「とち ちぢみもく あわせぶた くりもの」と読みます。トチノキの合蓋式の刳物です。もとの角材は断面90×130mm×320mmあり、4面全体に細かな縮み杢が生じている超希少材です。それから木目の具合をみながら、方形のものと角形(長方形)のものとふたつ連続的に木取して掘り込みを行いました。
厚さが充分あったので、上下にふたつに切って、それぞれ蓋と実にしています。合蓋なのでその切断面に凹凸のかみあわせを作る必要があるのと、のこ厚のぶんだけは当然減るので、7mm程度木目がずれてしまいますが、全体的には上下一体のボリューム感があります。写真でも蓋と実とで縦方向に、また2個の品で横方向に木目が連続しているのがわかります。
No.537 栃縮杢角形合蓋刳物 サイズは幅161mm、奥行112mm、高さ81mm、実の深さ32mm。上からみて柾目の材料なので、とくに蓋の上面に非常にみごとな縮みが出ている。
No.538 栃縮杢方形合蓋刳物 サイズは幅と奥行130mm、高さ81mm、実の深さ32mm。これも蓋の上面がいちばんきれいな縮杢になっているが、光のかげんで側面(木端)にも縮みがうかがえる。