桐一葉フォッサマグナの上にかな
フォッサマグナは日本列島を東北日本と南西日本とにわける大きな地溝帯で、そもそもがラテン語で「大きな溝」の意味。明治のはじめに来日したドイツの地質学者エドモント=ナウマンが発見し命名したという(ナウマンといえばナウマンゾウの化石でも有名)。日本海側の新潟県糸魚川から太平洋側の静岡県とを結ぶ線あたりがそれにあたり、幅数十km、厚さ約10kmの堆積物でおおわれている。/地球の表面をおおうプレートの境界線の一部がちょうどそのあたりにあり、北アメリカプレートとユーラシアプレートとがせめぎあっている。もちろんここは地震の巣であり、焼山・妙高山・浅間山・八ヶ岳・富士山・箱根山など多くの火山が並んでいる。
芒野に佇めば身体屈折す
ススキは芒・薄とも書き、また尾花・茅・萱とも呼ばれる、イネ科ススキ属の植物である。有用植物のひとつで、野生に生息しごくふつうに見られる多年草だ。背丈はときに3mほどにもなることがあり、そうしたススキが群れをなし、風に抗して一定方向に穂をみな倒している様子はなかなか幻想的である。とりわけ逆光をすかして見るススキはたいへん美しく、いかにも秋の到来という気がする。
十二支に選ばれざるもの日向ぼこ
日本では十二支(じゅうにし・えと)の動物といえばネズミ・ウシ・トラ・ウサギ・タツ(リュウ)・ヘビ・ウマ・ヒツジ・サル・トリ(ニワトリ)・イヌ・イノシシである。人間生活の比較的近辺に生息しなじみのある動物であるが、虎や龍が含まれていることからもわかるように、もともとは中国の歴法等によるものである。/世界には十二支と同様なものがあり、国によってブタやスイギュウやヤギ、ワニ、そしてネコが入ることもあるという。日向ぼこする動物といえば今はまっさきにネコを思い浮かべる人が多いと思うが、中国で十二支にこのネコが採用されなかったのは、古代の中国ではネコはまだそれほど一般的な飼育&愛玩動物(ペット)ではなかったからという説もある。