まだ確定的ではありませんが、来秋に地元のギャラリーで個展を開くかもしれません。とりあえず作品の現物をいくつかギャラリーの担当者にお見せしたところ気に入ってはもらえたようで、私のほうの都合がつけば実施は可能のようです。
ただし製作の時間・経費・保管・搬入搬出などのどれをとっても大きな家具の出展は難しく、一品物の小物類を中心として小家具と定番的な小物類を並べることになると思います。
まずは物がないことには話にならず、あと1年弱でどれくらいの品を作れるかの見通しを出すことも兼ねて、いま点対称ではない(つまり円形ベースではない)くり物3点の製作を始めています。写真は厚板をほりこんで蓋の部分を作っているところですが、内部をサンディングまで含めてほぼ仕上げてから、その内側のラインを基準に外側に縁の厚さ(6mm前後)の線を引き、それを目安に外形のカットと成形を行います。また実のほうは蓋の内側の形と寸法に合わせて、残すべき縁の厚さを逆算して、やはり内側の掘り込みとサンディングを先に行います。
この加工の順番はまず絶対的なもので、外形を決めてから内側を掘り込むことは基本的に不可です。掘り込みするための材料の固定と、掘る際の圧力や衝撃で材料に割れや欠け、歪みが生ずる可能性が大だからです。この面も点対称の「箱物+くり物」を製作するのに比べ非点対称の「箱物+くり物」は、後者のほうが材料と手間がずっと多くかかる理由です。
今回の材料はセンの縮み杢。厚さ46mmある一枚の板から異なる形とサイズのものを連続的に3点取り出しています。材料に厚みがあるので、蓋の形状にはいろいろ変化がつけられるでしょう。