日別アーカイブ: 2017年1月18日

コーヒーブレーク 97 「終日」

 

 

赤と黄の樹脂製玩具橇乗初

[あかときの じゅしせいがんぐ そりはじめ] 今冬は雪が少ないので、まだ橇(そり)滑りに行ってない。橇といっても子供の遊び用の簡単なもので、プラスチックの薄板をプレスで一体成形したもの。値段的には980円みたいな極端に安いのはすぐ壊れるので、いちおう店頭に並んでいる中ではいちばん丈夫でかつ使い勝手がよさそうなものを選んでいる。うちの子供を橇滑りに連れていくときは、ついでなので子供の友達などもいっしょに連れていくことが多いし、私自身も滑るので、わが家には橇が3台ある。/スキー場のファミリーゲレンデの一画で滑るのだが、慣れれば自由にカーブも切れるしUターンらしきものもでき、相当なスピードが出るのでおもしろい。じつは、単に子供の遊び、玩具と片付けてしまうには惜しいと思っている。

終日身を投げ出して冬の波

[ひもすがら みをなげだして ふゆのなみ] 日本海は荒海であるとのイメージが一般には強いようだが、比較的小さな海なので、太平洋などの大海にくらべれば平均的にはおだやかな海といっていいであろう。もちろん強い北の風や西の風がいったん吹けば大荒れになるし、泡立った海水が風にあおられて岸辺に打ち上げられ、また空中に飛ばされる「波の花」が生ずることになる。/波による浸食の激しさは、鳥海山の猿穴という噴火口から流出した溶岩が、わずか3000年後のいまは複雑怪奇なまでにさまざまな形状に切り刻まれてしまっていることからもわかる。もっとも海水だけではいくら激しくぶつかっても岩はとうぜん硬いのでそうそう簡単にはえぐられたり摩滅したりはしない。浸食作用は小さめの砂礫が強い波で巻き上げられ浮遊しそれらが海水とともに岸壁の岩を激しく打つからである。

難読の人名地名冬うらら

[なんどくの じんめいちめい ふゆうらら] 赤ん坊が生まれてなにかしらの名前がつけられるわけだが、昨今のそれになんとも判読しがたい名が少なからず含まれることを嘆く人は多い。出生届けの用紙に書き込みをするその際に使える漢字などは一定の制限があるのだが、読みに関してはまったくの自由裁量。したがって国語辞典、古語辞典、漢和辞典などをいくらひいても絶対に載っていないような摩訶不思議な読みがしばしば生まれることになる。「こじつけ」ならばまだしも推量の余地があるが、それともいっさい無関係な個人的なイメージの所産となると、第三者にはどう読んでいいのか皆目見当がつかない。そうした名前であとあと苦労するのは、むろん名付け親ではなく、そういう名前をつけられてしまった当人である。