月別アーカイブ: 3月 2016

早くも雪形が

 

つい数日前に鳥海山を眺めてびっくりしました。笙ケ岳(1635m)の南西斜面の雪形がはやくも現れています。「種まき爺さんと3羽の鴉」で有名な雪形です。鴉はともかく種蒔爺さん(種蒔婆さん)のことはたいていの方が知っているでしょう。いつもの年だと4月後半頃になって出てくる雪形ですが、なんと今年はそれより1ヶ月以上も早い出現です。

今冬は12月〜1月は降雪・積雪が少なく、1月の終わり頃から2月はじめにようやく連日のように積雪があったとはいえ、大雪というにはほど遠い量で最低気温もほとんど0℃を上回っていたので、積もった雪もほどなく消えてしまいました。雪形の異様にはやい現れもそのせいかもしれません。昨年は梅雨時もあまり雨が降らなかったので、夏場は農業用水の水不足で困った事態となりましたが、この調子ではへたすると昨年以上の渇水に悩むことになるかもしれません。心配です。

気になったので、自分で撮影した鳥海山の春の写真を2012年まで遡ってみました。ただし雪形の確認ということで当時撮影したわけではないので、時期も撮影場所もばらばらですが、それでも今年の山の雪の少なさははっきりわかるかと思います。この6枚の中では最後の写真(2012.4.12)が今年のものにいちばん近い状態ですが、1ヶ月も後のことですね。

DSCN7099_2
2016年3月10日

DSCN4470_2
2015年4月8日

DSCN1858_2_2
2014年4月1日

DSCN2914_2
2013年3月28日

DSCN0865_2_2

 

 

 

 

 

2012年3月8日

 

DSCN1090_2
2012年4月12日

 

お客様からの時計のお便り

 

兵庫県宝塚市のK様からメールと写真が届きました。掲載の承諾を得ましたので当ブログにてご紹介します。

写真はリフォーム工事を終えて新しくなったK様のご自宅です。すてきですね。なぜかわが家とも共通する点が多いです。壁にかかっている時計は、お買い上げいただいた当工房の掛時計001です。お部屋の空気ととてもよくマッチしています。この時計がお客様のお目にとまり、新居に迎えられることになったいきさつ等については、下記のコメント(メールより一部抜粋)をご覧ください。K様、まことにありがとうございました。製作者冥利につきます。

この時計は現在在庫切れとなっていますが、10月に開催する個展に向けてまた製作するつもりでいます。これを含む定番的な時計についてはブログの2010.11.24の記事を、ユーランダケアエという大きな掛時計については2010.11.21の記事をごらんください。

 

引用家は中古物件をリフォームしたのですが、ナチュラルな素材の物がよくて、漆喰の壁と無垢の床材や建具にしました。部屋の雰囲気に、大江さんの時計がとても合うな~と気に入っています。

以前掛けていた時計は、ローマ数字の時計で、昔、気に入って買ったのですが、デザイン先行で見にくくて子供には解読できずに困っていたので、見やすいけどシンプルでオシャレな時計が見つかって良かったです。

木工房オーツーさんのサイトを見つけたのは、たまたま3歳の息子に時計の写真を見せようと、Yahooで時計を検索し、画像を見ていたときに、ユーランダケアエ?という時計を見つけたのがきっかけでした。シンプルなのにカッコいいなぁ、と思ってそのままサイトにお邪魔したら、残念ながらそれはサイズも大きく、売り物ではありませんでしたが、おかげで今回の時計と出会うことができました。」

14574122499021_2 14574122495710_2 14574122500282_2

 

スノードロップ

 

DSCN7095_2

 

このところずいぶん暖かくなって、日中は10℃を越えることもあります。平地からは積雪がほとんど消え、わが家の庭からもすっかり雪が消えてしまいました。それであらためて見てみると、庭の片隅にスノードロップ(マツユキソウ・待雪草)が白い小さな花を咲かせていました。背丈は10cmちょっとくらい。ヒガンバナ科ガランサス属の植物で、ヨーロッパからコーカサスの原産だそうです。むろん庭のは妻が球根を買ってきて植えたもの。

よく似た名前で、さらに暖かくなって後から咲く白い花のスノーフレークがあり、私も最初はそれと混同していました。そちらは同じヒガンバナ科ながらもスノーフレーク属で、よく見れば花の形(→吊鐘・鈴蘭型)や雰囲気がスノードロップとは異なります。

 

旋盤で蓋物6点製作中

 

10月に地元の酒田市の画廊(清水屋デパート内)で個展を行なうので、それに向けて木工品を作っています。今回は家具ではなく、一品ものの小さなものがメイン。指物ではなく主に厚板を掘り込んで蓋つきの器・箱にします。これは古来より「くり物」と呼ばれています。形は丸形・角形・変形・具象形といろいろ。樹種も顕著な杢がでていたりスポルトであったり、いずれもちょっと普通ではない特殊で高価な材料ばかりです。

DSCN7088

 

一品ものだけで30〜40点は必要とみているのですが、完成したのはまだ十数点にすぎません。旋盤を用いた点対称=丸形の蓋物は先月に7点こしらえたのですが、その続きでまた6点製作中です。材料は黒柿が5点で、オニグルミが1点。写真は旋盤加工を終え、ペーパーがけをした状態ですが、材料の厚さが30mm前後とそれほどあるわけではないので、基本的にみな被蓋です。大きさは直径10〜13cmほど。

丸形の蓋物ばかりではしょうがないので、旋盤加工による品物はこれで一旦終わりとします。来月あたりから角形や変形の蓋つきのくり物を製作する予定でいます。

 

愛犬の骨箱

 

DSCN7036_2 DSCN7045_2

 

内容が内容だけに詳細は秘すことにしますが、ある方の愛犬のお骨を収納する箱です。火葬してもらった際の葬儀屋さん提供の骨箱が粗雑すぎてしのびない、ということで製作の依頼がありました。

合わせ蓋式で、材料はご希望の「できるだけ白っぽい色の木で」ということでハードメープルです(たまたまですが、縮杢も入った極上の材料。じつはハードメープルで手持ちの材料はそれしかありませんでした)。サイズは幅275×奥行170×高さ170mmで、天板の縦と横は黄金比の1:1.618です。蓋と実の側面の板は同一もので、天板と底板も含めて6面全体を組み立ててから、上から30mmところで上下(蓋と実)に切り分けています。かみ合わせの段欠の分と鋸厚の分とで6mmほどはずれていますが、こうした作りにすることで、側面の上下ならびに四周の木目が連続することになります。

また、すこし膨らみをつけた蓋の中央の凹みには、愛犬の名前と追悼句を電熱ペンで書き入れています(写真はまだ銘を入れる前の状態)。

当工房は注文家具がメインですが、納期とご予算が合うかぎり、だいたいどんなものでもお作りしますので、皆様なにかございましたらご一報ください。

 

日本海の春の夕景色

 

先日2月28日に秋田県にかほ市でジオガイドの講習があったのですが、帰りがけに海岸沿いの湧水をいくつか見てきました。滝ノ浦の滝状の湧水はまったく落水がなく、滝は涸れています。滝壺にほど近いところのパイプから水が若干は落ちてはいましたが、いつもならいくつもの湧水を集めて勢いよく海に流れ込んでいる水路も淀んだ状態です。近くにいた年配の男性に訊くと、こういう渇水は20年ぶりくらいだそうです。2007年の新潟沖地震の際もすこし影響はあったが、今回のように滝がまったく止まってしまったわけではない。原因はよくわかりませんが、昨年は梅雨らしい梅雨がなかったことなどが作用しているのかもしれません。

次の鳥崎では湧水だけを利用して水稲栽培を行っている場所をぐるりと回りましたが、こちらはやや水量が少なめな気はしましたが、案ずるほどの変化はありません。この鳥崎の水田は、近くに河川がまったくないのに田んぼがあるという、一見不思議なものです。今は源泉が新しい国道7号線の下になってしまいましたが(埋め立てたわけではありません)、東側の裏山の裾野に大きな湧泉が2カ所あり、その水を利用して作っているんですね。ただ数年前から一部が休耕田となってしまっているのが残念です。

最後は釜磯です。砂浜のあちこちから噴出している湧水はすっかり有名になりましたが、冬でもそれなりに見物客はいるようで波打ち際に近いところに足跡がいくつもありました。主だった湧出箇所だけで10カ所は下らないと思いますが、地元の人は当たり前のように見慣れていても、よその人にとってはちょっと異様な光景でしょうね。海が荒れるたびに砂浜の様相は大きく変化するので、それも楽しみなところです。

下の写真は1枚目は鳥崎の海岸からの飛島遠望(水平線の上に平たく小さく写っています)。その他は釜磯の湧水のある海岸のようすです。

DSCN7011_2

 

DSCN7035_2

 

DSCN7020_2

 

DSCN7031_2

 

DSCN7029_2

 

スモールハウス

 

DSCN7074_2

 

小物類の新製品です。切り妻型の家の形をしただけという、これ以上はないくらいにきわめてシンプルなものです。材料は白いのがハードメープル、濃いのはアメリカン-ブラック-ウォールナット、その中間がオニグルミです。サイズは間口が26mm、高さ30mm、奥行(長さ)は30mmのものと40mmのものの2種類。

ガラスや陶器や金属、もちろん木製の小さな家はいろいろ巷に(とくに雑貨屋さんなどに)ありますが、いかにも玩具っぽいものが大半を占めているので、そうではない大人の観賞にも耐えうるようなデザインと仕上げを考えました。窓も入口も煙突も看板もいっさいないことで、逆にこれをなにに見立てるのかのイメージが制約されることがありません。住宅でもお店でも納屋や工場や学校でもいいですね。

形がシンプルなぶん、ていねいに一つずつ鉋とサンドペーパーをかけ、刷毛で艶消しの塗装を施しています。

1個ずつばらばらでは取り扱いがたいへんなので、販売については申訳ありませんがワンセット5個組としたいと思います。木の種類と大きさはできるだけ多彩になるように適宜組み合わせます。価格は税込で2300円。送料は数量にかかわらず500円です。

DSCN7070_2
※ 写真の上右側のスモールハウスがやけに黒く写っていますが、照明のかげんによるものです。実際には通常のウォールナットの色合いです。12・1・5・8時の位置のものがハードメープル、2・3・6・11時がウォールナット、4・7・9・10時がオニグルミ。