不要な材料、とくに原木(丸太)で購入・製材した場合などは、割れや反りや虫食いなどがあって結果的には家具材料には不適な板がかなり出ます。そうしたものであってももともとはみな少なからぬお金を出して買ったものなので、もったいないと思ってとっておくのですが、結局のところまず日の目を見ることはありません。せいぜい自家用(工房や自宅)に一部利用するくらい。
そうするとだんだん不要な材料がたまってきて場所ふさぎになってしまい、必要な材料を取り出すのに邪魔になってしまうというような転倒した現象が起きてしまいます。そのためときどき不要な木材を切断処分します。長さ30cm程度に切りそろえてプラケース(野菜コンテナ)に詰め、薪ストーブを使っているお宅に進呈しています。
サイズの小さいものは丸ノコなどでカットしますが、大きなサイズ、とくに硬木で厚みがある場合や反り・捻れなどが大きい場合はキックバックの恐れもあるので、安全を期してチェーンソーで切断処理します。チェーンソーなら太くて硬い材木でもばりばりとあっという間です。ただしチェーン形状の刃を駆動させるのにかならずチェーンオイル(潤滑油)を必要とし、そのオイルが切断時に材料や周囲に飛散するため野外で作業しなければなりません。エンジン式のチェーンソーの場合は少なからぬ騒音と排気ガスもともないますのでなおさらです。
当工房には電気で動くガイドバー長さ400mm、出力1.43kwのチェーンソーもあります。100V交流電源に電気コードをつなげばいいだけですし、エンジンに比べればですがモーターの音は静かでもちろん排気ガスも出ません。しかし電源が近くにないかぎり使えませんし、その電気コードが邪魔になってしかたがないことがあります。うっかりすると自分で自分のコードを切ってしまいそう。また馬力はエンジンチェーンソーよりだいぶ落ちます。
上の写真は現在愛用しているマキタのチェーンソーでMEA4300Gというモデルです。工房を始めて間もない頃にホームセンターで買った他メーカーの安いエンジンチェーンソーもあるのですが、あまり使い勝手がよくないので買い替えました(税抜定価だと71800円)。林業などプロの方はよくハスクバーナとかスチールなどを推奨するようですが、同クラスでも実売で倍近い値段がするのでとても買えません。私は舶来信仰はありませんし、あとあとのメンテナンスなどを考えると国産のしっかりしたメーカーの製品がベターです。
バーの長さは450mmで、エンジン排気量は42.4ml、最大出力2.2kwです。インテリジェントイグニッション搭載とかで、「回転数に応じた最適な点火タイミングをデジタル制御」しているようです。最新型とあってほかにも「蓄電機能で再始動性向上」「オーバーラン(過回転)防止」「実用回転域の出力向上」「振動低減構造(金属スプリングでハンドルとエンジンを4点支持)」「タッチ&ストップ機能(スイッチOFFにしてもスイッチが自動的にONポジションに復帰し、再始動時のプラグかぶりを防止)」などの特徴がうたわれていました。さらに上位機種はあるものの、このモデルでもいちおうプロ仕様とのことです。
実際に使ってみての感想ですが、やはり馬力はあるし始動>稼働>中断>再開がたいへんスムーズにできます。基本は家具作りなので、太い立ち木を伐ることはまずないのでそちらは分かりませんが、すでに伐られて丸太になっているものや製材されて板や角材になっている木を切るにはまったく問題ありません。控えめのカラーリング(マキタカラーのダルな青色)も気に入ってます。