月別アーカイブ: 4月 2013

千本杉

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鳥海山西麓の標高約150m付近、小野曽地区に位置する「千本杉」です。以前からうわさには聞いていたのですが、先日ひょんなことから実物に出会うことができました。

「千本杉というのがあって水が湧いている」というような話だったので、てっきり天然のスギがたくさん生えていて、そこが一帯湧水地になっていると想像していたのですが、違っていました。人為的に植えたものはまた別ですが、天然のスギは湿り気を好むので谷筋に多く、そういう場所には湧き水があることが多いので、そうした光景を想像していたのです。

実際には極端に幹分かれ・枝分かれをしているスギの大木が小さな谷奥に一本立っており、その根元あたりから湧水らしきものが流れ出していました。温度計などはあいにく持っていなかったので、その小さな流れがほんとうに湧水かどうかは断定できませんが、見た感じや手で触れた感じではその可能性は高いと思います。またこの樹の高さですが、ぱっと見たところ30mくらいはありそうです。巨木というほどではありませんが、なによりもその特異な姿に魅かれます。後ろの植林されたスギと比べるとその違いがよく分かります。

できるだけ近いうちに水温計その他の機器をたずさえてきちんと調査してみたいと思います。

 

洞窟壁画

たいへん興味深いDVDをレンタルしました。「世界最古の洞窟壁画『忘れられた夢の記憶』」というタイトルがつけられた、南仏のショーヴェ洞窟の壁画の記録映画です。

およそ3万2000年前の旧石器時代にまでさかのぼる、これまで発見された洞窟壁画では世界最古のものだそうです。しかも古いだけでなく、2万年前ほど昔に洞窟の入口が崖崩れの大石で塞がれたために、その後外部からの浸食(自然や人為の)をほとんど受けなかったために、非常に保存状態がよい。またなによりその壁画、大半は当時近在に生息した哺乳動物=ウマ・ヤギュウ・シカ・サイ・クマ・マンモス・ライオン・ヒョウなどがモチーフですが、たいへん見事なものです。

写真はその映画を観賞中にパソコンのモニターをカメラで写したものです。すばらしい絵ですよね。何万年も前のものとはとは思えない、というか、美的感覚や筆力は太古の昔も今もさほど変わっていないように思います。

この洞窟は学術的・文化財的な保護の対象として、発見直後から一般の立ち入りは厳重に禁止されており、ごく少数の学者が春先に短期間の調査を許されるだけといいます。映画の撮影はこれが唯一無二だとか。

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カーポート&網戸

自家用車2台を入れるカーポートの工事です。アルミ製の1m耐雪型で、基本寸法は幅・奥行とも5.5mですが、敷地の関係で奥行を1m切り詰める予定です。普通車であればちょうどぴったり収まる大きさです。

まずは地面に4カ所穴を掘って、柱を立てて生コンクリート流し込みます。間口が西向きで風当たりが強いので、しっかり工事しないと危険です。昨日は柱を立てるところまでの工事でしたが、コンクリートが固まったら後日折り板状の金属屋根をかけます。屋根材が半透明のポリカーボネートなどではないので、部屋の中がすこし暗くなりますがそれは仕方がありません。

昨日はいっしょに網戸も取り付けてもらいました。雪がちらついたりする日もありますが、それでもすこしづつ暖かくなってきて室内の暖房(床暖房)を必要としない日もあります。ということはそろそろ虫の出番。網戸は白い枠に黒色のメッシュで、東面に1カ所ある掃出窓でさえも中桟なしなので、あまり目立ちません。室内からはそのつもりで見ないかぎり網戸がないように見えます。昔の、いかにも網戸ですという感じでなくなったのはとてもいいです。

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夕暮れ

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午後6時4分、日没直後の今日の夕景色です。へんな縦筋(ゴミ?)が入っているし、肌理があらくて写真としては駄作もいいところですが、逆にそれが絵画のような、郷愁的風情をかもしだしているようです。

 

食器戸棚の背中

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3月25日に本体を搬入した自宅の食器戸棚ですが、地板と片側の側面を建物にがっちり固定しているので、半分造作家具みたいなものです。全体の大きさは幅3359mm、高さ2000mmもあるたいへん大きなもので、しかもほぼ100%無垢材だけで作っているので、このサイズでリビング側に姿を現すと存在感がありすぎます。そのため背板側は写真のように「タナクリーム」仕上げとしました。

建物全体の壁をほとんどすべてこの石灰ベースの左官材料で自分で塗っているので、それに合わせたわけです。ただ前回は天井部分はクロス貼りで、壁の下地処理のジョイントテープ貼りやパテ埋めなどは天井のそれといっしょに内装屋さんにやってもらったのですが、今回はそれも自分で行いました。う〜ん、はじめてなので勝手がわからず、ちょっと試行錯誤です。その後の刷毛でのシーラー塗布+コテでのタナクリーム施工は、12月から1月にかけて20日以上も連日やったので、こちらはまあ楽勝です。もちろん本職の左官屋さんみたいなわけにはいきませんけど。

背板側から眺めるとまるで建物の一部のようですが、これはれっきとした家具です。もっともキッチン側の計16枚の引戸はこれから組立・取付けです(いつになったら完成するんでしょうねぇ)。

 

フローライト

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鉱石にいささかはまっています。子どもの誕生日祝いにカテドラル水晶をプレゼントしたことは2月22日の本ブログにて紹介しましたが、今度のはフローライト(fluorite)です。

フローライトは蛍石とも呼ばれ、ハロゲン化鉱物の一種で主成分はフッ化カルシウム。純粋なフローライトは無色透明ですが、内部に不純物が混じることによって写真のような紫色や緑・青・褐色・灰などさまざまな色を帯びます。加熱すると発光することから蛍石といわれる由縁ですが、フローライトの呼称のほうは製鉄などの融剤として用いられてきたことによるとか。

また望遠鏡やカメラなどの高級光学レンズの材料としても用いられ、それは広い波長域にわたって焦点距離の差がない、つまり色収差が少ない安定した画像が得られるからです。むろんそれは非常に高価なレンズで、カメラ本体よりレンズ1本のほうがずっと高いというようなことがしばしば起こります(私はそんなレンズは使ったことがありませんが)。EDレンズというのもそれの類似材料による特殊レンズだとか。

そうしたうんちくはともかくとしても、観賞物として非常に魅惑的です。カテドラル水晶の場合は無数の六角柱状結晶が寄り添った形でしたが、このフローライトはたくさんの立方体を凝縮したような形です。正確には正八面体ですが、こうした鉱物は「へき開が良い」というのだそうです。

写真のフローライトは大きさ約9×5×高さ7cm、重さは389gです。手の平に載るくらいの大きさが、鉱物という自然の不思議さや美しさを味わうにはちょうどいいサイズかもしれませんね。

 

ロフトの手すり&はしご

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新築のわが家の3つの個室=寝室にはそれぞれ約2畳ぶんほどの広さのロフトがあります。衣類を収納するクローゼットは設けてあるのですが、押入を別に作るほどの床面積を設計上とれなかったので(全体で30坪=100m^2以下という目標というか制約がありました)、屋根裏にあたる空間の一部に季節的なものやたまにしか使わないようなものを収納するためのロフトを設けたのです。

ただ部屋の天井の基本高が2.4mあるので、その上に横架材をわたして床を張ってロフトを作るとなるとかなりの高さになります。実際のところ部屋の床からは2.6mあります。そこから屋根の垂木に接するまでの最大寸法80cmの壁高にしたので、ロフトの天井高は部屋の床からは3.4mもあります。下から見上げてはたいしたことはありませんが、いざロフトに上がって見下ろすとけっこうな高さを感じます。高所恐怖症気味の人は怖くてのぼれないかもしれません。

もちろん固定した階段を配置するような空間的余裕はないので、ロフトへののぼりおりは梯子で行います。常時使うわけではないのでひとつの梯子を3部屋で共用です。他の部屋に持って移動しやすいように梯子本体は市販の軽量なアルミ製にしました。長さ3mだったのを20cmほど上を切り詰め、立てかけたときにずるっと滑らないように木製の頑丈なフックを梯子の竿上部に加えました。造作の本棚の上部に1カ所横桟を取り付け、これにフックをひっかけるようにします。

上の写真ではアルミ梯子の最上段横桟の下の淡褐色横木がクルミ製のフックで、L形のあごになっています。その下の淡黄色の横木が本棚天板の上に固定した横桟です。これで安全にロフトへの上り下りができます。

またロフトの床の端には転落防止のために直径38mmのステンレス巻鉄パイプを固定しました。私と妻のそれは各1本ですが、子ども部屋のはパイプの間をすりぬけて落ちないように2本です。パイプはほんとうはオールステンレスの肉厚のものならもっとがっしりしていいのですが、ステンレス巻鉄パイプの何倍も値段がするので我慢しました。まあ個室ですし、物や人が落っこちなければいいやということで。

 

側溝の掃除

わが家の敷地は南北にのびた長方形ですが、西側と南側は側溝に囲まれています。西側は町道に面していますが、自宅を建てている時に前後して側溝の改修工事が行われたので、3分の2くらい自費で全面にコンクリートの蓋をしてもらいました。道路との境界に塀や生垣といったものがないし今後も設けるつもりはないので、側溝の一部が口を開けたままでは危険ですから。

南側の側溝は開放されたままになっています。冬期間毎日のように降り積もる雪を捨てるのに都合がいいので、こちらは蓋をしません。このあたりは自噴井戸が多いのでその水(余剰水)が常時側溝に流れており、融雪にちょうどいいのです。しかし敷地との境界に段差があり上部法面(のりめん)が土なので、大雨が降ると側溝に土砂が流れ落ちてしまいます。また排雪する際に雪といっしょに若干の小石などが落ちてしまうことも。

周囲の雪がすっかり消えていよいよ春ですが、側溝にも土砂が堆積しています。側溝自体はいわゆる官地(国や自治体などの公共の土地)なので、整備は基本的に公で行うのですが、堆積した土砂の多くはわが家の敷地から出たものだし、小さな側溝の清掃まで公に頼ってはいられませんので、自分でスコップで土砂をすくってきれいにしました。スコップは金象印のオールスチールの小型角スコップで、コンクリートを練ったりするのにも使うやつですね。

写真は清掃後の側溝です。水面にさざ波が立っていますが、つまりこれは底の土砂が取り除かれて流れがよくなった証拠です。水路が2本集まる集水升も掃除しましたが。こちらは若干のヘドロと、側溝工事等にともなう土砂が10cm近くたまっていました。

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木工用錐

これまでの木工用錐が切れなくなってきたので、幾種類か新調しました。左から先三角ショートビットの径8、9、10mm、右側の長い錐は角ノミ盤に装着する角ノミの刃(ケース)+専用の錐のセットで、径12mm(12×12mmの四角穴をうがつ)のものです。

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木工用錐は通常のものだと先端に細かい螺旋が切ってあるので、それがガイドとなってあまり力を加えなくても木に穴をあけていきます。建築工事などで比較的ラフでかつ貫通する穴あけであればそれでいいのですが、家具作りなどではできるだけ精密に、しかも貫通しない一定の深さの穴をあけたい場合がしばしばあります。そうしたときは先端の螺旋はかえって障害になります。

先端が三角錐なだけで螺旋が切ってないビットであれば、押したぶんだけ木に入っていくので微妙なコントロールしやすいのです。また全体の長さも短いほうが回転したときのブレが少ないです。それで家具や建具製作などの木工では「先三角ショートビット」という錐をよく使うのですが、なぜかこのタイプの錐を扱っている実店舗はほとんどありません。みな先が螺旋のものばかりです。一般の方は螺旋のない先三角のビットがあること自体知らないのではないでしょうか。

角ノミのほうは、角ノミ盤用の錐製作の最大手(ほとんど唯一?)=中橋製作所が、角ノミ盤および専用錐需要が減って経営が危うくなったために、一時は錐の入手が不可または非常に困難とされていました。「こりゃたいへん、仕事ができなくなる」ということで、大急ぎで在庫の錐をかき集めた木工所や建具屋さんも少なくありませんでした。しかしその後再開&立て直しの目処がたったらしく、最近では必要なぶんだけ短期間で購入できるようになりました(他の人はパッケージが新しく今風になったと言ってましたが、私のところに届いたのは昔ながらの紙箱でした)。

木工用の錐に限りませんが、刃物は使えば多かれ少なかれ必ず摩耗して切れ味が鈍くなります。切れない錐を無理に使っていると切り肌が荒れるだけでなく、最悪の場合摩擦熱で軸がぼっきり折れてしまうことがあります。そうならないように錐はまめに研がなくてはなりません。砲弾形のヤスリでケース先端内面を、平ヤスリで錐の毛引刃と切刃と先三角を自分で研ぎます(研ぐのにもいろいろコツがあり、下手にやると刃をオシャカにしてしまうのですが、そのへんの細かいことはブログでは説明しにくいので省略します)。

 

居間からの夕焼

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自宅のリビング(居間)からは西側に羽越本線の線路や架線が間近かに、そして水田と、数キロメートル先に庄内砂丘が見えます。写真はつい先日、17時50分頃の砂丘に沈む夕陽です。松林の上に針のように鋭く5本ほど傾いで見えているのは海岸付近にある風力発電の羽。

キッチンからは北東方向に山頂付近の一部分とはいえ鳥海山の姿を眺めることができますし、西側には日本三大砂丘のひとつと称される庄内砂丘を眺めることができます。他の建物の間ごしにいくらかですが、今後ともそのあたりに大きな建造物が建つことはまずないでしょうから(減ることはあっても)、将来ともこの景色はあり続けていくと思います。

自宅にいながらにして自然の風景をこうして味わえるのは、たいそうすてきです。