鉱石にいささかはまっています。子どもの誕生日祝いにカテドラル水晶をプレゼントしたことは2月22日の本ブログにて紹介しましたが、今度のはフローライト(fluorite)です。
フローライトは蛍石とも呼ばれ、ハロゲン化鉱物の一種で主成分はフッ化カルシウム。純粋なフローライトは無色透明ですが、内部に不純物が混じることによって写真のような紫色や緑・青・褐色・灰などさまざまな色を帯びます。加熱すると発光することから蛍石といわれる由縁ですが、フローライトの呼称のほうは製鉄などの融剤として用いられてきたことによるとか。
また望遠鏡やカメラなどの高級光学レンズの材料としても用いられ、それは広い波長域にわたって焦点距離の差がない、つまり色収差が少ない安定した画像が得られるからです。むろんそれは非常に高価なレンズで、カメラ本体よりレンズ1本のほうがずっと高いというようなことがしばしば起こります(私はそんなレンズは使ったことがありませんが)。EDレンズというのもそれの類似材料による特殊レンズだとか。
そうしたうんちくはともかくとしても、観賞物として非常に魅惑的です。カテドラル水晶の場合は無数の六角柱状結晶が寄り添った形でしたが、このフローライトはたくさんの立方体を凝縮したような形です。正確には正八面体ですが、こうした鉱物は「へき開が良い」というのだそうです。
写真のフローライトは大きさ約9×5×高さ7cm、重さは389gです。手の平に載るくらいの大きさが、鉱物という自然の不思議さや美しさを味わうにはちょうどいいサイズかもしれませんね。