日別アーカイブ: 2017年2月18日

黒柿のキーホルダー製作中

 

昨年11月の個展などで黒柿のキーホルダーがわりあいよく売れて、在庫が少なくなってきたので追加製作しています。もっとも蓋付きの刳物やペーパーウェイトを作った際の残りの端材を利用しての製作です。サイズが仕上がりで16×16×80mmなので、これにて最後までほぼ全部使い切るということになります。

他の材料であれば加工の手間を考えると大きな材料から木取をして一気に下拵えをし、あとは長ネギを切るみたいに個別にカットしたほうが断然コストがかかりません。小物の場合はどだい材料費はたいしたことはなく、コストの大部分を加工費が占めるので、材料を節約するよりも加工の手間を短縮したほうがいいということです。しかし黒柿の場合は別で、材料単価が桁違いに高いことと材料そのものが急激に品薄になってきているので、端材の端材までとことん使うようにしないといけません。

 

上の写真はキーリングを通す穴をあけ、所定の寸法にカットしたものを1個ずつサンディングしているところです。サイズが小さい上に木目も複雑にうねっていたりするので鉋がけはリスクが大きすぎ。そこで昇降丸ノコ盤でよく切れる丸ノコの刃でできるかぎり正確にきれいに4面をカットしたあと(専用の治具にホールドしてです。そうでないと超危険!)、厚手のガラスにサンディングペーパーを貼った上でキーホルダーを前後にすりすりします。ペーパーは番数を変えながら行いますが、機械の刃の跡などが完全になくなるまで研磨します。面取りは当てゴムにセットしたサンディングペーパーで。

一見したところ単純作業のようですが、木口も垂直に立ててこの方式で磨きますし、片減りしないように圴一な圧力を加えつつ水平移動するのはそれほど簡単なことではありません。

 

次の写真はサンディングが終わったものを塗装しているところです。これで全部ではなく、部分的な写真です。小さくて数があることと、穴の中まで塗装する必要があるので、最初の下塗りは刷毛塗りではなく「ドブ漬け」です。つまり品物全体がすっぽりつかるくらいの量の塗料に丸ごと浸して塗料を吸収させます。それを割箸でつかんで釘にひっかけて乾燥させます。

原則として計4回塗装するのですが、2回目以降は塗料はもう中にはしみ込まないので、1面ずつの刷毛塗りになります。塗装後、ステンレスの径30mmの専用キーリングを穴に通せば完成です。