日別アーカイブ: 2013年6月3日

アメジスト

DSCN0040_2

 

子供がこのところ鉱石にたいへん興味を示しているので、当ブログ2月22日掲載のカテドラル水晶、4月10日のフローライトに続いて、今回はアメジスト(amethyst)=紫水晶です。子供の誕生日が2月なので、「誕生石がほしいなあ」という希望もあってアメジストをインターネット通販で入手しました。まあ子供をだしにして半分は私自身が楽しんでいるのですが。

あまり大きすぎるとただの飾りものになってしまうので、むしろ手の平に載る程度の大きさのほうがためつすがめつ観察し味わうには適しているのですが、あいにく頃合いの大きさ+形+色合いのものがなかったので、子供のコレクションとしてはややオーバーサイズのものになってしまいました。縦と横が約13cm、高さが7cm余、重さは1.7kgもあります。ブラジルのリオ-グランデ-ド-スール州産です。

基本的には水晶(石英)の一種なのですが、組成は二酸化ケイ素で、比重は2.65、硬度は7です。ガラス様の光沢があり、色合いは淡青色のライラックから赤紫のパープルまで幅広くあります。写真のものは現物で見ると中間色の紫=バイオレットというところでしょうか。金色の丸いところが5カ所ばかりありますが、これは汚れなどではなく水晶に内包されたルチル(金紅石)またはゲーサイト(針鉄鋼)だろうということです。

アメジストの原石は楕円形の中空の石で、その空洞内でアメジストが群生・結晶化するらしいのですが、その原石を半分または四分の一にカットして断面を磨き、カペラ-デ-アメジスタ=紫水晶祠として販売されるのが通常とのこと。しかしダイナマイトを使っての採掘のため破損・割裂する原石も多く、それらの中で比較的良質のものは上記のように周囲をざっと成形して製品に仕立てられるようです。カペラ-デ-アメジスタ=紫水晶祠は値段もたいそう高価ですし、いかにも「置物」という雰囲気になるので、私はあまり好みません。「置物」「飾り物」ではなく、あくまでも「鉱物」に興味があるのです。