月別アーカイブ: 8月 2014

クラッセ

 

DSCN2856

 

DSCN2845

 

DSCN2850

 

山形県庄内町のJR余目駅前に今年5月10日にオープンした複合施設、庄内町新産業創造館「クラッセ」です。古い米倉庫を全面改装した建物が中核ですが、レストランやカフェ、地元の物品販売所、庄内町情報館などが入っています。内容のくわしいことについてはグーグルなどで検索していただくとして、ここでは建物の外観について。設計は山形市の羽田(はだ)設計事務所です。

ふつう古い木造建築の改装や改築というと「黒い瓦屋根に白いしっくい壁」というあたりが定番ですが、このクラッセの場合はそれとは逆で、白い瓦屋根(特注品?)に濃茶色の板張りの壁がメインのデザインとなっています。勾配があって非常に面積の大きな屋根なので、黒い瓦では見た目にも重すぎる感じになるところを、逆転の発想というかおもしろいですね。冬になって屋根に雪が降り積もってもおおかたのイメージはこのままでしょうから、そういう意味での新鮮さもあります。

壁は個々の板は幅が一様ではなく細いものも広いものもあって、それをランダムに縦に張り付けています。板と板の隙間(目透かし)から下地の銀色の壁面がのぞいているので、全面亜鉛鋼板かなにかを張り巡らしたあとで化粧的に木の板を張っているのかもしれません。

 

 

コーヒーブレーク 26「地球儀」

 

DSCN2905

 

違うぞそれは違うぞと扇風機

わが家は昨年はじめの新築ながらエアコンはない。いちおう念のために電気配線と一部配管はしてあるが、昨年夏と今年の夏を経験した結果、エアコン(クーラー)はなくともなんとか大丈夫という結論である。断熱材はしっかり入れてあるし、風の通りを考慮した間取りにしている。もちろんそれらをいくら対策したとはいっても外気温より室内の温度が涼しくなるということはないので、暑い日は暑いのだがまあ我慢の範囲内である。風がないときや雨脚が強いときは扇風機の出番である。

地球儀に真っ暗な夜とほの暗い夜と

国の境界線は変わることがあるし、国家そのものがくっついたり離れたり、新たに出現したり消滅したりする。地球儀はだから常に「古い地球儀」である。いやそれほど昔のものではない、せいぜい数十年前の地球儀で自分が子どもの頃にはよく眺めていたはずの地球儀でさえも、ソビエト連邦があり東ドイツがある。いまは存在しない国家の名前をいくつも見いだすのは栄枯盛衰、無常感がただようというものだ。/国家をどのように定義するかによるが、日本が現在承認している国は195カ国。これは日本自体も含む数だが、朝鮮人民共和国(北朝鮮)などは含まれていない。/さて地球儀についてあらためて調べてみると、これも地球の何を主眼として表現するかにより異なるが、大きくは行政区分と地形区分のふたつだ。地形では陸地だけでなく海底の凹凸まで詳しく表したものもある。地球儀によっては照明を内部に組み込むことによって二つの要素を切り替えることができるものもあるようである。インテリアの飾りというか玩具のようなものは別として、実用的に役立つちゃんとした地球儀となると直径30cm、値段も2〜3万はする。地球儀を常時眺めていれば世界観がいくぶんか変わるかもしれない。

肺胞にシベリアの風鳥来る

秋は大陸などから季節の鳥が渡って来ることが多いので「鳥渡る」で秋の季語となっている。鳥来るでもまあ同類とみなしていいだろう。生物は食べるもののみならず、長期間そこで暮らすときはそこの水や空気といった自然環境の要素も体内に取り入れ、身体の細胞に刻み込んでいく。したがって同じ種類の生物であっても、体内の例えば水分を精密分析することで、どこ産のものか分かるという。それどころか一例でいえば某県のある湖沼が産地であり、しかもその湖沼の南西側の水深3m程度のところの魚であるということまで判別可能とも。むろんそのためには事前事後にも膨大なデータが必要なわけで、それはあまりにも大きな手間と費用がかかるので普通はやらないだけである。もし実施できれば「産地偽装」などは一発であばくことができるのだが。

 

O様邸リフォーム工事 その13

 

山形県庄内町で水回りを中心としたリフォーム工事ですが、いよいよ終盤です。システムキッチンや食器戸棚・照明器具・エアコン・テレビドアホン・便器・手洗器・洗面ボウル、鏡、間仕切戸、ピクチャーレールといった機器類が付いてほぼ完成に近い状態です。写真には養生のシートやフィルムといったものもまだすこし写っていますが、部屋の感じはおわかりいただけるかなと思います。

DSCN2937_2

 

DSCN2942_2

 

DSCN2926_2

 

DSCN2940_2

 

しかし5カ所ある内部の木製建具(引戸3枚、ドア2枚)については昨日仮付調整したところで、まだ写真には登場していません。その建具は私が製作しているのですが、大工の木工事が終わってはじめて寸法取りが可能で、しかもガラスがみな強化ガラス等の特殊なものばかりなので確定寸法が出ないと発注できません。見込みでの発注ではリスクが大きすぎます。28日に完成引渡しの予定なのですが、結局引き戸やドアは本来のガラスが届くまで、そのガラスのかわりになるものを枠組に入れて9月10日頃まで使用することになりそうです。

完成引渡しの直前にあらためて写真をとってご紹介しますが、先にシステムキッチンについてだけすこし詳しく言及します。通常は本体(シンク・戸棚・コンロなど)と吊戸棚とレンジフードの3点がセットになっており、それでシステムキッチンと称しています。しかし今回はレンジフードはまだ新しい前の機器をそのまま利用し、また吊戸棚はキッチン前の窓をできるだけ大きく取りたい関係でセットから外すことにしたので、本体のみの新調です。メーカーはパナソニックで今年の新製品「ラクシーナ」。 サイズは幅2550mm、奥行650mm、ワークトップ高さ850mmです。ステンレストップのスタンダードなものですが、使い勝手はよさそうです。コンロはお客様の希望もありIHヒーターの3連。

 

槇島のほうき

 

DSCN2891_2

 

山形県庄内町の槇島(まぎしま)地区で約200年前から作られているというほうきを先日手に入れました。JRの余目(あまるめ)駅前の複合施設「クラッセ」の販売所です。このクラッセ自体も建築的になかなかおもしろい建物ですが、そちらはまた別に記事にすることにして、今回はほうきです。

販売所の壁面に数本展示販売されていたので、いちばんシンプルな感じのものを選びました。素材のイネ科ホウキキビを束ねるのに全体を黒い糸でがっちりと縛っているだけで、いわゆるへんに民芸調でないところが好みです。下の写真では一部金色の糸も使っていることがわかりますが、ホウキキビそのものも黄金色なのでむしろそれと解け合って目立たなくなっています。

いっしょに展示されてあった他のほうきは赤とか橙・青・紫などの色糸または一部多色の布を併用しているものもありましたが、いまいちデザインセンスがいいとはいえません。購入後に自宅でインターネットで検索してみたところ、伝統的には黒糸で縛るのが通例だったのを、昨年からBEAMSという衣料&雑貨等のセレクトショップでこのほうきを扱うことになりカラフルになった云々というような話が載っていました。

この槇島ほうきは後継者不足で素材も製作技術も途絶えてしまう寸前のところでなんとか復活したようですが、実用品としての機能を維持しつつ現代の生活空間にも似合うようなリデザインを希望したいところです。甘くないかちっとした感じにできれば男性にも受けそうに思います。

なお写真のほうきは全長95cmあり、かがまなくとも床を楽に掃くことができます。分類としてはこれは「座敷ほうき」でしょうかね。他に「長ほうき」「ミニほうき」「ロングミニほうき」などもあるらしいのですが、HPなどをみてもそれぞれの詳細がまったくわからないのでなんともいえません。私としては作業机の上を掃くこ小ぶりの槇島ほうきもほしいところです。

DSCN2896_2

 

バンの荷室改造

 

DSCN2921_2

 

他の工房で作った戸棚をお客様のところまで運搬することになり、この際ということでずっと懸案だった車の改造を行いました。とはいってもバンの荷室の床を合板でフラットにするだけです。

このバンは基本は貨物車でトラックに屋根が付いたようなものですが、乗車定員はいちおう6人となっています。前のほうに小柄な人なら無理してドライバー以外に2人、その後ろの荷室のほうに折りたたみ式のベンチがひとつあってここに3人です。ただし後席のシートベルトは道路交通法の改正で「後部席もかならずシートベルト着用」と義務づけられたので、それに合わせて急遽追加したものです。当初の車の設計にはなかったものなので、荷室の床の上に無造作に取り付けただけ。そのためシートを降りたんでも。ベルトの一部と取付金具がそこだけ床から3cmほど出っ張っているので、たいへんじゃまくさいです。

今までは運搬するものの保護や荷ズレを防ぐのと、このシートベルトの出っ張りを和らげるために厚手のキルトを下に敷くことが多かったのですが、それは単なる一時しのぎです。いつまでもそうもしていられないので、これを機会に改造しました。材料は12mm厚の合板と36×36mmの角材。荷室の天井高さをできるだけ犠牲にしたくないので角材は一面を31mmに減らしました。またふだん、たいした荷物がないときや3人以上の人を乗せる場合はやはり後席も必要なので、その場合はもちろんシートベルトも使えるように、新たな床板は前・中・後の3分割として、前の床板は簡単に外して中・後の床の上に置けるようにしました。

まあ自分の仕事車なので用が足りればよしということで、見てくれは適当です。写真は戸棚の運搬を無事終えたところですが、まだ床板の塗装はしていません。汚れが付きにくいようにするためにもそれなりの塗装はしたほうがいいのですが、仕事が一段落する来月に入ってからになるかもしれません。

 

アルビフロラ その3

 

DSCN2901_2

 

2ヶ月前にわが家にもらわれてきたアルですが(正式名はアルビフロラ albiflora、ラテン語で白い花の意)、へんなかっこうで床に寝そべっています。動物病院の前に捨てられていた3匹の仔猫のうちの一匹だったのですが、それにしてもずいぶん大きくなりましたね。生後3ヶ月をすぎたところかなと思いますが。

体長35cm、体重は1kgを超えています。仔猫というとわりあいころっとした体形を想像しますが、アルはまったく逆で贅肉というものが皆無のようですし手足が長めで全体がとにかくスレンダー。運動神経が抜群で、起きていればあちらこちらをとび回っています。とくに病気怪我もせずそそうもないのですが、人と遊ぶときにあまり力をかげんせずに噛むのが困りものです。たまにですが家族の手足に歯形がついて血がにじむことも。

11歳になる先住のトント(大猫で体重は5kgあります)とははじめのころほど激しく対立することはなくなりましたが、トントのほうはいまだに迷惑顔です。アルはそれでもかまわずちょっかいを出すのですが、トントからときどき猫パンチをくらっています。

DSCN2909_2

 

特急「いなほ」のカラーリング

 

DSCN2841

 

「いなほ」はJR東日本が運営する、新潟〜酒田〜秋田間の特急列車ですが、今年7月12日に旧来の485系から新型車両のE653系という車両に全部置き換えられました。そのいなほを先日、余目駅で間近に見ましたが、車両本体のデザインもですが、それ以上に車体のカラーリングがよくないですね。

「いなほ」はむろん稲穂のことで、秋田県・山形県・新潟県の穀倉地帯を縦断する特急列車であるところから名付けられたわけですが、ビジュアル的にそのイメージにひきずられすぎていると思います。熟した稲穂の色合いとか、日本海にしずむ夕陽であるとか、海風とか……。

誰がデザインし誰がその採用を決めたのか知りませんが、これではまるで高校美術部のポスターかデザイン学校1年生の習作みたいです。レベルが低くすぐに飽きてしまいそう。

 

コーヒーブレーク 25 「ブガッティ」

 

DSCN2795_2

 

水平線という大きな矢夏休み

目の錯覚や思い込みではないと思うが、左右さえぎるもののない海を眼前にすると、ほんのわずかながら水平線が円弧を描いているようにみえる。またよく晴れた空気の澄んだ日でも視界距離には限度があり、たとえ高倍率の双眼鏡でのぞいてもそれほど遠くまで見えるわけではない。したがってこの地球が丸いということは古代人でも、とりわけ海の民は直感的に感得していただろうと思う。むしろ都市に住む人間が「地球が丸いはずがない」という固定観念にしばられ、自らの感覚を否定していたのかもしれない。/視覚や聴覚・臭覚・味覚・触覚などによって体得される「事実」によって思考や理論は修正されねばならない。思考や理論によって眼前の事実を否定してはいけない。

 叩かれし西瓜は口きかずなり

さすがの猛暑も峠をこし、西瓜の季節ももう終わりである。暑いときは冷やしたメロンもいいが、もっと暑くなるとその甘くべたついた感じがきらわれて西瓜にとってかわられる。アイスクリームが氷菓にかわるのも同じ理由だ。わが家では妻の実家からメロンや西瓜はわけてもらえるので、まずお店で買ったことはないし、子ども時代も父の取引先の関係で同様にもらってばかりいた。しかしあらためてスーパーマーケットなどの店頭で大きな西瓜をみると、けっこう高いのにびっくりする。/さていくつも並んだ西瓜の食べごろをはかるのに手の平で西瓜の表面をぽんぽん叩いたりしたものだが、ほんとうにそれで中の熟れ具合がわかったかははなはだ疑問である。つまり実際の効力よりは食べる前の一種の儀式のようなものだったか。むろんのこと結局は包丁を入れて割ってみないとね。/それにしても歳時記でいまだに西瓜を秋の季語としているのには呆れる。昔はたしかに初秋のものであったかもしれないが、すでに事実としても人々の感覚やイメージとしてもまちがいなく西瓜は夏のものだ。

ブガッティは不格好だわ茄子の馬

ブガッティはもともはイタリアの高級スポーツカーのブランド。  1909年にエットーレ-ブガッティにより創設された自動車会社で、主に高性能のスポーツカーやレース車を作っていたが、この本家というか元祖というかブガッティと、現在ちまたで有名なブガッティはまったく別の会社である。/1987年に某実業家がブガッティの商標を入手し、1991年にEB110GTという高性能のスポーツカーを発表しにわかに注目を浴びる。しかし過大な投資により1995年に倒産。EB110は最終的に154台の生産にとどまったらしい。/現在はフォルクスワーゲンの傘下の子会社でフランスのブガッティ-オトモビルにブガッティの商標権・製造販売権は移行しており、2006年に販売開始されたヴェイロン16.4は約2億円というとほうもない値段と、時速400km以上という市販車最速クラスの超高性能が世間をさわがせた。/おもしろいのはその2億円なりの金さえ出せば誰でも買えるのかというとそうではなく、ブガッテイ側が「この車を買い所有するにふさわしいかどうか」を経済面のみならず人品骨格を厳しく審査し、それに通らなければいけないらしい。そのため買わんとする者はフランスのブガッティ本社に出向く必要があり(むろん事前審査をパスすればだろうが)、購入可となればとうぜんキャッシュ払い。お高くとまっているというよりは、そのへんの演出も含めての「超高級車」という販売戦略なんだろうね。

 

スリム&トーションビット

 

5月末頃より庄内町で行っているリフォーム工事ですが、いよいよ納期が迫ってきたので、私も大工仕事の一部を手伝いました。といっても実作業の主役は大工さんたちなので、私はいわば手元・助手としてです。例えば室内壁面の下地面となる石膏ボード張りですが、これは専用のネジをドリルドライバまたはインパクトドリルドライバで止めていきます。

その際にたまたま借りたインパクトドリルドライバの先端に付いていたビットが「スリム&トーション」と呼ばれるタイプのビットでした。私ももちろんそういうビットがあること自体は前から知ってはいましたが、実際使ってみるとたいへん具合がいいです。ネジに対する食いつきがよく、締め付け中にビットがネジ頭から外れる割合もかなり少なく感じました。

ビット先端のネジ部分の大きさが通常のビットより小さいので、締め付けようとしているネジ頭の溝をキャッチしやすいです。先端が小さいといってもプラス2のネジに切られている溝そのものがそれほど大きくはないので、必要十分なだけのくわえ代があります。またビットの軸の中程が細くしぼってあるのでその部分がわずかにねじれ(トーション)ることにより、回転力の直接伝達をある程度抑制し過度の衝撃を緩和します。そうすることでビット先端の欠けやネジの破損を防止する効果が高まります。

DSCN2826

 

使用感がとてもよかったので、さっそく自分のインパクトドリルドライバ用に同類の「スーパースリム&トーション」ビットを購入しました。上の写真がそれです。基本構造はみな同じですが、全長が110mm、85mm、65mmの3種類。写真のいちばん下のビットはごく一般的なビットですので、違いがよくわかるかと思います。見た目の印象では上の3本は下のに比べるとひ弱そうですが、実際は逆なのですね。値段的には旧来の通常のビットの倍以上しますが、それでもせいぜい実売価格250〜300円(5本セットの場合の単価)くらいのものですから、コストパフォーマンスは非常に高い。おすすめです。

 

O様邸リフォーム工事 その12

 

DSCN2885_2

 

DSCN2884_2

 

DSCN2889_2

 

山形県庄内町でのリフォーム工事は、やっと大工仕事(メインの木工事)が終わり、床のフローリングや戸枠・窓枠・廻縁・幅木などの造作材の塗装が終わったところです。あとは天井と壁にオフホワイトのクロスを貼れば、部屋自体はほぼ完成します。その後、お盆明けくらいから食器戸棚や洗面ボウル・トイレ器具・鏡・照明・換気扇・建具などを取り付けします。

クロスを貼るだけでもかなりまた印象が違ってきますが、部屋のだいたいの感じはおわかりいただけるかなと思います。今回、最終的に表にあらわれる木部はすべて無垢材で、集成材や合板やプラスチックやMDFなどは使っていません。施工はちょっとめんどうですが、やはり無垢の木は抜群にいいですね。

壁面で石膏ボードではなく12mm厚の合板を張ってあるところがいくつかありますが、これは耐力壁としての強度を持たせるためです。この上にクロスを貼って仕上げとなるのですが、そのままでは合板のアクが染み出てくるおそれがあるので、専用のシーラー剤で下処理を行います。

キッチンのワークテーブルもまだ養生用のフィルムを貼ったままですが、床のメープル材に近い色合いの白っぽいもの。キッチンパネルもオフホワイト&艶消の特別なものですが、まだ目地のコーキングはしていません。