先日2月28日に秋田県にかほ市でジオガイドの講習があったのですが、帰りがけに海岸沿いの湧水をいくつか見てきました。滝ノ浦の滝状の湧水はまったく落水がなく、滝は涸れています。滝壺にほど近いところのパイプから水が若干は落ちてはいましたが、いつもならいくつもの湧水を集めて勢いよく海に流れ込んでいる水路も淀んだ状態です。近くにいた年配の男性に訊くと、こういう渇水は20年ぶりくらいだそうです。2007年の新潟沖地震の際もすこし影響はあったが、今回のように滝がまったく止まってしまったわけではない。原因はよくわかりませんが、昨年は梅雨らしい梅雨がなかったことなどが作用しているのかもしれません。
次の鳥崎では湧水だけを利用して水稲栽培を行っている場所をぐるりと回りましたが、こちらはやや水量が少なめな気はしましたが、案ずるほどの変化はありません。この鳥崎の水田は、近くに河川がまったくないのに田んぼがあるという、一見不思議なものです。今は源泉が新しい国道7号線の下になってしまいましたが(埋め立てたわけではありません)、東側の裏山の裾野に大きな湧泉が2カ所あり、その水を利用して作っているんですね。ただ数年前から一部が休耕田となってしまっているのが残念です。
最後は釜磯です。砂浜のあちこちから噴出している湧水はすっかり有名になりましたが、冬でもそれなりに見物客はいるようで波打ち際に近いところに足跡がいくつもありました。主だった湧出箇所だけで10カ所は下らないと思いますが、地元の人は当たり前のように見慣れていても、よその人にとってはちょっと異様な光景でしょうね。海が荒れるたびに砂浜の様相は大きく変化するので、それも楽しみなところです。
下の写真は1枚目は鳥崎の海岸からの飛島遠望(水平線の上に平たく小さく写っています)。その他は釜磯の湧水のある海岸のようすです。