日別アーカイブ: 2016年6月16日

黒柿象嵌鬼胡桃角形被蓋刳物

 

黒柿の木口を薄く切ったもの同士を合わせると左右対称のおもしろい模様が現れることがあります。一般にはブックマッチと呼ばれる手法ですが、今回は猫の顔が出てきたのでびっくりしました。全部で3組あるのですが、もうひとつはナントカ仮面のような模様、さらにもうひとつはなんだかよくわからない模様です。

これをオニグルミ(鬼胡桃)の40mmほどの板に埋め込んで(象嵌して)長方形の刳物に仕立てました。大きさは長さ182mm、幅87〜89mm、高さ45mm、実の深さは32mmです。

ただちょっと残念なのは、一枚の黒柿ではなく2枚をつき合わせているためか木口材の約2mm厚の薄板のためか、湿度や温度の変化で中央の合わせ目が、ほんのわずか歪んでしまうことです。光線の具合によってはそれがはっきりと筋となって目立ってしまいました。他の部分にも若干の干割れが生じています。

今年11月2〜8日に酒田市の清水屋デパートの画廊で個展を行なうことになっています。一点ものの刳物を30〜40点ほど中心に展示する予定で、今回の黒柿の象嵌の刳物もその一部です。ただし上記の難点があるので、これは販売については要検討中です。

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 一番下の写真のNo.526は売切れました。