鳥海山南西麓の高瀬峡ですが、山ノ神からの遊歩道で長坂道(右)と遊歩道の奥の大滝方面(左)の分岐点Y字路にかかげた道標が、かなり風化し、杉の木にしばりつけたシュロ縄も切れて地面に落ちていました。大きさは18×83×320mmくらいです。
この道標はたしか5年以上も前に、地元の高校のフィールドワークのときに私が主導して生徒の手で付けたものだったと思います。板自体はヒノキなので、まだ朽ち果てた感じではありませんが、油性マーカーで書いた文字や矢印はすっかり風化して判読しにくい状態になっています。紐もだめになっているので、早急に交換する必要があります。ただ興味深いのは文字のところだけがわずかに盛り上がっており、これは市販の普通の油性マーカーといえど多少は耐候性があるのだということの証拠です。墨書であればもっと保つかも、ですね。
ということで、持ち帰ってきました。直すか、もしくは新しく作り替えしたほうがいいかもしれません。このように道標にかぎりませんが、「道は人が歩いたところが自ずと道となる」のでは決してなく、誰かが「ここを道として維持しよう」という意思のもとに不断に手入れをしているからこそ道であるのだということを理解していただけたらと思います。