山形県庄内町の槇島(まぎしま)地区で約200年前から作られているというほうきを先日手に入れました。JRの余目(あまるめ)駅前の複合施設「クラッセ」の販売所です。このクラッセ自体も建築的になかなかおもしろい建物ですが、そちらはまた別に記事にすることにして、今回はほうきです。
販売所の壁面に数本展示販売されていたので、いちばんシンプルな感じのものを選びました。素材のイネ科ホウキキビを束ねるのに全体を黒い糸でがっちりと縛っているだけで、いわゆるへんに民芸調でないところが好みです。下の写真では一部金色の糸も使っていることがわかりますが、ホウキキビそのものも黄金色なのでむしろそれと解け合って目立たなくなっています。
いっしょに展示されてあった他のほうきは赤とか橙・青・紫などの色糸または一部多色の布を併用しているものもありましたが、いまいちデザインセンスがいいとはいえません。購入後に自宅でインターネットで検索してみたところ、伝統的には黒糸で縛るのが通例だったのを、昨年からBEAMSという衣料&雑貨等のセレクトショップでこのほうきを扱うことになりカラフルになった云々というような話が載っていました。
この槇島ほうきは後継者不足で素材も製作技術も途絶えてしまう寸前のところでなんとか復活したようですが、実用品としての機能を維持しつつ現代の生活空間にも似合うようなリデザインを希望したいところです。甘くないかちっとした感じにできれば男性にも受けそうに思います。
なお写真のほうきは全長95cmあり、かがまなくとも床を楽に掃くことができます。分類としてはこれは「座敷ほうき」でしょうかね。他に「長ほうき」「ミニほうき」「ロングミニほうき」などもあるらしいのですが、HPなどをみてもそれぞれの詳細がまったくわからないのでなんともいえません。私としては作業机の上を掃くこ小ぶりの槇島ほうきもほしいところです。