アメリカン-ブラック-ウォールナットの器です。次の個展に向けて製作した一点物ですが、皿でも椀でもなく鉢やボウルともいいがたい形状です。材料をみながら旋盤での削り具合をみながら即興で決めていったもので、大きさは径183mm高さ51mmです、縁の厚さは2mmで、実用的な器としてはこれくらいが限界でしょう。逆に中央部に向けてはあまり削り込まず、ウォールナットの重厚感・持ち重り感を活かしています。一部に皺状の杢もあり、かっこうのアクセントになっていると思います。
旋盤加工の面白いところは、加工したぶんだけ直線的に確実に完成に近づいていくことで、最後に組み立ててみないとわからない指物などとの大きな違いがそこにあります。もっとも一度削ってしまったものは元に戻せないので、一発勝負の連続ともいえます。緊張はしますがこういう作業は楽しいです。