山形県遊佐町の南東方、蕨岡地区の通称上寺(うわでら)にある、アルファベットのWの字を横に倒したようなつづら折りの坂=W坂(だぶりゅうざか)の桜並木です。何十年も前の子供の頃から、たまに花見や遠足に出かけたように記憶しています。
樹種はソメイヨシノですが、樹齢的にはそろそろ限界で、ところどころ歯抜け状態になっています。それにスギの植林等がじゃましているし、Wの最初の1画(というのかどうか)は、新しい道路で切断されてしまっています。
ご神体の鳥海山をまつる大物忌神社の口ノ宮がこの小山の中腹にあり、太古の時代の断層の跡という急斜面なので、往来につづら折りの道を普請したというわけです。かつては一帯は社前町としてとても栄えたところです。
私は個人的には桜にはさほど関心はなく、同じ桜なら園芸品種のソメイヨシノではなく自然植生のオオヤマザクラなどのほうが断然好きです。しかしせっかくの景観であり、観光資源にもなりうるのにこのまま廃れてしまうのはやはり惜しいと思います。