月別アーカイブ: 7月 2016

方形と楕円形のウォールナット被蓋刳物

 

アメリカン-ブラック–ウォールナットの変杢を素材に、正方形に近い形と楕円形の被蓋刳物(かぶせぶたくりもの)、各1点が完成しました。毎回同じようなことを述べていますが、杢は表面的な模様ではなく木部の組織構造による反射光の乱れなので、眺める角度によってまったく別のもののように異なって見えます。大きさは方形の品が約21cm×21cm、楕円形の品が約18cm×22cmで、やや大きめの品物です。仕上げは3分艶(7分消し)塗装。材料は数年前に友人の木工家からいただいたもので、干割れなどを除いた最大限の寸法と、その杢がもっとも映えると思われる形を考慮しました。

杢がきれいに出ている素材ほど材質の組成(硬軟・繊維方向など)が複雑なので、加工には細心の注意が必要です。木取はその材料がいちばん活きるように大きさと形を決めてから行うので、もし途中で加工に失敗したり、内部から予想外の傷(干割れや腐れなど)が出てきたら、すべてはその時点で無となってしまいます。実際、このウォールナットではありませんがこれまで数点だめにしています。

2点とも、今年11月2〜8日に酒田市のデパート「清水屋」の画廊で行う個展に展示する予定のものです。今回の個展は、以前のような家具中心の展示ではなく、さまざまな銘木&杢板を素材とした一品物の蓋つきの刳物を30〜40点、+アルファを並べ、販売します。事前に予約も受けますので、希望の方はメールにてご連絡ください。

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No.531 ウォールナット変杢方形被蓋刳物 サイズは縦・横212mm、高さ49mm、実の深さ30mm 売切れ

 

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No.532 ウォールナット変杢楕円形被蓋刳物 サイズは縦179mm、横216mm、高さ45mm、実の深さ30mm 売切れ

 

コーヒーブレーク 84 「擬木」

 

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これでもかこれでもかと滝落ちぬ

[これでもか これでもかと たきおちぬ] 滝は俳句の世界では夏の季語ということになっている。言うまでもなく滝は年中流れていることが多いのだが、それは荒々と白く落下する滝に涼感を感じ爽快な気分になるのは、やはり暑熱の夏だからこそではあるのだろう。もちろん個人的には春の新緑の頃も、秋の紅葉の頃も、晩秋の寂寥の頃、冬の雪の白さと競うような景も、滝はそれぞれに味わいがあって甲乙付けがたく、どれも好ましいと思っている。/早春の雪解けや、他の季節でも長雨が続くと、河川はたちまち増水し、滝は様相を一変する。ふだんは垂直に落ちている水が、川の流れのあまりの強い勢いのせいで滝口からジャンプするように水が斜めに落ちて滝壺をとびこえることがある。また落水とその両側の露出した岩壁の対象を美しいと感じていたのに、水量が急激に増えて谷の幅まるごと白い布のごとくに滝となって落ちる様には畏敬の念を覚える。

万緑のところどころの擬木かな

[ばんりょくの ところどころの ぎぼくかな] うっとおしいくらいの草木の繁茂である。ただでさえ暑いのに闇をかかえるほど密になり背丈を増した叢(くさむら)は、まことに自然そのものの本来的な姿ではあるものの、ややうろたえるものがある。「万緑」はもともとは王安石の「万緑叢中紅一点」からきているのだが、中村草田男が俳句に用いてから有名になり夏の季語として定着したという。/さて擬木である。コンクリートまたはプラスチック製品で、公園や山中の遊歩道の柵などに用いられことが多い。樹木の細めの幹や枝を模したもので、たいていは焦茶色に着色されており表面は樹皮にみたててでこぼこしている。木製の杭などにくらべ腐りにくく強度もあることや、金属製の柵などとは異なりすくなくとも遠目にはあまり目立たない点も利点である。むろん近くで見ればニセモノであることはすぐわかるのでちょっと残念な気持ちにはなるが、まあやむをえないな。

天蚕の目玉を閉じて漂えり

[てんさんの めだまをとじて ただよえり] テンサン(天蚕)は通常ヤママユガ(山繭蛾)のことで、天然の蚕の代表的なもの。コナラやカシワ、シラカシなどの葉を食べて育つが、糸は普通の絹とくらべ軽く柔らかい。それは糸の中に含まれる空気の割合が多いためであり保温性が高い。糸はさわやかな緑色で、希少性があり当然値段も高い(約100倍とも)。ヤママユガも絹糸を採る目的の場合は、当たり前ではあるが人手で幼虫の世話をするのだが、たいへん繊細でやっかいな虫であるそうな。/普通の絹でさえ私は手が出ないので、天蚕など一生身にまとうことはないだろうな。

 

(※ 写真は鳥海山の二ノ滝渓谷で、二ノ滝と三ノ滝の間にある狭霧橋からの景。)

 

釜磯のポットホール 2

 

鳥海山西端の釜磯は、10万年前くらいに鳥海山の大平付近から流れ出した吹浦溶岩の先端部分です。日本海の中までその溶岩流は及んでいますが、Cの字状に溶岩で囲まれた釜磯の北西部分の露出した岩肌の上には、7月10日の記事で紹介したように径80cmほどのきれいな円形のポットホールがあります。たぶんかつては波打ち際にあったものが、1804年の象潟地震であたり一帯が隆起したために地上2mほどの高さにあらわれたものと思われます。

そのポットホール自体も、私が知ったのは1ヶ月ばかり前のことにすぎないのですが、つい先日そこからさらに西側約10m先の波打ち際に巨大なポットホールを発見してしまいました。

大きさは長径(東西)180cm、短径(南北)130cm、深さは90〜120cmあります。海水面に対し内部にたまっている水面は20cmばかり高い位置にありますが、たぶん満潮時には同じくらいの高さになり、波が高いときは内部に海水が容易に浸入すると思います。

中に大きな岩塊が3個はまっていて(120×80cm、90×40cm、70×40cm)角は摩耗して丸くなってきています。小さな石も多数底にありました。大波が来るたびに中の岩がグリグリ動いて、穴の側面と自分自身を削っていくのでしょう。中の岩がきちきちで大きすぎるためか、穴もすこしいびつな形になっていることや、すでに完成したポットホールと、いま形成されつつある”現役”のポットホールのふたつを同所で観察できるのはすごいことです。

ただし足元の岩は海蝕によりぎざぎざに尖っており、転んだりしたら怪我(裂傷、骨折など)が必至かと思いますので、くれぐれもご注意ください。カッコを気にしないで四つん這いくらいの体勢で行ったほうが間違いがないと思います。ジオガイドでの一般客の案内は避けたほうがいいでしょう。

 

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釜磯の湾の北東側。中央の大きな岩塊の下部亀裂3カ所くらいから地下水が湧き出ている。海水浴客がスイカやキウリなどを冷やしていることがある。

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7/10の記事のポットホール。その後の雨でまた水がたまっている。右がすり鉢状に完成したポットホール。左は一帯が2mほど隆起したために、ポットホールになりそこねた窪みと思われる。

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今回みつけた大きなポットホール。穴の中の水面は海水面とほぼ同じ。

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ホールの東側。

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ホールの西側

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ホールの南側で、海面にいちばん近いほう。波が非常に高い場合以外は左上に向かっての亀裂+最低鞍部から海水が入るように思われる。

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ホールの北側。

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パン皮のようにヒビがたくさん入った溶岩も丸く削られている。

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釜磯の湾から南側の景。海岸線の上を鉄道の羽越本線と国道旧7号線が通っている。それへの落石を防ぐために線より東側の海蝕崖はコンクリートが吹き付けられているが、線より西の海側の海蝕崖は溶岩がそのまま露出している。節理が発達しており、絶好の観察ポイントである。

 

ホンドリス

 

先日、鳥海山の山岳観光道路の鳥海ブルーラインを登っていたら、駒止をすぎた標高600mあたりの路上で動物の死骸をみつけました。

ホンドリス(ニホンリス)で、体長20cmくらい。車にはねられたのでしょう、死後硬直したばかりのようです。そのままにしておくと行き交う他の車に踏みつぶされて悲惨なことになるので、道路の脇の叢に移して写真だけ撮りました。写真には写っていませんが、頭の右側面に損傷があります。尻尾の一部も毛が欠けています。

これほどの至近距離でホンドリスを見たのは初めてのことです。ベルベットのような短くて密な体毛や、真っ白な腹部、体長と同じくらいあるブラシのような尻尾(その骨はずいぶん細いです)など、非常にきれいです。交通禍にあってしまい、かわいそうなことをしました。

車で道路を走っていると、ときおり動物が轢かれているのに出会います。いちばん多いのがタヌキ。次いでネコで、他にはハクビシン、イタチ、カラスなど。交通状況をみて、可能であればできるだけ路外に移すようにしていますが、野生動物は仕方がないにしても往来の激しい幹線道路の近くなのに猫を放し飼いにしていることにはたいへん疑問を感じています。

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7/12 牛渡川・丸池様周辺ナイトウォーキング

 

7月12日に実施した牛渡川・丸池様周辺ナイトウォーキングです。【梅花藻とハナカジカと螢と星をめぐるナイトウォーキング パート3】というタイトルでチラシも作り、ジオパークの遊佐と酒田エリアのガイド受講生や、鳥海やわたインタープリター協会(細矢洋会長)にメール等でお誘い。またフェイスブックへの投稿で告知を行ったところ、8名の参加がありました。

前回の6/19は直前に雨で中止となってしまったので、今度もまた天気の具合で取りやめにならなければいいな、平日の火曜日夜だったので皆さん都合がつくかなとかなり心配していたのですが、結果オーライでした。夜の水辺の散策なので、安全面からも雨ではいっさいだめなので、1週間くらい前から天気予報と毎日にらめっこをしていました。土・日の休み前なら都合がつく方が多いのはわかっていますが、天気予報では12日の火曜日がいちばん天気が良さそうだという判断です。

午後7時半に遊佐町の生涯学習センターに集合。ロビーで行き先の地図を各自に渡しながら、簡単なあいさつと行程等の説明。そのあと2台の車に分乗して現場の牛渡川・箕輪の孵化場に向かいました。駐車場に付く頃にはもう真っ暗です。とても一人二人では夜には怖くて来られませんよね。

まずは牛渡川へ。日中も含めて初来訪という方もおり、まるで水がないかのように澄んでいる川面にまず驚いていました。水門から上流側のバイカモは7/6の大水で花が一度ほとんど散ってしまったのですが、その後にまたすこし復活していました。カジカやウキゴリなどは第1回目の6/4にくらべるとずいぶん少なかったのですが、かわりにイワナ(orアメマス?)は何匹も間近かに見ることができました。日中は魚は警戒して物陰に隠れていることが多いので、夜間ならではの観察です。

次いで丸池様へ。月は半月で、雲もすこしだけ出ていましたが、池の上空を樹々が覆っているので、ほとんど暗黒の世界です。ヘイケボタルがちょっといるなと思っていたのですが、目が暗闇に慣れるにつれ、予想以上に多くのホタルがいることがわかりました。ライトをすべて消すと足元から樹々のあちらこちらから点滅し、とても幻想的な光景が出現しました。私自身もこういったホタルの光景を眺めたのはずいぶんひさしぶりのことです。今回はこれがいちばんの収穫だったかもしれません。

それから近くの田んぼの真ん中にある船盛山(舟森山)を一周しました。東西100m、南北50mばかりの小山ですが、南側の麓だけに湧泉が点在し、他のところには皆無であることや、水温が11℃ちょいと牛渡川右岸の湧泉と同じ温度であることなどから判断すると、地層としては一連なりのものであることがわかります。つまり人工的な築山ではないということです。

孵化場の駐車場に戻ってからは、湧水でドリップコーヒーとリーフティーをいれ、チーズタルトのおやつでティータイムです。星は私はほとんど分からないので、参加者のお一人にかわりに説明してもらいました。

終了は10時になってしまいましたが、たいへんいい体験ができたと思います。また場所をかえて同様なナイトウォーキング=自然観察会をときどき行いたいと思っています。なお事前の準備があるので、必ず申込が必要ですし、お茶等の実費は頂戴しています。

(※ 写真は参加者のIKさんから拝借しました。ありがとうございます。)

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円弧定規の製作

 

家具などを製作する際に用いる原寸のR(円弧)定規を作っているところです。墨で描いてそれに沿って切り取り加工するのではなく、長さ1800mmの特大コンパスをこしらえ、それにトリマーを装着して6mmのストレートビットで5.5mm厚の合板を直接切り取ります。

正確かつ迅速ですが、はじめにこれ用の専用の治具を作るのがちょっとめんどうです。治具自体がしっかりしていないと、定規もいいかげんなものになってしまうからです。

今回は半径1200mm、1000mm、800mmの外丸と内丸の円弧定規ができました。厚さが5.5mmあるので、家具材料などをルーターで掘り込みする際のテンプレート(ならい型)としても重宝します。

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コーヒーブレーク 83 「摩天楼」

 

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煉獄の針山ならん摩天楼

[れんごくの はりやまならん まてんろう] 鷹羽狩行は「摩天楼より新緑がパセリほど」と詠んだ。ニューヨークのセントラルパークの早春の樹々を超高層ビルから見下ろした景らしいが、樹高数十メートルはある堂々たる樹であっても、数百メートルもの上から眺め下ろしたら、たしかにパセリほどにしか見えないかもしれない。鳥海山でも鳥海高原ラインの通称「のぞき」から約200m下の鶴間池を見下ろすと、ブナの原生林がなるほどパセリのかたまりのように見えることがあり、そのたびに鷹羽狩行の上の句を思い出す。/横道にそれるが、鷹羽狩行の本名はたしか髙橋行雄といい、1930年生まれで山形県出身である。まあ本名のままではあまりにも平凡で(失礼)、同姓同名の人も少なくないだろうから、ずいぶんとかっこうをつけた俳号であるものの、そのことで注目をひき名前を覚えてもらうのに一役かっているのはたしか。狙いは当たったといえるであろう。

地下室に空気満ち満ちて夏至

[ちかしつに くうきみちみちて げし] 近現代ならいざしらず、地下室といえばろくな照明もなく、まず暗い。とにかく暗い。陽が射すこともなく、湿っぽい感じがする。基本的に地下の水位が高いところだと防水対策が非常にたいへんなので、地下室を作るのは難しい。日本では鉄筋コンクリート造の頑丈なビルでもないかぎり地下に空間を作るのは避けたほうがいい。壁や床からの浸水がないとしても、地上に水があふれたらたちまち地下室は水没してしまう。/夏至とか冬至などの天文的に特別な日だけ、外光の直射光が地下の深いところに届くようにあらかじめ計算して作った構築物というものは、世界のあちこちにある。現代のようになぜその日その時だけ陽が射すのかの理由はわからなくとも、事実としてそういった現象があることは遥か昔から認識されていただろう。科学的なメカニズムがわからないぶん、世界は今よりもずっと不思議と魅惑に満ち満ちていたであろう。

螢放てばたちどころに暗渠

[ほたるはなてば たちどころに あんきょ] ホタルの姿を今年はまだほんの少ししか見ていない。街中の用水路にもホタルはいることはいるのだが、あっちに一匹、こっちに一匹と簡単に数えることができる程度の数でしかない。かつてのような無数ともいえるホタルの乱舞はとうてい望むべくもないし、まして一本の樹に大量のホタルが群がってやがて明滅がシンクロするという「クリスマスツリー」など夢のまた夢である。/そのわずかのホタルの光もついに消えてしまうと、あたりの闇はいっそう深くなる。

 

庭の花 4

 

いつもように、わが家の庭にいま咲いている花の紹介です。ぜんぜん立派でもなんでもない狭い庭ですが、いつもなにかしらの花が咲いているようにはなってきました。

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テッポウユリ(ユリ科)

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バラ(バラ科) 半球型でクリーム色の花びらがぎゅっと詰まった感じの花。

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カタバミ(カタバミ科) 花径1cmほどのありふれた「雑草」だが、よくみれば葉も花もなかなか愛らしい。一日花。

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ヒマワリ(キク科) 毎年種を採って植えている。背が高くなるので、道路からの目隠しや日除けを兼ねたもの。

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(?)

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(?) 3年前に植木市でナツツバキなどを購入した際におまけでいただいた低灌木だが、なんだかいまだに不明。 →やっと判明しました。ツツジ科カルーナ属のブルガリスでした。(2017.2)

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スペアミント(シソ科) これはすごい勢いで増殖。間引いたものをときどきお風呂に入れて香りを楽しんでいる。

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トキワハゼ(ゴイマノハグサ科) 地面に這いつくばるような背丈の茎に1cmくらいの小さな花を咲かせるが、これもいい感じの花。

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ハキダメギク(キク科) かの牧野富太郎氏の命名だそうだが、名前からくるイメージとはうらはらにとてもかわいい花。庭に自然に生えてきた。

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キキョウ(キキョウ科) 2株あるのだが、開花する前の蕾のようすがおもしろい。

 

ウォールナット変杢角形被蓋刳物 2点

 

洋家具の材料としてとくに最近絶大な人気をほこるアメリカ合衆国産のアメリカン-ブラック-ウォールナットですが、そのなかのさらに大径木で杢の出ている材料でこしらえた変杢角形被蓋刳物2点です。厚さ50mmほどのウォールナットの素材から加工した、正方形と長方形の蓋物。ふたつとも年輪に直交するようにしわ状の杢が出ています。仕上げは半艶塗装。

蓋はもとは同じ板ですが、40cm以上の幅広の板だけあって木取する場所によって木目の具合はずいぶん違います。正方形のほうは粗い木目ですが、長方形のほうはそれとは対照的に細かい縞模様の木目です。まるでゼブラウッドのよう。ウォールナットでここまで整然かつ明瞭なストライプが生じているのは珍しいでしょう。

2点とも、今年11月2日〜8日に酒田市のデパート「清水屋」の画廊でおこなう個展に展示する予定です。今回の個展はさまざまな銘木・杢板を素材とした一品物の刳物を30〜40点、+αを並べ、販売します。まだ10点以上は作らないといけないのですが、あと実質3ヶ月。ちょっと焦ってきました。

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No.529 ウォールナット変杢角形被蓋刳物 サイズは縦114×横114×高さ55×実の深さ34mm

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No.530 ウォールナット変杢角形被蓋刳物 サイズは縦150×横104×高さ52×実の深さ34mm

 

釜磯のポットホール

 

鳥海山が西側で日本海に没するところにある釜磯ですが、海岸の砂浜や溶岩の隙間から、さらには海の底からも大量の湧水が出ていることで有名です。その釜磯にはこれまで個人的な調査や海水浴、他の人を湧水に案内するなどして、これまで数えきれないほど通っているのですが、1ヶ月ほど前に初めて知ったことがあります。それがポットホールです。

ポットホール(pot hole)は日本語では甌穴(おうけつ)といいます。甌はかめのことで、川底や川岸・海岸などで岩石の上に生ずる円形の穴のことです。かめ自体がいまはあまり用いられなくなったことや、読むことはできても書くことができない人が大半と思われる類いの漢字のためか、いまは英語のポットホールのほうが普通の呼称になっているようです。

岩石に割れ目などの弱い部分があるとそこが水流によって削られてくぼみとなります。いったんくぼみができると、その穴にたまたま入り込んだ礫が水流によって渦巻き状に回転し、周りの岩を削っていってさらにくぼみを大きくしていきます。

ポットホール自体は他の磯浜や河川で何度も見たことはあるのですが、この釜磯のポットホールは形が非常に整っていることや直径80cm深さ60cmほどと比較的大きいこと、そして特筆すべきことは1804年の象潟地震で山形県と秋田県の県境付近の南北両側の海岸が1.5〜2.5mほど隆起した証拠である可能性が高いことです。象潟の「九十九島」は浅い汽水湖に百以上の小島が浮かぶ、宮城県の松島とならび称されるほどの景勝地だったのですが、地震で一夜にして陸地化してしまいました。

現在の海面は1枚目と3枚目の写真に写っているようにポットホールから2mくらい下にあります。つまり現在では海がものすごく荒れたときに波しぶきをあびることはたまにあっても、ふだんは波による浸食はほとんどありません。それなのにこんな高い位置にポットホールがあるのは、やはり1804年の激しい地震であたり一帯が一気に持ちあがったからでしょう。それまではおそらく海水面ぎりぎりくらいの位置にあったと思います。(※ 海水の作用によってできたので、正確には海蝕甌穴というそうです。)

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上から見下ろしたポットホール。穴には雨水がたまって、なにやら小さな虫がいっぱいいた。

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底がよく見えないのと、深さや穴全体の形状などを確かめたかったので、バケツで水をかいだした。すべすべのじつにきれいな窪みで、まさにポットホールである。雨が降ればまたすぐに水がたまるだろう。

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ポットホールより一段高いところにもポットホールになりそこねた浅いすべすべした窪みがある。わずかの高低差が、海蝕の強度の違いとなって表れたことがわかる。