今年2月に新築・引っ越しとなったわが家ですが、玄関に飾ったオオバクロモジ(大葉黒文字。クスノキ科)です。名前の由来でもある黒と緑のまだら模様の枝と、傘を広げたような形の黄緑色の薄手の若葉がたいへん繊細で、私は大好きな樹です。写真では分かりにくいですが、葉の下に黄色みを帯びた小さな花が咲いています。クスノキの仲間なので葉や枝・幹を裂くとかなり強い芳香があります。
玄関は1坪強の面積で窓はありませんが、外からの入口のドアと玄関から居間に入るドアが、いずれも四方枠だけでガラスを大きく使ったものなので、それを通して間接光がやわらかく差し込みます。壁は石灰ベースの左官材料をコテで塗りあげたもの。靴を脱ぎ履きする際の手すりをかねた、オニグルミの無垢材の棚板は無着色のオイル仕上げ。それらがいっそう落ち着いた空気をかもしだしています。