11月2〜8日に酒田市のデパート「清水屋」の画廊で個展を開きます。それに展示するものをいろいろ製作しているのですが、今回の個展のメインである刳物(くりもの)の箱の中でも、さらにアイキャッチャーになるような特別な品も必要です。
ということで銘木中の銘木といえる黒柿の、当工房で持っている材で可能な最大サイズの刳物を作ってみました。出来上がり寸法は横332mm、縦204mm、高さは41mm、実(み)の深さが28mmです。最初はA4=297×210mmサイズの書類が入れられるようにと思って向かったのですが、干割れや葉節の部分などを除いていったら縦(材料的には横幅)の寸法がすこし小さくなってしまいました。
黒い紋様は大部分が孔雀杢になっており、材料的にいっても最高級の部類といえます。これくらいの刳物ができるほどしっかりした幅と厚みのある乾燥材は、黒柿の場合は入手すること自体がすでに至難の業です。加工しているときも失敗したら取り返しのきかない材料なので、何重にも注意を払いながら慎重に作業をしました。
蓋の縦と横の比率は1:1.628で、黄金比の1:1.618にほぼ近い値になりました。というか長さ方向にはいくらか余裕があったので、そうしました。形は完全に直線にしてしまうと強度的な心配があるので、側面はR4000〜7500mm程度のゆるやかな曲面にしています。仕上げは半艶塗装です。
※ 販売価格については個展開催の直前にならないと確定しません。しかし製作原価から計算してのおおよその値段を算出することはできますので、仮予約というかたちでの予約は受け付けています。ただし納品は原則として展示会終了後になりますし、お支払いも画廊との売買・契約となります。ご興味のある方はメールにてお問い合わせください。
※ この品は売切れとなりました。寸法違い(すこし小さく)&紋様違い(孔雀杢まではいかない)でまた黒柿の角形被蓋刳物を製作することはあるかもしれません。 2016.4.28