月別アーカイブ: 8月 2011

『現代農業』

私は農業にはタッチしていませんが、月刊誌『現代農業』をときどき買うことがあります。特集などで自分の仕事や暮らしにも非常に役に立つ記事が載っていることがあるからです。

今回の9月号は「農家直伝 ヒモ&ロープの結び方」でした。ロープワークについて書かれた本はたくさん市販されていますし私も持っています。しかし本特集は農家直伝とうたっているだけあって、いま現在の現場に即したきわめて実践的な内容になっています。一般の書物などには載っていない方法もたくさん紹介されていて、これはお買い得と思いました。

紐の結び方はいつもやっていないと忘れてしまい、いざというとき役に立ちません。また登山などで使う場合は、100%確実に結ばないと命にかかわります。昔、山岳部では「もやい結び」など最も基本的な結び方を、疲労困憊時でも手が勝手に動くように目をつむりながら何回も練習しました。何十年も経った今でもそれは簡単に結ぶことができます。あとは大工仕事をやっていたとき以来の「南京結び」ですね。トラックに積んだ材木等を強く確実に固定でき、かつ容易にほどけるという結び方です。これもしっかり結ばないと交通事故を起こしかねません。

めったに使わない、また複雑な結び方を仮に何百も知っていても、それは単なるマニア的自慢にしかならないので、自分の仕事と生活に欠かせない基本的な結び方を10〜20種くらい習得すればいいんじゃないかと思います。

エンジュの輪切

 

子どもたちの手製のペンダント用にエンジュの枝を輪切りにしたものです。これに水性のマーカーで絵を描いてラッカー塗装し、紐をつけます。輪切りした材の大きさは厚さ約1cm、直径5〜6cmで、合計251個あります。当工房では材料の供給と、子どもたち(幼児〜小学生)が作るのをいくぶんかサポートします。

エンジュはマメ科クララ属の落葉広葉樹です(Sophora  japonica)。中国原産ですが、なぜか学名はジャポニカになっていますね。我が国には庭木や街路樹としてかなり古い時代に渡来。しかし植物図鑑で調べてみると、エンジュによく似たイヌエンジュがあり、こちらはマメ科イヌエンジュ属で、日本固有種です(Maackia  amurensis)。輪切りにした枝は、ずっと昔20年以上も前に他の材を購入した際におまけみたいな感じで分けてもらったものなので、果たしてエンジュなのかイヌエンジュなのか定かではありません。

いずれにしても心材が黒褐色、辺材がクリーム色と、非常にくっきりと色が別れていて、そこがとても個性的です。そうした特徴をいかしてろくろ細工や床の間の柱などによく用いられます。材質は緻密・強靭で、乾燥による割れも生じにくいです。でなければこんな枝を輪切りにして工作などできません。

これに紐を付けるのですが、難問がひとつありました。ただ紐を固定しただけでは、万一の場合「首つり」にならないとも限りません。最近はそうした事故を避けるため、市販のボールペンやネームなどでも一定以上の強い力がかかると紐が分離するような専用のバックルが採用されています。万一の場合は外れる、しかし通常の使用状況では外れることはない=下げていたものが落下して壊れたり紛失することはない、という微妙なコントロールを、専用のセーフティバックルを使わずに他の方法で実現するのは難しいです。

がっちり紐を結ぶのではなく瞬間接着剤で付ける、部分的に細い紐の箇所を作っておく、といった方法を試してみましたが、瞬間接着剤は接着力の弱い側のコントロールが至難で、また小さい子どもたちが扱うには瞬間接着剤は危険もあります。紐の一部に切れやすいようにわざと弱い箇所を設けるというのも、意外に細工がめんどうなことと見栄えがわるい。セーフティバックルの部品だけをたくさん仕入れるという方法もあるでしょうが、その予算も時間的余裕もない、……。

結局、さんざん試行錯誤したあげくステンレスの針金で径6mmほどの小さなリングを自作することにしました。まん丸ですが溶接されてなくて切れ目のあるリングです。強い力がかかるとリングの口が開いて紐やチェーンが分離する仕掛けです。市販のネックレスなどはみなそのような作りになっていますね。これもパーツとして売られているのかもしれませんが、今回は自作です。針金の太さとリングにした場合の直径はどれくらいが適当か、どうしたら簡単にきれいな円形にできるか。これも何度もためしてみて決めました。

紐を本体に締結するのも、普通にネジ止めの金具を使うのでは当たり前すぎるしカッコわるいので、オリジナルな方法で。これはふだんの仕事で解決済みなのでそれを採用しました。

感想文

地元の小学校の総合学習の一環で7月7日に鳥海山高瀬峡をたずねました。「高瀬峡と湧水」というテーマです。6月23日の教室での事前学習2時間と合わせ、小学生5年生19人といっしょに、あらためて鳥海山のことや湧泉と湧水について勉強しました。そのときの講義とフィールドワークについての児童からの感想文集です。タイトルに「大江先生」とあるのは、まあ学校の授業なのでやむを得ませんね。実際には「私は先生じゃありません。ちゃんと名前があるので名前で呼んでね」と言っています。

人になにか教えるということは、よく言われることですが、同時に人から学ぶということです。自分が何を知っていて、何を知らないかを痛感させられることです。小学生を対象に、レベルを落とさずかつ相手が理解できるよう講義をし現地説明をするというのはかなり難しいことですが、今回はおおむね及第点だったかと思います。それは感想文が儀礼的形式的お礼ではなく、具体的なことがらを子どもたちがあげ、しかも多様であることです。なかには私のレクチャーのしかたそのものに対する感想もありました。

ときどき小学生や高校生や大人を対象に湧水などについて講義や現地案内をすることがあり、終わってから感想を書いてもらうことがありますが、いまいちうまくいかなかったときは感想も儀礼的でワンパターンであることが多いですね。みんながみんな「今日はお忙しところ私たちのために時間をさいてくださってありがとうございました……またよろしくお願いします」というような類いの感想を書いてきたときはレクチャーがまずかった証拠です。

 

棚田

 

緑なす一面の稲田。鳥海山の南西麓、遊佐町白井新田地区の水田です。白井新田は200年前に酒井藩によって開田された地区で、標高約200m以下の鳥海山の山裾にあたります。開田の指揮にあたったのが白井矢太夫という人で、その名前を冠して白井新田というわけです。

もちろん最初からこのような凹凸の少ないなだらかな地面であったわけではなく、田の一枚ずつももっと小さく不定形でした。それを長い年月をかけて一様な勾配と、四角く大きな田に変えてきたわけです。田んぼと田んぼの段差こそそれほど大きくはありませんが、これはまぎれもない棚田です。横のやや濃い緑の筋がその法面です。

「棚田」というと転げ落ちるような急斜面に、丸や三角や四角やさまざまな形の田んぼが連なる光景を思い浮かべる人が多いと思いますし、「日本の棚田百選」などに選定されている棚田は、おおむねそのような形の棚田ばかりですね。しかしそれはあまりにも偏った、恣意的でアナクロ的な見方だと思います。田んぼはいうまでもなく人工的施設なので、「外部」からみて絵になる光景ということと、農業としての意味合いや価値とは別物です。

急斜面に不定形の田んぼという、わざわざそういう棚田をよそに探さなくとも、地元にはもっとずっと広大ではるかに整備がすすんだ棚田があります。

 

8/1&13の胴腹ノ滝

 

 

恒例の胴腹ノ滝です。上が8月1日の朝、下が8月13日の胴腹ノ滝です。9日から12日まで断続的にすこし雨が降り、月光川本流など干上がっていた河川もいくらか増水しましたが、胴腹ノ滝の湧水のほうは5月11日をピークとして徐々にですが一貫して減り続けています。

水温のほうは1日が左右とも8.8℃で(気温21.0℃)、13日が左右とも8.9℃です(気温22.2℃)。水温は0.1〜0.2℃ぐらいの差ですが上がったり下がったりですね。

さてこのまままだずっと水量が減り続けていくのかどうか(いつ反転するのか)、水温はどうなるのか。調査を続行します。

鉋薄削り

 

鉋(かんな)でどこまで薄く木を削れるかを大勢で競い合う「削ろう会」などのイベントが、全国のあちらこちらで開かれていますが、私はまったく興味がありません。優勝者は3〜5ミクロンくらいまで薄く削るらしいのですが、だからどうした? という感想しかないです。

実際仕事で木を削る場合、手押鉋盤や自動鉋盤の送りロールや回転刃の跡(ナイフマーク)、加工中についた汚れや墨(加工する目安として引いた線や文字)、小さな当て傷などを除去するなどのために、仕上げに必ず手鉋をかけますが、その際の刃の出はおよそ30〜50ミクロンくらいです。それくらいにして削らないと目的を達成できません。1回削るごとに顕微鏡的には刃先が摩耗しているはずなので、時間的なことからいってもできるだけ回数少なく仕上げられたほうが得策です。それをわざわざ極薄にして10回も鉋がけする必要どこにもありません。

むしろ仕事では30〜50ミクロン程度の切削をいかにコンスタントに行うか、そして摩耗した刃をいかにすばやく研ぎ直すかが肝心で、極薄の削りをやっているような暇はありません。例えて言うならば、土木工事の現場にF1のレースカーを持ってきても邪魔になるだけです。欲しいのは頑丈で運転しやすい、できれば燃費もいい重機です。

ただこういうことを言うと「ふん、自分ではできもしないくせに」と批判する人が必ずいます。それもちょっとしゃくなので、先日ふだん使っている仕上鉋と砥石でいつもどおりに研いで削ってみました。できるだけ削り屑が薄くなるようにやってみたら、10ミクロンまでは可能でした。もっともそれくらい薄くなると導管が発達した広葉樹ではレースのように削り屑が切れ切れに分離してしまいます。また逆目を抑えるための裏金もそのまま装着して削っていますから削り屑が波打ちまるまって刃口に詰まってしまいます。

もしほんとうに極薄の削りを追求するなら、鉋台の調整や刃の研ぎ方や裏金の処置や削る材料など、さまざまなことをそれ用に合わせないといけないと思います。材料はよく目の通った無節のヒノキあたりがいいでしょうね。しかし私はやる気はありません。10ミクロンをさらに半分以下に落とすのはたしかに容易くはないでしょうが、どうすればいいかの見通しはつくので、それでもう充分です。上の写真はそのときのものではありませんが(撮るのを忘れた)、木屑がくしゃくしゃになったり切れ切れになっている様子は分かると思います。

パイレックス

工房での昼食は自炊です。外食するようなお店が付近に皆無なこともありますが、お金も時間ももったいないので毎回自分で作って食べています。調理は最大20分以内というのが目安で、したがってオリーブ油と醤油ベースのスパゲッティか、ご飯に味噌汁・漬物・納豆や目玉焼など一品、といったごく簡素な食事です。食材を計算してみると180〜240円くらいになります。

写真は漬物や切った野菜などを入れて冷蔵庫で一次的に保存しておくためのガラス容器です。岩城ハウスウェアの耐熱ガラス食器「パイレックス」ですが、蓋はプラスチックで黄緑色のはたぶん最初期のもの、白いのが最新のものです。間に青い蓋や緑の蓋だった時期もありますが、電子レンジに対応できるようにする(蓋をしたままで加熱できる)などの理由で今の白い蓋になったようです。

サイズは、大が径138mm、中が径108mm、小が径68mmで、高さはいずれも70mmです。写真には小は写っていませんが、砂糖入れに使っています。形はまん丸ですが、横から見ると中ほどがくびれています。持ちやすいようにですね。丸形のほかに四角く肉厚のタイプもありますが、いずれもそのまま食卓に出してもちっともおかしくありません。

冷蔵庫での食べ物の保管というと本体もプラスチックの容器という場合が多いかもしれませんが、それだと食べるときは一度陶器の皿などに移さないといけません。いやそのまま箸を突っ込んで食べてもいいのですが、さすがにそれではなんだか非常にわびしいです。そんなわけで、工房では食べ物の保存容器はほぼパイレックス一色になってしまいました。

パイレックス(PYREX)はアメリカのコーニング社の登録商標ですが、耐熱ガラスの代名詞といえるくらい有名です。岩城ハウスウェアはこのコーニングと提携しています。検索してみるとじつに多くの製品が展開されており、ちょっと目の毒ですね。

iPhone

いわずと知れたアップル社のスマートフォン、 iPhone です。ただし私が使用しているのは日本で発売された最初期の型で、 iPhone としては第2世代にあたる3G というモデル。もう2年半近く使っています。

その後、モデルは3GS、4 となり、私のはすでに旧型になってしまい性能的に不満も出てきましたが、今秋に発売が予定されているらしい iPhone 5が出るまで我慢するつもりです。とはいえ現在の3G でも愛用していることにはちがいがありません。実際に iPhone を使われている方にはいまさら説明するまでもありませんが、いちおうどういった機器なのか、他の携帯電話とどう違うのかを、以下簡単に記述してみたいと思います。

これは基本的に「いろいろなことができる携帯電話」ではなく「電話もできる超小型コンピューター」ととらえたほうが正解だと思います。そして操作のほとんどを液晶画面で行います。画面上のアイコンやボタンやキーボードなどを直接指で触れることによって入力・操作するわけです。銀行などにあるATMみたいなものですが、タッチするだけでなく、はじいたり(フリック)、軽くたたいたり(タップ)、つまんだり押し広げたり(ピンチ)といった動作と組み合わせるという、簡単かつとてもユニークな操作でこの超小型コンピューターは動きます。今ではこの「マルチタッチスクリーンパネル」で操作する方式の携帯電話が各社から出ていますが、2007年1月に最初の iPhone が米国で発売されたときはたいへんな驚きをもって迎えられたようです。

液晶ディスプレーは3.5インチあるので、本体の幅は62mmと通常の携帯電話に比べ大きめです。縦寸法は116mmで重さも133gとずっしり感があります。軽く小さい携帯電話に慣れた人にはこの iPhone 3G は重く大きく感じるかもしれませんね。私は手も大きいし「機能が凝縮されている」感じがあってぜんぜん気にはなりませんが。

電話をかけたり受けたりするのは若干めんどうかも、です。ふつうのコンピューターと同様、メインスイッチを入れても最初のホーム画面が出てくるまで30秒くらいかかります。通常は待受状態にしていますから、ボタンひとつで瞬時に初期画面が出ますが、それでも電話のアイコンを選択してからでないと電話をかけることはできません。かかってきた電話の保存や転送などといった機能は、そもそもあまり電話をしない私はいまだにちょっとまごついています。このあたりも「電話は iPhone の多々ある機能のひとつでしかない」というアップルの方針がみてとれます。

私が重宝しているのは写真関連の機能です。搭載のカメラは200万画素とあまり高くありませんしモード設定や絞り・シャッタースピードの選択もできない、いわゆるバカチョンです。が、バカチョンとしてはとても優秀で、どんな状況でもそれなりに写真が撮れてしまいます。私が持っているコンパクトデジカメではぜんぜん写せないよう場合でも、 iPhone ならなんとか写せてしまう。もちろん画像はかなり荒めで、「作品」を撮るには不向きでしょう(3GS や 4 では機能が格段にアップしています。ビデオ撮影もできます)。

現在私の iPhone には他のカメラで撮った写真も含め750枚が収納されています。工房の製品の写真と、自然関係の写真が大部分ですが、とくに自作の家具や木製小物の写真は簡易なカタログがわりにも使えます。初対面の方には自分がどういう仕事をしているかの強力なアッピールになりますし、写真の拡大も指先ひとつで簡単にできるので、細部のつくりも確認可能。むろん正式な仕事の打ち合わせにはA4サイズに精細プリントした資料を持っていきますが、それの前段階としては iPhone での画像は充分役に立ちます。

音楽は手持ちのCDをパソコンに入れたものから適宜 iPhone にダウンロードさせていますが、現在980曲収録。音質としては iPod と同様なので、イヤホンをさして聴くぶんにはけっこういい音だと思います。ただし私は他の仕事や作業や運動をしながら「ながらで」音楽を聴くことはまずないので、メモリ(128MB)を大幅にくっているわりには出番は少ないです。

他の機能としては、標準であらかじめ入っているアプリケーションソフトしかありませんが、住所録、カレンダー、メモ、ボイスメモ、計算機、時計、GPS、サファリ(インターネット閲覧ソフト)等があります。私がよく使っているのはカレンダーや時計の機能ですが、インターネットはパソコンにくらべるとあまりにも開示速度が遅すぎてむしろストレスを感じるので、出先でやむをえずという事情がないかぎり開くことはありません。このへんも3GS や 4 ではかなり改善されているようですが。

iPhone は日本では基本的にソフトバンクでしか扱っていませんし、契約も2年しばりで、他の携帯電話と違って通話だけでなく必ずデータ送受信=パケット通信も含む契約しか iPhone にはありませんので、通話基本料+留守電などのオプション+パケットしほうだいで月に最低6000円はかかります。携帯での電話は私は少ないので、多い月でも7000円程度ですが。携帯電話の料金と思えばずいぶん高いですが、超小型モバイルコンピューターだと思えば、まあ妥当かな。

さて iPhone のいろいろな機能について述べましたが、私がそれまでのごく普通のドコモの携帯電話から iPhone に切り替えた最も大きな理由は、じつはデザインです。機能云々はほんとは後付けのいい訳みたいなもの。 iPhone のデザインとそれを産み出したアップルの思想はすばらしいと思います。今でこそそのコピー然としたスマートフォンが各社からたくさん出ていますが、 iPhone を超えるものはないと私は感じています。

防水防塵電卓

これは失敗した買い物のひとつです。工房で使うのに防水防塵性能がしっかりしている電卓がほしいと思い、通販で取り寄せたのですが、箱をあけたとたんにがっくり。予想していたよりずっと大きく、縦約19cm横約14cmもあります。木工作業でそばに置いて使うには邪魔になるくらいのサイズです。

これまで工房内で多くの電卓を使ってきましたが、必ずといっていいほどキーや電池収納部の蓋または液晶の窓と本体との間というようなごく小さな隙間からパウダー状の木粉が中に入り、液晶が見づらくなったりキーの接触がわるくなったりしていました。液晶の寿命が尽きたり、落として破損するなどの理由での廃棄処分・買い替えはありません。ゴミさえ侵入しなければまだまだ使えるのにと、いつも釈然としませんでした。

きっと防水防塵の電卓があるはずだと考えて店頭やインターネットも調べたのですが、該当するほとんど唯一といっていい電卓が写真のカシオWD-220MT。桁数は12、電源はボタン電池とソーラーの2系統。デザインはちよっとなぁと感じましたが、性能的には充分と思い注文しました。しかし……。

結局工房での作業には手の平サイズ(手帳サイズ?)のごくふつうの電卓を、菓子かなにかの袋だったポリプロピレンのフィルムで包んで使っています。ポリエチレンのフィルムにくらべ透明度が高く表面硬度も高いので傷つきにくいのはいいのですが、キーの感触はとうぜんいまいちで、見た目もとってもチープです。

メーカーさん、防水防塵で小型でかっこもいい電卓を作ってくれませんかね。そういう電卓を欲している人はけっこういると思うんですが。

水汲み


鳥海山の南西麓、標高230mほどのところにある胴腹ノ滝(どうはらのたき、どっぱらのたき)に、湧水の調査を兼ねてときどき水を汲みに行きます。わが家では紅茶やコーヒーなどの飲みものをいれる際の水、米を炊くときの水は昨年からずっとこの胴腹ノ滝の水です。2リットル入りのペットボトルに7〜8本。車を停めてから林の中の砂利道を150mほど歩くため、重さ的にもこれくらいが限度で、1週間〜10日くらいに一回の割合です。湧水の調査もあるので、間隔があまり空きすぎてもいけませんし。

水は滝の湧出口から直接ポリエチレンの水道用パイプでひいてあるので、ゴミや雑菌が混じらないとてもきれいな水です。また全硬度9〜11程度と非常に低い、いわばノンミネラルウォーターなので時間が経っても変質しにくい点もいいですね。極端に混じりけの少ない純粋な水なので、ばい菌も餌がなくて繁殖できないのかもしれません(念のため冷蔵庫に入れていますが)。水の落とし口は左右に2カ所ずつ合計4カ所あるので、水を汲みに来た人はまず順番待ちをしなくとも楽に水汲みができます。

水は無料ですが、アプローチの道の整備やパイプの敷設などは基本的に個人が行っているので、せめてものお返しということで冬は歩道の除雪、賽銭箱へのお金の投入、周辺のゴミ拾いなどをするようにしています。これほど良質の水がたやすく汲めるということは僥倖というべきでしょう。みなさんもご協力のほどお願いします。