日別アーカイブ: 2017年1月16日

大きめの亀の子束子

 

たぶん15年くらい愛用している長さ17cmほどの、やや大きめの束子(たわし)を新調しました。前のと同じく株式会社亀の子束子西尾商店のものです。ヤシの実の繊維=パームを針金に挟んでぎりぎりと強固にU字型に成形した束子で、当工房では主に材木の汚れを落とすのに用いています。写真の左のが古い束子、右のが新しい束子です。

木材の汚れは繊維の埃や木粉などであれば見た目はともかく実質的な障害はあまりないのですが、土砂になるとそれがたとえ微粉であっても刃物をかなり痛めてしまいます。木取して手押鉋盤と自動鉋盤で平面出しと厚みを一定にするのですが、この際に木肌に土砂系の汚れがついていると目に見えて刃物の切れが低下します。それをできるだけ避けるためにエアー(圧搾空気)+束子で極力きれいにします。

束子を使った場合と、使わないですぐに機械を通した場合とで少なくとも2〜3割程度は刃物の持ちが違うように感じています。手押鉋盤と自動鉋盤の高速度鋼の刃物4枚を研磨に出すと5000円近くするので、この差はけっこう大きいです。多いときは月に2回くらい研磨に出しますので。

ホームセンターなどにはこの亀の子束子と、製造元もなにも表示のない束子とが並んで売られていますが、値段が倍ほど違うとはいえ明らかに亀の子束子のほうがものがいいですね。高いといってもこの4号型(大)の亀の子束子で500円弱ですし、長く気持ちよく使えると思えばぜったいお得です。