山形県庄内町のJR余目駅前に今年5月10日にオープンした複合施設、庄内町新産業創造館「クラッセ」です。古い米倉庫を全面改装した建物が中核ですが、レストランやカフェ、地元の物品販売所、庄内町情報館などが入っています。内容のくわしいことについてはグーグルなどで検索していただくとして、ここでは建物の外観について。設計は山形市の羽田(はだ)設計事務所です。
ふつう古い木造建築の改装や改築というと「黒い瓦屋根に白いしっくい壁」というあたりが定番ですが、このクラッセの場合はそれとは逆で、白い瓦屋根(特注品?)に濃茶色の板張りの壁がメインのデザインとなっています。勾配があって非常に面積の大きな屋根なので、黒い瓦では見た目にも重すぎる感じになるところを、逆転の発想というかおもしろいですね。冬になって屋根に雪が降り積もってもおおかたのイメージはこのままでしょうから、そういう意味での新鮮さもあります。
壁は個々の板は幅が一様ではなく細いものも広いものもあって、それをランダムに縦に張り付けています。板と板の隙間(目透かし)から下地の銀色の壁面がのぞいているので、全面亜鉛鋼板かなにかを張り巡らしたあとで化粧的に木の板を張っているのかもしれません。