5月19日の記事の中で、鳥海山(2236m)の馬と兎の雪形に言及しましたが、「よく分からないので詳しく教えて」という声がありましたので、お答えします。写真は昨日5月25日の夕方に撮ったものです。
イラストに付した番号で、1は笙ケ岳(1635m)南面の種まき爺さん(または婆さん)です。腰をかがめて左向きになって種をまいているのですが、雪解けがすすんでちょっと太めになっており、わかりづらくなってきていますね。
2が鍋森(1652m)の下の、飼葉桶に首を突っ込む右向きの馬ですが、四肢と尻尾も見て取れます。サイズが小さいのが残念ですが、比較的長い期間表れているし分かりやすい雪形です。少なくとも登山者には昔からよく知られている雪形と思います。3は月山森(1650m)南西面の、跳ねとぶ左向きの兎です。ただ肝心の長い耳が明確に同時的には出現しないこともあり、やや苦しいかもしれません。
他にもたくさんの雪形が口上にのぼることがありますが、表れるのがごく短期間である、年によって差が大きい、見る位置や角度による異同がはげしい、いちばんいい状態でも「そう見えなくもないかな」程度の不明瞭な形である、などの理由で、あまり市民権を得てはいないようです。