アメリカン-ブラック–ウォールナットの変杢を素材に、正方形に近い形と楕円形の被蓋刳物(かぶせぶたくりもの)、各1点が完成しました。毎回同じようなことを述べていますが、杢は表面的な模様ではなく木部の組織構造による反射光の乱れなので、眺める角度によってまったく別のもののように異なって見えます。大きさは方形の品が約21cm×21cm、楕円形の品が約18cm×22cmで、やや大きめの品物です。仕上げは3分艶(7分消し)塗装。材料は数年前に友人の木工家からいただいたもので、干割れなどを除いた最大限の寸法と、その杢がもっとも映えると思われる形を考慮しました。
杢がきれいに出ている素材ほど材質の組成(硬軟・繊維方向など)が複雑なので、加工には細心の注意が必要です。木取はその材料がいちばん活きるように大きさと形を決めてから行うので、もし途中で加工に失敗したり、内部から予想外の傷(干割れや腐れなど)が出てきたら、すべてはその時点で無となってしまいます。実際、このウォールナットではありませんがこれまで数点だめにしています。
2点とも、今年11月2〜8日に酒田市のデパート「清水屋」の画廊で行う個展に展示する予定のものです。今回の個展は、以前のような家具中心の展示ではなく、さまざまな銘木&杢板を素材とした一品物の蓋つきの刳物を30〜40点、+アルファを並べ、販売します。事前に予約も受けますので、希望の方はメールにてご連絡ください。
No.531 ウォールナット変杢方形被蓋刳物 サイズは縦・横212mm、高さ49mm、実の深さ30mm 売切れ
No.532 ウォールナット変杢楕円形被蓋刳物 サイズは縦179mm、横216mm、高さ45mm、実の深さ30mm 売切れ