鳥海山南西麓にある湧水の滝、胴腹ノ滝に水温・水量調査と水汲みに、この2年半ほど1週間から10日に一遍通っているのですが、先日その道すがらたいへんおもしろい神社をみつけました。その名もなんと「山神社」です。
ふつう神社とかお寺などは由緒正しいといいますか、それぞれりっぱな名前が付いているものですが、「山神社」ですからね。これ以上はないくらいシンプルな名前で、逆にとても新鮮で個性的。じつにあっぱれです。社自体も簡素でこじんまりしたもの。とくに私は自然を尊重こそすれ世俗的宗教的信仰心は皆無ですから、強く心に訴えるものがあります。
山=鳥海山であることは、その境内裏手から見える鳥海山の絶景(下の写真:5月10日撮影)からも明らかでしょう。岩野集落の人に「山って鳥海山のことですか?」と訊こうものなら「当たり前だろ!」と一喝されてしまいそうで、怖くて訊けませんが、気にはなるので密かに調べてみようと思っています。
※ すこし調べてみると、山神社は全国にそれなりにあるようで、「やまじんじゃ」「さんじんじゃ」「やまのかみしゃ」などいろいろな読みがあるようです。じつは岩野集落を含む遊佐町白井新田地区には藤井集落に白山神社というのもあり、これは江戸時代に新田開拓の采配をふるった酒井藩の白井矢太夫の功績を顕彰したものです。「白山」はもちろん彼の名前の頭文字であるとともに、水田には必要不可欠な水の源=雪を豊富にいだく鳥海山を意味しています。