ施されています。永久とは言いませんが、まともなメーカーの製品でまともにきちんと施工すれば、建物の寿命と同じくらいには安心して使えるでしょう。とくにわが家では、現在の借家の古い風呂ではさんざん悩まされているので、期待大です。

 

写真は施工がほぼ終わったユニットバスです。TOTOの「サザナ」というシリーズで、その中で最も飾り気のないモデルにしました。サイズは1616という1坪タイプです。天井も壁も床もほとんど白一色で、水栓やシャワーや手すりなどの金属類だけが銀色に光っています。窓は他の部屋の窓と同様にアルミ枠のペアガラスのもので、それに合わせて風呂室内用のフリーサイズの窓枠を加工しています。ジェットバスとか追い炊き機能とか浴室内テレビ・浴室用マルチエアコンといったよけいな機能はすべて遠慮しました。

カタログを見ると同じシリーズでも価格差は倍以上もあります。で、安いのと高いのとどこが異なるのかというと、高いのは壁のパネルがきらきら輝いていたり、花柄だか大理石だかの模様が付いていたり、水栓金具が輸入品で彫刻的であったりといった違い。つまり非本質的な部分で「豪華」「高級」「立派」にみせかけているだけですね。もちろん私はそういったものをすてきとは露とも感じませんし、むしろニセモノオンパレードの貧乏くささが鼻についてしまいます。ユニットバスはどこをどういじってもユニットバスなので、オリジナルのお風呂なら可能なタイルや石張りや、総ヒノキ作りやガラスの温室みたいなお風呂を表面的に真似てもどだい無理があります。

ユニットバスは大量生産の工業製品なので、同じシリーズの製品であれば浴槽・浴室としての基本部分はみな同じです。基本モデルでは儲けがさほど得られないので、いろいろな付加価値=装飾やなくもがなの機能をオプションで山ほど付けてそれで儲けようということなのでしょう。しかしそうした営業戦略はもうとっくに破綻していると思います。