自分のパソコンに収納されている、自分で撮影した写真を整理していたら、2004年6月29日の丸池様が出てきました。つまり13年前の丸池様ということです。鳥海山南西端の吹浦地区の箕輪にある丸池様は、鳥海山から約10万年前に流れ出してきた溶岩流の末端にある、湧水だけからなる直径約20m、水深約3.5mの池です。
丸池神社の社叢林なので原生的な自然・植生が比較的よく保たれているところですが、数年前から急激に観光客や写真愛好家が増えたことで池畔の植生、とくに草本がかなり失われてしまいました。とくに歩道・林道に近い東側と北側はほぼ丸裸に近く地面が露出してしまっています。裸地化してしまうとすこし強い雨が降ると土砂が容易に池に流入してしまいますし、景観的にも池の美観が損なわれてしまいます。
これについては昨年(2017)夏の「鳥海山・飛島ジオパーク」認定に対する現地審査の際にも審査員から「早急な保全対策が必要な案件」として指摘されています。遊佐町役場からは年度内に歩道・車道と池畔との境界にロープをめぐらすなどの対策を行うという言葉をきいています。
私は数十年前からたびたびこの丸池様を訪れているのですが、私の記憶に中にあるかつての景観とここ2、3年くらいの景観とのちがいに落胆していました。ただ記憶は一般的にいうならけっこうあいまいなところがあって、思い違いであったり実際のものより美化しがちです。しかし下の写真を見ると池畔の植生が近年まではわりあいいい状態で保たれていることがはっきりとわかります。あらためて現況との落差に驚きました。まさか後年、ここまで荒れるとは予想しなかったので、畔そのものに重点を置いて撮影した写真ではないのが残念ですが。
下の写真の最後の1枚は昨年(2016)6月5日のものです。どうか上4枚の写真と比べてみてください。
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