キハダ(黄肌・黄檗)のたいへん変わった杢を蓋に用いた刳物です。縮杢にさらに黒い斑がおおむね年輪に沿うようなかたちで入っています。こうした何々杢ともなんとも呼びようもない変わった杢の材のことをスポルトと呼んでいます。日本語としては「変わり杢」ですが、今は木工関係者・木工マニアの間ではむしろスポルトといったほうが通りがいいでしょう。キハダでこのような杢は非常に珍しく、非常な希少材といえます。
2枚目の写真では実のほうが半分顔をのぞかせていますが、こちらは通常のキハダです。板目と柾目の違いはあるとはいえ、蓋のスポルトとはまったく表情が異なります。こういうところも天然木のおもしろいところですね。
サイズは蓋の直径が210mm、高さ47mm、実の深さ27mmで、ウレタンの艶消塗装です。点対称の円形なので、加工は基本的には木工旋盤(ろくろ)で行いました。ということで蓋付きの刳物でもあり、挽き物ともいいます。
※ じつはこの品は次回の個展用に作ったものですが、相手方の事情により5月末に予定していた個展がキャンセルとなってしまいました。したがって当品もふくめ、いま作りかけの数点の刳物については、ご希望の方がありましたら直説販売可能です。詳しくはメールでお問い合わせください。
No.550 黄檗変杢丸形蓋付刳物 サイズは直径210mm 、高さ47mm 、実の深さ27mm