日別アーカイブ: 2016年9月10日

ハードメープル変杢多角形被蓋刳物

 

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通称ハードメープルといわれる北米産のカエデ材で、五角形から八角形までの被蓋刳物(かぶせぶたくりもの)を作りました。皺または布状の複雑な杢が生じているもので、英語ではこういった杢の材料をキルテッド◯◯と呼んでいます。キルト→キルテッドですね。ハードメープルにはいくつかのカエデ類が含まれますが、今回の材料はおそらくはシュガーメープル(サトウカエデ)だろうと思います。

一枚の長い板から蓋も実も連続的に木取したので、大きさと杢の雰囲気はみなそろっています。大きさは基準径で190mmです。板幅は25cmくらいあったのですが、年輪がほぼ中央に来るようにしました。写真では上方の五角形と六角形のものが若干小さいように見えますが、実際には基本的には同一のサイズです。仕上げは3分艶(7分艶消し)塗装。

いずれも11月2〜8日の個展(酒田市の清水屋デパートの4F画廊)に出す予定のものですが、開催まであと2ヶ月を切ってしまいました。もうすこし製作しないといけません。

 

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No.533 ハードメープル変杢五角形被蓋刳物 サイズは径約190mm、高さ36mm、実の深さ21mm=他の3点も同じ。蓋に1カ所だけごく小さな入り皮(成長途中で樹皮が傷や異物などを内部に取り込んで木質の一部となってしまったもの)あり。

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No.534 ハードメープル変杢六角形被蓋刳物

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No.535 ハードメープル変杢七角形被蓋刳物 七角形はどことなく不安定な形に見える。五角形なども同じく奇数角なのにどうしてだろうか。実際世の中には七角形の箱や器類は極端に少ない。360度を7では割り切れない(51.42857……)ので作図が面倒なことも一因か。

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No.536 ハードメープル変杢八角形被蓋刳物 八角形はやはり安定した形である。円形とは異なることが一目で分かり、かつ円形に近い形なので外形寸法に対し内部の有効面積が大きいのも特徴。もっと角数が多いと、丸だか角だか分からない中途半端な形に見えるかもしれない。