黒柿で刳物(くりもの)をつくるべく、材料の欠陥(ひび割れ・腐れなど)を2〜3mmくらいずつ切り詰めていたのですが、その木口切りした薄板が結果的にとてもおもしろい紋様を描いていました。
一枚の板を二つに切ってから、本を開くように左右対称の木目になるように使う手法をブックマッチというのですが、黒柿の孔雀杢の紋様をそういう具合に合わせてみると、なにやら中央に猫の顔のようなものが。同じ板からの薄板は6枚あるのですが、裏と表もあるので組み合わせとしては6種類。1、2枚目の写真とも一番左のブックマッチがもろに猫の顔ですね〜。3枚目の写真はそれのアップ。右端のはゴーグルをかけた猫ですか。
板厚は2mmくらいで、縦横は3×18cmくらいの大きさですが(2枚合わせると幅は約6cm。写真は上下をすこしトリミング)、木口なので、ちょっと無理するとぽっきり折れてしまいます。したがって製品に使うとすれば他のすこし厚みのある材料に慎重に象嵌するしかないかなと思います。
※ ある方にこの記事ならびに現物をおみせしたところたいそう喜ばれ、さっそくこれ(=左の組み合わせ)を象嵌に用いてのくり物のご注文をいただきました。 中と右のご注文も承りますので、ご希望の方はメールください。