月別アーカイブ: 9月 2016

ハードメープル変杢多角形被蓋刳物

 

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通称ハードメープルといわれる北米産のカエデ材で、五角形から八角形までの被蓋刳物(かぶせぶたくりもの)を作りました。皺または布状の複雑な杢が生じているもので、英語ではこういった杢の材料をキルテッド◯◯と呼んでいます。キルト→キルテッドですね。ハードメープルにはいくつかのカエデ類が含まれますが、今回の材料はおそらくはシュガーメープル(サトウカエデ)だろうと思います。

一枚の長い板から蓋も実も連続的に木取したので、大きさと杢の雰囲気はみなそろっています。大きさは基準径で190mmです。板幅は25cmくらいあったのですが、年輪がほぼ中央に来るようにしました。写真では上方の五角形と六角形のものが若干小さいように見えますが、実際には基本的には同一のサイズです。仕上げは3分艶(7分艶消し)塗装。

いずれも11月2〜8日の個展(酒田市の清水屋デパートの4F画廊)に出す予定のものですが、開催まであと2ヶ月を切ってしまいました。もうすこし製作しないといけません。

 

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No.533 ハードメープル変杢五角形被蓋刳物 サイズは径約190mm、高さ36mm、実の深さ21mm=他の3点も同じ。蓋に1カ所だけごく小さな入り皮(成長途中で樹皮が傷や異物などを内部に取り込んで木質の一部となってしまったもの)あり。

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No.534 ハードメープル変杢六角形被蓋刳物

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No.535 ハードメープル変杢七角形被蓋刳物 七角形はどことなく不安定な形に見える。五角形なども同じく奇数角なのにどうしてだろうか。実際世の中には七角形の箱や器類は極端に少ない。360度を7では割り切れない(51.42857……)ので作図が面倒なことも一因か。

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No.536 ハードメープル変杢八角形被蓋刳物 八角形はやはり安定した形である。円形とは異なることが一目で分かり、かつ円形に近い形なので外形寸法に対し内部の有効面積が大きいのも特徴。もっと角数が多いと、丸だか角だか分からない中途半端な形に見えるかもしれない。

 

鳥海山・飛島ジオパーク、認定!

 

鳥海山・飛島ジオパーク、本日認定!(写真は「鳥海山・飛島ジオパーク構想」のHPから拝借しました)。とりあえずはお知らせまで。

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アマガエルとサボテン

 

わが家の玄関先にはサボテンを鉢植えにしたものがいくつか置いてあるのですが、そのうちのひとつ柱サボテンのてっぺんになんとアマガエルが乗っていました。おそらく壁伝いに登ってきて、途中でサボテンの上に跳び移ったと思うのですが、どうみても柔らかそうな皮膚にサボテンの刺はだいじょうぶなんでしょうか? 撮影が終わったら、なにごともなかったように背後の壁に跳んでいきましたけどね。

体色がふつうのアマガエルとはちがってライトグレーになっていますが、建物の外壁の色に合わせてカモフラージュしているのではないかと思います。

そういえばサボテンの原産地である北アメリカの沙漠で、高さ10mはある巨大な柱サボテン(たぶん弁慶柱)のてっぺんにヤマネコが乗っている写真をみたことがあります。するどい刺がびっしり生えているのに、どうやってそこまで登ったんでしょうか。謎です。

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パノラマ写真

 

9月3日のジオガイド上級講座の酒田エリアのフィールドワーク用にこしらえたパノラマ写真(のようなもの)です。鳥海山の南面、標高530mほどのところにある鳥海山荘から東〜南西方向を眺めたものです。コンパクトデジカメで手持ちで撮った写真7枚をA4サイズでプリントし、それを継ぎはぎしてA4サイズ5枚弱にまとめたものです。東のキスカス(切透山)から、南の胎蔵山・月山、南西の温海岳?・粟島あたりまで入っています。

月山などは誰が見てもそれとすぐにわかると思いますが。その他の山はなかなか判別が難しいです。現地でもある程度は見当をつけてはいたのですが、自宅に帰ってから地図と写真とを首っぴきで見比べながら特定していきました。地形図をもとに、この山をこの方向から眺めたらこう見えるはずという検討を重ねていくのですが、肝心のところが写真から外れており決め手に欠けるものもあります。

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ハードメープルの刳物製作中

 

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11/2〜8の個展に出す予定のものですが、ハードメープルを素材とした刳物(くりもの)を4個製作中です。写真は蓋の基本加工=掘り込みと成形が終わったところです。杢がうきたつように撮影ではすこし表面を水で濡らしています。大きさはいずれも径19cmほどの五角形・六角形・七角形・八角形で、一枚の板から連続的に木取しています。

ハードメープルは材木・木工業界の通称ですが、北米産のカエデ類のなかで比較的硬めのカエデの仲間をまとめてそう呼んでいます。対して比較的軽軟なカエデ類はソフトメープルです。もちろんいずれも樹種はいくつかあるのですが、材木としての見栄えや品質は見分けがつかないくらいに似ているので便宜的にハードメープル、ソフトメープルとされているというわけです。

ハードメープルはその名のとおりかなり硬い木で、しかも散孔材で緻密なため、切削加工は簡単ではありません。粗加工には機械も使うのですが、鋭利な刃物ですこしずつやらないと焦げ跡がついたり、最悪の場合は発火してしまうことさえあります。おまけに上記の材料の場合はキルテッドというしわ状の杢が生じているので組織が複雑にうねっており逆目が立ちやすく、欠損が生じやすいのです。

今回のハードメープルはもとの長い板の状態等で判断すると、おそらくはシュガーメープル(サトウカエデ)だろうと思います。カエデのなかでもとくに大きくなる樹で、日本産のカエデではイタヤカエデに近似した樹種です。

 

鳥海橋からの夕焼

 

日向川は鳥海山から庄内平野に流れ出している川ですが、その中流域にかかる鳥海橋付近から眺めた夕焼です。自宅と工房との行き来にいつも通るところなので、川の様子を見たり、帰りにはよく夕焼と出会うことがあるのですが、9月1日はことのほか躍動的かつ美しい夕焼でした。

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万年カレンダー

 

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身内の子供の夏休みの工作ということで、万年カレンダー作りました。最初は電磁石の原理を使った別の工作だったのですが、説明どおりに作ったはずなのにぜんぜん作動しません。どこがわるいのか不明のまま諦めて終了。そこで急遽代替案として出たのが正六面体のキューブを使った万年カレンダーです。

月・日・曜日をきちんと表示するにはキューブは最低6個は必要だと分かりました。それ以下の数のものもあるようですが、一つの面に複数の表示(例えば土曜日・日曜日)になるようで、それは見た目に美しくないと私は思います。また逆にとりあえずその日の表示に不要なキューブを別に保管しておくというのもわずらわしい感があります。

キューブの大きさは一片30mmの正六面体で、これを6個ならべると180mmになります。材料はオニグルミです。木材の正確な加工は小学生には無理なので私が代行し、子供にはサンディングペーパーをかけるのと数字等の書き込みをしてもらいました。時間がないこともありますが無塗装です。

うちの子供はすでに夏休みの宿題は提出済みなのですが、この万年カレンダーの製作は身内の子といっしょに行い、2つ完成させました(※ 当工房の小物類のラインナップに加えるにはさまざまな制約・課題があるので、今回はあくまでも子供の工作の手伝いということで……)。