日別アーカイブ: 2013年5月10日

道具箱

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自製の道具箱です。大きさは幅960mm、奥行283mm、高さ325mmと大きなものですが、全体が針葉樹のオウシュウアカマツとベニマツでこしらえてあるので重さは7.1kgと、大きさのわりには軽くできています。

この道具箱はチェーンソーを長さ450mmのバーを装着したまま車で運んだり、保管しておくためのものです。箱の大きさはそれにほぼぴったり合わせたのですが、空間的にはなお余裕があるので、チェーンソー本体のほかに周辺の工具や道具などもいっしょに収納できます。

道具箱・工具箱というと今ではプラスチックでできた市販のものを利用する場合がほとんどだと思いますし、当工房でもそれらの大小の容器を10個くらい使用しています。収納しようとするものとサイズさえあえば、簡単・便利にはちがいありません。自分で作る場合の材料費と手間とを考えるとそのほうがずっと安上がりでもあります。

しかし、刃を付けたままのチェーンソーを入れるのにちょうど良さそうな深くて細長い、しかも一人で持てるような大きさ重さの道具箱はありません。なければ自分で作るしかないわけですが、自家用なので基本的には「用が足りればいい」ということで、手持ちのありあわせの材料と簡単な作りとなりました。ごらんの通りの節だらけの材料で、各部材はステンレスの細いコーススレッド(目の粗い木ネジ)でとめてあります。板も自動鉋盤に極力低速度で通しただけで、仕上げの手鉋はかけていません。板厚は10〜13mmです。

構造は大工・建具などの職人がずっと昔から伝統的に採用してきたものです。角の補強を兼ねた持手と、「行って来い」式のスライドして開け閉めする蓋が特長です。私が昔、工務店に勤めていたときに親方からいただいたお古の道具箱とまったく同一の作り。違うのは打ってあるのが鉄釘ではなくステンレスのコーススレッドであることくらい。

この手の道具箱を自家用で合板主体でこしらえたこともありますが、やはり無垢材にはかないませんね。合板やプラスチックは時間が経つと劣化し嫌味になるだけですが、無垢の木ででできた箱は多少汚れても傷がついても平気で、むしろいい味が出てきます。