月別アーカイブ: 6月 2014

48ミリ短尺の小鉋

 

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何年かぶりに仕入れた新しい鉋です。小山金属工業所の「豆平鉋 兼友」という名称がついていましたが、豆というには大きすぎますし、穂には兼友(かねとも?)という銘もなにもいっさい刻まれていません。しかしながら作りは非常にしっかりしています。   値段的にも定価では12000円ほどするので、けっして日曜工作で使われるようなレベルの鉋ではありません。

刃の幅は48mmですが、実際に削れる最大幅は40mmくらい。ただ白樫の台の長さは195mmと、通常の仕上鉋などにくらべるとだいぶ短いです。これは台の材料をけちっているとかではなく、木目が複雑に交錯しているような大きな一枚板や、若干の反りなどがある板でも刃がかかりやすいようにするためです。場合によっては自分でさらに短く台を切り詰めることもあります。

48mmの平鉋は今回のとは別にすでに2丁使用しているのですが、そちらは主に片手に持って木端・木口・細割材などを削る用途のものなので、台の長さは通常通りの9寸5分=約290mmあります。刃幅30mmという小鉋も使っているのですが、それは昔大鉋のおまけで買ったような、あまりできのいいものではないので、結局今回のような「やや大きめの刃幅の小鉋で、台は短め」の鉋が必要と思っていたのです。

もっとも本職用の鉋は買ってすぐに使えるようにはふつうなっておらず、自分で刃を仕上研ぎをし、台への仕込み硬さなどを調整しないといけません。それに最低2時間くらいはかかるので、いくらか手のあいたときにじっくり取り組むことにします。焦ってやるとせっかくの新しい鉋をおしゃかにしてしまいますから。

 

コーヒーブレーク 18「ほどきかた」

 

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行く春を動物とも植物ともいえぬもの 

歳時記をみるとたいてい、春は「立春(2月4日頃)から立夏の前日までをいう。陽暦ではほぼ二、三、四月にあたる」云々と説明してあるのだが、2月はじめで春だなんて、ばか言っちゃいけませんよ。厳寒期じゃないか。夏は夏で、「立夏(5月6日頃)から立秋(8月8日頃)の前日までをいう〜」とあるのだが、もっと温暖な地方ならいざしらず、ここ山形県庄内地方ではどう考えても5月いっぱいくらいは春だし、8月8日前後は炎暑の真っ最中。たしかに5月でも日中の気温が25℃を超えて汗ばむ日もあるにはあるが、逆にストーブを出したいほど寒い日もあるので、平均的にみればまだ春。/歳時記や暦に立春や立夏と書いてるあるからとか、季節の移ろいに俳人は敏感なのだとうそぶいてみたところで、それは観念に束縛されて頭でっかちなだけ。むろん春夏秋冬の厳密な定義などはなくて、自分が春だと思えばそれが春なのだが、多くの人の共感を得られるかどうかはまた別だろう。私としては当地の四季を月単位であえて粗く区切るとすれば、春=3〜5月、夏=6〜8月、秋=9〜11月、冬=12〜2月がいちばん納得できる。

青大将ほどき方をいま考えておる

アオダイショウは日本本土では最大の 蛇で、長いものだと2mに達する。胴の太さも5cmくらいまでなるというから、大人の手でやっと指がまわるくらいの太さだ。立派である。分類としてはナミヘビ科ナメラ属の蛇で、「並の蛇で滑らかな身体」という意味なのかどうか。色合いは名前のとおりに青みの強い個体も少なくないが、ほかに暗い黄褐色から緑色の強いもの、白っぽいものまでかなりの幅がある。幼蛇は一見マムシに似た斑紋を有しているので、マムシと間違われることも多いそうである。アオダイショウは無毒で、人間に危害をおよぼすことはまずないのでちゃんと識別できるようにしたい。/ああ、そういえば2年前だったかに動物園の「ペット」のアオダイショウを触り手に持ったことがあったな。生まれてはじめての体験だったが、飼育係の誘導があり人によく慣れている蛇らしく、私も怖いとか気持ちわるいとかはいっさい感じなかった。変温動物なのでわりあい冷ややかで、乾いたつるんとした感触。

蟻ふんでひきかえす蟻のありにけり

アリは群れ全体で一匹の動物のようでもあるな。種類にもよるが、女王蟻から乳母蟻、ツバメ蟻、働き蟻、監督蟻、兵士蟻など画然とした役割があり、それに徹することで全体がうまく機能し生存できるしくみだ。ただし最近では研究がすすむにつれ、その役割も絶対的なものではないし、群れにはある一定程度の比率でなにもしないぐうたらな怠け蟻もいて、その蟻を人間が取り除くと、残った蟻の中でまた同じくらいの比率で無役の蟻が現れるそうである。「アリとキリギリス」という寓話があるように、アリはいつも一心不乱に忙しく走り回っているイメージがあるが、実際にはそんな単純な「社会」ではないのだろう。全力疾走ではなくほどほどにして余力を常に残しておくということかもしれない。

 

メダカとザリガニ

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わが家で最近飼っているメダカとザリガニです。ザリガニは3月に、妻の実家の近所の人が田んぼわきの堰でみつけたものを、子どもがもらってきたのですが、ザリガニのトレードマークともいえるあの大きなハサミがありません。脱皮がうまくいかなかったのか、外敵に襲われたなにかでもげてしまったのかよくわかりませんが、よく見るとその箇所にごく小さなハサミがあることはあります(再生中?)。 調べてみるとこのザリガニはアメリカザリガニのようです。

去年はカマキリを飼っていた45cmくらいの水槽があいていたので、さっそくエアーポンプと小砂利と専用餌とT字形水道パイプををホームセンターで買い、水は隣家の井戸水をくんできてザリガニを中に入れました。しかし大きなハサミもなければ動きも少なくて、やはり面白みに欠けます。子どもは「ザグ」と名付けました。

メダカもいっしょに入れたらどうかという声もあったのですが、ごく最近になってベニヤ板を買いに行った別のホームセンターにちょうど金魚とメダカもすこしだけ売っていたので、かろうじて残っていたヒメダカを6匹買いました。専用の餌と水草もです。

急いで家に帰ってザリガニの水槽に入れてみると、あきらかにザリガニは興奮気味。一瞬メダカはすぐに食われてしまうかと心配したのですが、大きなハサミがなくて動きも鈍いせいかメダカはうまく逃げており、今のところなんとか無事です。メダカは小さくて6匹もいるので、子どもは名付けて「めだか1号〜6号」だそうです。メダカはちょこちょこ泳ぎ回っているので、それまでに比べると見ごたえがあります。心なしかザリガニも元気が出てきたように感じます。

 

白糸ノ滝と新山

 

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今日は夕方から雨の予報が出ていたので、昼から大急ぎで子どもたちといっしょに鳥海山の山岳観光道路=鳥海ブルーラインに出かけました。昨日から風が強く吹いていたこともあり空気がきれいに澄み渡って新緑がとてもきれいに見えます。道路ぞいにタムシバやタニウツギ、オオカメノキ、ホオノキ、ナナカマド、ムラサキヤシオなどの樹木の白または赤系の花がきれい。

大平(おおだいら)の展望台で景色を眺めたあと、秋田県側の鉾立(ほこだて)へ。天気が崩れる予報が出ていたせいか土曜日なのに駐車場も車がまばらです。御浜へ向かう登山道にすこしだけ足を踏み入れ、途中の雪の斜面を登って上の展望台まで行きました。シラネアオイやショウジョウバカマ、マイヅルソウ、ミツバオウレン、ミヤマハタザオ、ミヤマキンバイ、ミネザクラ、ミネヤナギなどが咲いています。何年ぶりかでユリ科のツバメオモト(下の写真)も見ることができました。

上の写真はそこからの景観です。左奥のピラミダルな岩山が頂上の新山(2236m)、右側の直瀑が白糸ノ滝です。落差は100m近くある感じで、雪解けの水を集めて遠くまで轟音がひびいてきます。画面中央のやや下よりにある滝は、おそらく湧水でしょう。白糸ノ滝が秋にはほとんど涸れてしまうのに対し、こちらは降雪がある直前まで同じくらいの水量の水を落としていますから。

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O様邸リフォーム工事 3

 

山形県庄内町で行っている水回りを中心とした住宅リフォーム工事ですが、タイル貼りのお風呂の土台や柱の根元はかなり痛んでいました。半ば予想していたとはいえ、実際腐ってぼろぼろになった材木を見るとショックですね。もちろんこのままでは新しいお風呂は作れないので、痛んでいるところはすべて新しいものに入れ替えします。

新しいお風呂は、現在では最も一般的な手法であるメーカー製のユニットバスを導入するのですが、標準的な大きさの0.75坪や1坪タイプのユニットは入らず、特注サイズのユニットなのですが、それすらも四方の壁のうちの1面だけは柱の位置を20cm拡張・移設しなければなりません。上の写真はそのための鉄筋コンクリートの基礎工事です。この基礎が固まってから上の梁を仮の柱で支えていくらかジャッキアップし、それではじめて古い土台と柱を撤去します。うまくやらないと2階の床や屋根が壊れてしまうのでたいへん。

下の写真はダイニングルームとその隣の和室の床下の地面。今回の工事では一連なりの洋間に改造します。四角いコンクリートブロック(24cmまたは30cm角、厚さは12〜15cm)は床組の太い角材=大引(おおびき)を支える床束(ゆかづか)を受ける個々の土台です。新しい床組は3尺(約90cm)間隔で束を立てて床の荷重を受けるので、以前の倍以上の強度になるはずです。大引も防腐剤注入のヒノキの4寸(約12cm)角です。

基礎や土台や大引といった床下の構造材は、建物が完成してしまえば隠れてしまう箇所なので、一般の方にはどこがどうなっているのか分かりません。しかし、だからこそしっかりとした材料と加工が必要です。まあここまでやれば、ほぼ完璧でしょう。

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O様邸リフォーム工事 2

 

山形県庄内町のOさん宅の、水回りを中心としたリフォーム工事です。内外装と設備機器全般を新しくします。工事対象となる部分は約12坪ですが、既存の壁と天井と床を解体するだけでも相当量の廃材が出ます。

建物の構造材は原則的にそのまま残すので、それを痛めないように解体作業はすべて手作業で行ったのですが、それで出た廃材は可燃物と非可燃物とおおざっぱに分別します。木材はさいわいかなりの部分が、大工さんの知り合いでストーブを使っている人のところにもらわれていきましたが、その他のものは産業廃棄物として少なからぬ料金を払って専門業者に引き取ってもらいました。

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工事現場でよくみかける底面1×2m強ほどの鉄製のゴミ箱を置くだけのスペースはないので、布製のフレコンバッグに投入。それをユニック(トラック架装型の小型クレーン)で吊り上げトラックで専用の中間廃棄物処理施設に運んでもらいます。

今回は住居の一部改装ということで、建物全体の解体というわけではありませんが、後者の場合は標準的な解体費用として坪(3.3m^2)当たり4〜5万円くらいかかるようです。仮に40坪の住宅であれば壊して廃材を処分するだけでも150〜200万程度はかかるということですね。隣家が極端に迫っていたり、重機や搬出の4トントラックが入れない、道路に車両を停めることができない場合はさらに割高になります。あちこちで、いまにも崩れそうになりながらも解体もされずにほったらかしになっている住宅を見かけますが、費用的なことを考えるとたしかに厳しいんでしょうね。

 

O様邸リフォーム工事 1

 

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5月26日からリフォーム工事を始めている山形県庄内町のOさんのお宅です。ダイニングキッチンとトイレ・お風呂・洗面脱衣室・ボイラー室・和室の内外装と設備機器類をすべて更新します。ダイニングルームと和室は、後者の畳等を取払い一室に広げます。

写真は内装をほぼ全部取り払った状態で、上が裏庭のほうから既存のリビング方向を見たところ。下はその反対にリビング側から裏庭のほうを見たところです。工事期間中も夜や休日などはOさんも在宅するので、今回改装する部分とそうでない部分とのしきりには仮の工事用ドアを設置しました。上の写真の真ん中奥にあるのがそれです。関係する業者は10数社にのぼるのですが、専用の鍵と錠をこのドアに設けて、毎日の工事毎に解錠・施錠を行います。部分的とはいえ施主様が住まわれながらのリフォーム工事ですから、なかなかたいへんです。

 

杉間伐材合板

 

先週はじめ(5/26)から山形県庄内町ですこし大がかりな住宅リフォーム工事を始めています。台所やお風呂・トイレ・洗面脱衣室などの水回り全般の改装と器具の入れ替え、ダイニングと和室を洋間一室に作り替えるなどが主な内容です。いちおう7月末までの2ヶ月ちょっとの工事期間を予定していますが、私は設計と現場監理、および内部木製建具の製作を担当といったところ。

それで外と内との出入りのところにある既存の踏み台が、踏み代が狭くて危なっかしいので、もっと幅広のしっかりしたものに臨時で置き換えることにしました。そのためてっとり早くということでホームセンターに合板を買いに行ったら、写真のような「秋田県産杉間伐材使用」という12mm厚の構造用合板がありました。「国産材 JAPAN WOOD」「国産材100%」といった表示もあります。どこかでうわさは聞いたことがありましたが、実物を見たのは私は始めてです。ものは試しということで1枚買ってきました。いわゆるラワン材などを素材とした広葉樹合板よりも1割くらい安価です。

写真からもお分かりのようにスギの赤味と白太が現れています。品質表示等のプリントがされているほ面はほぼ無節で、もう片面は小さい節がいくらか散らばっていました。手に持ってみると明らかにこれまでの合板に比べると軽いです。またインパクトドライバーでコーススレッド(粗目の木ネジ)を打ち込んでみた感じでは、従来のものより柔らかいです。したがって物理的耐荷重などの強度としては若干弱いかもしれませんが、JASマークはちゃんと付されているので、構造用合板としての一定の基準は満たしていると思います。

吊戸棚の下地であるとか、とくに強度を必要とする箇所でなければこれでじゅうぶんでしょう。なによりも軽量であること、値段すこしですが安いことは施工者にとってはありがたいことです。

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