月別アーカイブ: 1月 2011

カエデの魚鱗杢?

イタヤカエデの盤で、寸法は厚さ130mm、幅242mm、長さ1300mm。写真にはその1/3くらいが写っています。持ち上げて移動しようとすると思わず「よいしょ」と声が出てしまうほど重いです。30kgはありますかね。盤面のとくに木表側一面に細かい凹凸の紋様が散在していますが(写真では縦方向の短い突起)、それとは別に地に菱形の紋様が浮かび出ていますね。肉眼で見るともっとはっきりとそのようすが分かります。

ひょっとするとこれは魚鱗杢の一種かもしれません。菱形の地紋の一個一個の大きさは3cm×10cm前後と大きいので、魚のうろこというにはちょっと大きすぎますが。もっとも正真正銘の、典型的な魚鱗杢というものを私は一度も実見したことはありませんし、図鑑やインターネットで調べてみても、いまいちよく分かりません。玉杢の細かく複雑な感じのものを魚鱗杢と称している例も少なくないようですが、私にはそれらの杢をみてもうろこのイメージはまったくわきません。やはり基本的に菱形の紋様が比較的規則正しく連続してこそ魚鱗ですよね。

おもしろい杢の材料をおりおりに入手するようにしているのですが、実際にそれでなにかを作るという段階にまですすまないことが多いのが悩みです。このイタヤカエデの杢盤にかぎりませんが、当ブログでお披露目する(した)材料でなにかリクエストありましたらよろしくお願いします。

唖然

月刊誌『カーサ ブルータス』2011年1月号に載ったもの。いくらなんでもこの椅子はないでしょう。エンツォ・マーリがデザインしたそうですが、切りっぱなしのパイン材を釘で打ち付けただけのチープな椅子を、なぜかお二人はほめちぎっています。

「最も基本的な材料である木材と釘だけで家具が組み立てられることを実証するという、コンセプトがまず革命的」「流通や価格の値ごろ感など、この椅子は家具販売の根本へも立ち返らせてくれる」云々……。冗談もほどほどにしてもらいたいものです。革命とか根本という言葉がこれほど安易に使われた例を、私はほかに知りません。

小中学生の工作レベルのこの椅子、ヤマギワオンラインストアで39900円だそうです(パーツ状態で)。

冬晴れ

昨日(1/27)はこの時期としては珍しく快晴でした。鳥海山も頂上まできれいに見えましたし、白一色の水田地帯の平原も朝日に輝いてすばらしく美しかったです。大気の最下層にはうっすらともやがかかり、遠くの樹木や家並みが蜃気楼のように浮かんで幻想的です。

ちいさなカラビナ

これはカラビナもどきのカラビナです。クライミング用に使うだけの強度はまったくありません。大きさも左上のいちばん大きいもので約6cm、シャフトの太さが6mmでアルミ製です。その下が4mmで最小、中列の3個は4.5mmでワイヤーゲート、右列2個は5mm。いずれもVERTEX(バーテックス)というブランドのもので、登山用ではないことを注意喚起するためにNOT FOR CLIMBING USEという刻印がしるされています。

まあ見た目のサイズからして、これに我が命を託そうという人はいないでしょうが、アウトドアや日常生活で小物類・軽量物の保持にはけっこう重宝すると思います。カラビナもどきとはいえ作りは非常にていねいですし、カラーリングがなかなかきれいです。値段はホームセンターで250~500円くらい。

雪の胴腹ノ滝

今朝の胴腹ノ滝です。積雪は1m余というところでしょうか。12/26の当ブログに載せた写真に比べると、水面はのぞいているものの周りは完全に雪に埋もれ、すっかりモノクロの世界に変わっています。車道からは150mくらい歩くのですが、冬でも水を汲みにきたり参拝する人がそれなりに途絶えることはないらしく、しっかりとした踏み跡がついています。

滝の水量はすこし減っているようです。厳密に計測してみないと断言はできませんが、冬になって地中へ浸透する水量が減って、地下水圧が下がっているのかもしれません。あるいは浸透してから湧出するまでの時間が予想以上に短いとも考えられます。湧泉によっては一年中水量がほとんど変わらないところもありますが、胴腹ノ滝の場合は変動がわりあい大きく、いちばん多いときと少ないときとでは2倍程度の差があるように思います。

私はこの日も飲料水や米を炊くときの水を求めてやってきたのですが、夏場とちがって湧水がとてもあたたかいのにほっとしました。外気温はマイナス3度くらいだったでしょうから、水はそれより10度以上も高いのです。外気温がもっと下がり、風のない日は水面近くに霧がたちこめます。

ゆきちゃん納豆

納豆大好きです。ネギを極細に刻んで納豆と混ぜてご飯を食べると、しみじみおいしいと感じます。醤油も昔ながらの製法の、地元の小さな醸造所のものを知人から分けていただいて使っています。米を炊くときの水は胴腹ノ滝の湧水です。

スーパーなどに行くとたくさんの種類の納豆を売っていますが、その中で最近とびきりおいしいと思うのが写真の「ゆきちゃん納豆」です。いかにも手作りといったあんばいのパッケージですが、この納豆の特徴や生産者などはみな書いてありますので、ぜひ画像を拡大してみてください。

値段は量産品の他の納豆よりすこし高いですが(といっても百数十円)、十二分にそれだけのアテはあります。店頭にあまり数が並んでいないので、うまく入手できたらラッキーですね。

私は食いしんぼうですがグルメではありません。とりたてて珍奇なものや高級・有名店で食事をしたいとも思いません。ごくふつうのものをふつうにおいしく食べられれば、それでじゅうぶん。

小さな座卓

畳の部屋でお使いになる小ぶりの座卓です。一人で容易に動かせることと、食事は無理でも他の人とお茶を飲んだり、ちょとした読み書きはできる大きさで、というご注文でした。

材質はクルミ(オニグルミ)で、サイズは幅1052mm、奥行665mm、高さ320mm、重量はおよそ11kgです。甲板の厚さは16mmですが、幕板4枚と根太2本でそれを受けているので、人が乗っても大丈夫なくらいの強度はあります。甲板の短辺長辺は直線ではなく、長さに対してそれぞれ1/150程度のごくゆるやかなアールを持たせています。

小さくとも基本的な作りは通常の座卓とまったく同じです。甲板の大きさが半分になっても全体の必要材料は半分にはなりませんし、加工の手間も半分ということはぜったいにありません。したがって小さめの家具はどうしても結果だけみると割高な感じになってしまうのですが、そのことを重々承知の上でご注文くださるお客様には、ほんとうに感謝するばかりです。

大雪

工房の今朝(1/19)のようすです。この数日間に屋根に積もった雪が、昨晩ややあたたかかったためにほとんど全部一気に落ちてしまいました。平屋で約50坪もある作業場のトタン屋根から落ちる雪ははんぱな量ではありません。おかげで事務室の窓を大部分ふさいでしまいました。室内はうすぐらくなり、このままではガラスが割れてしまいます。

除雪機もこれだけ嵩があり締まった硬い雪だとうまく働きません。高さ50cm以下の新雪で舗装されたところなら大活躍ですが、1m以上の積雪や凍結した雪や濡れ雪、また未舗装の不整地などは除雪機は苦手です。結局スコップとスノーダンプを持ち出しての手作業も加えて、写真と反対側の西側に落ちた雪とともにひととおり片付けるのに3時間もかかってしまいました。疲れました。

今冬は最近にない大雪です。しかし気温的にはいまのところ最低でマイナス3度程度。だいたいの日は零度前後ですから、さほど低いわけではありません。真冬にしてはむしろ暖かめと言っていいかもしれません。したがってこの全国的な大雪傾向も「寒冷化」による現象ではなく、逆に「温暖化」による海水などの蒸発量の増大のせいかなと考えています。

きらきらエネループ

サンヨー(SANYO)の充電池「エネループ(eneloop)」のことは旧のホームページでも紹介しましたが、これはその特別版=発売5周年記念限定モデルです。中身は同じですが、外装がグリッターというきらきらの特殊な塗装(?)の8色で仕上げされています。通常のエネループはパールホワイトにeneloopの文字だけがコバルトブルーという、それはそれでなかなかいいカラーリングだと思っていますが、このちょっと派手なエネループもわりあい頻繁に電池交換するような機器に使うとおしゃれでいいかもしれません。値段はレンタルDVD店の店頭で2480円でした。

自宅でも工房でも、時計や懐中電灯をはじめいろいろなものに電池を使っていますが、そのほとんどすべてをエネループに切り替えました。もちろん一度にではふつうの乾電池がもったいないので、それが切れてしまうのを待って徐々にです。単三が主で単四が従の割合ですが、機器によっては単一や単二でないとだめだったりしますので、その場合は専用のスペーサーに単三を入れて使います。本来は単一のものをあえて単三にするわけですから当然長持ちはしませんが、電池交換はごく簡単にできますし、エネループは1500回ほど充電可能ということなので「ま、安いほうがいいか」と割り切っています。仮に週1回の頻度で再充電したとしても30年くらい使用できる計算です。

充電できる電池というと今はリチウムイオン電池が注目を浴びていますが、これはニッケル水素電池です。ふつうニッケル水素の充電池は使用しない間にも自己放電してしまうのが難点ですが、サンヨーはその名もエネループ技術という自己放電抑制技術により「製造後3年以内であれば初回使用時に充電しなくとも使用できる」とのこと。まさに画期的ですね。

雪の庇

工房の窓をふさぐまでに垂れ下がった屋根の雪。垂れた部分の長さだけで1.2~1.5mくらいあります。おどろきです。トタン屋根に積もった雪が、気温があがるにつれて徐々にずり下がってくるのですが、ふつうはせいぜい30cmくらいで切れ落ちてしまいます。しかしまれに積雪量やその下の氷の層とのバランス、気温や風や日射などの条件がうまくそろうと、このような形になることがあります。

反対側からそのひさしの中をのぞいてみたのが右の写真。私は波乗り(サーフィン)はしませんが、というかできませんが、大波の「チューブ」というのはこんな感じなのでしょうか?

つららなら長くなるのはわかりますしよく見かけますが、一番下に薄い氷の層があるとはいえ、新雪がどうしてこんな形になれるのかほんとうに不思議です。