月別アーカイブ: 2月 2011

Janatの紅茶

Janatはジャンナッツと読むらしいです。フランスの紅茶です。たまたまですがブランドマークが向かい合った2匹の猫で、猫好きの私にはこんなちょっとした偶然がうれしっかたりします。

私は紅茶やコーヒーをよく飲みます。ただし紅茶はリーフティーに限りますし、コーヒーはドリップです。ティーバッグやインスタントコーヒーは基本的に敬遠。といってもそれほど銘柄や品質にこだわっているわけではなく、コーヒーなら100g当たり300~400円程度、紅茶も100g当たり600~1000円くらいのふつうのものです。もっとずっと高いコーヒーや紅茶を買って飲んだこともありますが、たしかによりおいしいのだけれども「全然違う!」というほどの大きな落差は私の舌では感じられませんでした。ふつうのものでも一杯当たり30~50円くらいになるし一日に何杯も飲むので、単価が何倍もするような高級なコーヒー・紅茶はちょっと無理があります。

さてJanatの紅茶ですが、とびきりというわけではないにしても充分おいしいです。値段も通販だと200g入缶で1000円しないので、非常にお買い得。あ、水だけは最近ウルサイです。胴腹ノ滝に飲料用の水を1週間から10日ごとくらいに汲みに行きますが、ここの超軟水でいれたコーヒーや紅茶はやはりいちだんとおいしく感じられます。

鳥海山の湧泉 1998~2010年

鳥海山の湧泉・湧水について1998年から現在まで個人的に調べてきましたが、総合地球環境学研究所の中野孝教さん(教授・理学博士・同位体環境学の世界的権威)の求めに応じて、そのデータをファイル(A4判34p)と地図にまとめました。

湧泉の位置や水温や水量概量などのテキストデータ、湧泉の写真178枚、1/25000地形図に湧泉ポイントを落としたマップが4枚です。10年以上前の記録もあるので記憶があいまいな部分も若干あり、その後の記録との整合性や場所を10m程度の誤差で特定するためにたいへんな作業に。まるまる1週間はかかりました。

タイトルは1998~2010年となっていますが、じつは2002~2008年分がごっそり抜けています。これまで子どもから大人まで、一般の人から研究者まで、のべ3000人くらいを鳥海山の湧泉や湧水の渓谷などに案内してきましたが、他の人に説明や案内をしていると自分自身の調査や記録はなかなかできません。それで相手が学生や研究者の場合などは、その日の水温などの基本的データだけは後日私にもリターンしてくれるように頼むのですが、まず来たためしがありません。また住居を引っ越しした際に記録の一部を紛失した可能性もあります。

そうしたことで鳥海山の湧泉の記録としては不十分なものですが、それは上記の理由のほかにこうした個人的かつ非専門家の記録がそれほど重視されていないという一般的傾向もあると思います。たしかに私は水門学の専門的な勉強はしてきていませんし、中野教授のようなナノレベルでの水質分析などはおよぶべくもありません。

しかしまずは鳥海山のどこに湧泉があるのか知らない事には話になりませんし、水温などは現地におもむいてそのときに計らないといけません。水質を分析するにしても水を所定の方法で採取してこないといけないわけですね。既知の湧泉で、車ですぐ近くまでアプローチできるところはさほどの苦労でもありませんが、完全に山中の未知の湧泉を探しながらの調査は、はっきり言って並大抵の作業ではありませんし、遭難のおそれも少なからずあります。

そうして得たデータの意味や価値を、今回は正当に評価していただいたことに感謝したいと思います。来年度以降(2011/4~)の調査に向けての準備も始めています。

※今回の『鳥海山の湧泉 1998~2010年』は仕事として研究所に納品したものです。一般には非公開ですのでご了承ください。控えとして手元に一部ありますので、ご希望があれば閲覧はできます。

インディアンローズウッド

インディアンローズウッドの板2枚です。欧米の高級家具用材でチークやウォールナット、マホガニーなどと並び称されるローズウッドですが、いかんせん非常に高い。ものもあまりありません。マメ科ツルサイカチ属の樹木で、非常に重く硬く丈夫です。ブラジリアンローズウッドや紫檀、ハカランダ、ソノケリン、ココボロ、キングウッド、アフリカンブラックウッドなどもこの仲間。ただしブラジリアンローズウッドはワシントン条約による規制もあり入手はきわめて困難のようです。

ローズウッドを一度使ってみたいとは思っていたのですが、なかなか手が出ませんでした。まともに買うとm3当たり300~400万くらいしますからね。クラロウォールナットと同等か、黒柿の並材くらいでしょうか。

それがたまたま特価セールで売り出されていたローズウッドの中に、比較的サイズの大きい、とくに厚みのある板があったので衝動買いしてしまいました。普通価格の1/3~1/4くらいです。薄いと用途が限定されすぎるのでおもしろくありませんが、これは45mmあります。これくらいあれば旋盤加工などにも対応できます。幅は124~144mm、長さ1010~1090mmで無節の材料です。ローズウッドはその名前の由来でもある、材木がバラの香りを想わせるような甘い強い臭いがするらしいのですが、まだ加工していないので私は未体験です。

ローズウッドだけで大きな家具を作ることは値段的にもまず不可能でしょうから、比較的小さめのものを作るとするなら本当はもっと目の詰んだ、杢の入った材であればもっといいのですが、それだともうとんでない単価になってしまいます。じつを言うと某材木屋さんのHPでひそかに狙っている杢板のローズウッドがあるのですが、まあ宝くじでも当たらないと無理かな。

新しいプリンター

これまで十数年にわたって個人的に調べてきた鳥海山の湧水(湧泉)について、そのデータを仕事としてまとめることになりました。フィルムのカメラで撮った湧泉の写真もたくさんあり、それをスキャンしたりカラーコピーを取ったりするのに自前の機器が必要です。それで新しいプリンターを購入しました。エプソン(EPSON)の複合機EP-803AWです。

これまではキャノンのPIXUS 9100iを使っていましたが、すでに7年余経過しいろいろ不都合で出てきました。テキストだけであれば印刷仕上がりはわるくありませんが、写真などが入るととたんにかすれや滲み、筋が入るようになってしまい、とても使用に耐えません。以前はプリントする際に精度や紙質、枚数やページ順などを細かく設定できたのですが、パソコンのOSが新しくなってからは逆にほとんどの設定ができなくなっています。写真であろうがテキストであろうがみな十把ひとからげの対応です。またPIXUS 9100iはプリンターのみの機能しかなく、コピーやスキャンはできません。

エプソンのEP-803AWはまだ使い始めて間もなく、先日普通紙にテキストと写真を印刷しただけですが、印刷速度はPIXUS 9100iにくらべると非常に速い。A4フルサイズの写真でもするするという感じです。操作は、液晶ディスプレイと「今できる操作」のみがオレンジ色に光るタッチ式のボタンの組み合わせで、分かりやすくていいと思います。

電子式機器の常ではありますが、これだけ高性能になったのに値段は前機種の半分以下の2万円ほどでした。いや前のは印刷だけだったので、スキャナー&カラーコピーの分も入れれば1/5くらいですか。

カラーコピーやスキャンなどの機能はまだちゃんとは使っていません。いろいろ使ってみてからまた詳しいレポートをすることにします。

マッチ

自宅と工房で小型の石油ストーブを何台か使っていますが、その点火に最近マッチも用いています。東亜マッチ株式会社のリボン印のマッチです。

ストーブはもともとは電池によって火花を飛ばしての点火だったのですが、そちらはほどなく接触不良や作動不良などで機能しなくなったり(半年以上の不使用期間があるため?)、電池交換が意外に面倒で止めました。単一の電池なんて他にはまず使いませんしね。かわりに電子式ライターを用いていたのですが、これもまだ燃料=液化ガスはあるのになかなか点火せず、着いても炎が持続しません。何本かあるライターの半分くらいがそういう状態です。これは寒くて一刻もはやく暖がほしいときはかなりイライラします。

で、マッチです。店頭でみかけて小箱が1ダース入っているのを買いました。これはいいです。ほぼ100%確実に火が着きます。故障とか燃料切れの心配ももちろん皆無です。唯一困るのは不注意・不始末による火事ですが、それはマッチにかぎらない話です。

リボン印のマッチの箱をよく見るとまず「SAFETY  MATCHES」とあります。ゆっくり燃え、かすが落ちにくく、亜硫酸ガスの臭いがしないそうです。「脱硫(ノンサルファ)」という表記も見えます。パッケージのデザインはごらんのとおりたいそうクラシカル&レトロなものですが、これはこれでマッチという商品のイメージにはよく似合っていると思います。でも、どうしてリボンなんでしょう?

両刃小刀

小刀はふつう片刃でできていますが、両刃の小刀というものもあります。写真のものがそれで、長さは215mm、刃渡り52mmですが、厚みは3.6mmとやや厚めにできています。鋼を真ん中、その両外側を軟鉄のサンドイッチ構造で、こういう刃物を割込刃というようです。銘は包春。

両刃にも二通りの意味があって、ひとつは刃付けが峰に対して左右両側に付けてあるもの。ナイフや斧などは多くがこの両刃で、刃先に近いほどわずかながら鈍角にしてあるため刃こぼれしにくくなります。いわゆる「はまぐり刃」に仕立てるわけです。もうひとつは身の平に対して両側に刃が付いているものです。槍の穂先などのイメージですね。

写真の小刀の場合は前者の意味での両刃ですが、左右それぞれの刃付けは丸みは極力もたせずに一定の角度に平らに研ぎ上げます。丸みをもたせるよりも切れ味が鋭くなることと、その平らなしのぎ面が木材等を切削する際のガイドとなるためです。したがってこのような両刃の小刀は刃先の断面は鋭角の二等辺三角形になります。

小刀は木工の作業では、通常のノミやカンナなどが入らないような細かいところの切削に用いますが、年輪や導管の向きなどをよくみて削らないと逆目がたってしまいます。そのときは刃先を逆に向けて切削することになりますが、片刃の小刀の場合は刃裏と刃表とが非対称のために非常にやりづらくなることがあります。刃裏の広すぎる刃身が材料に当たってしまう、といったことです。その点、両刃の小刀であれば裏表が対称のため具合がいいのです。

ただ両刃の小刀はわりあい珍しいのではないかと思います。少なくとも私は自分が持っているもの以外では、他でほとんど見かけたことがありません。小刀はぜんぶで5本ありますが、その中でこの両刃の小刀は出番はいちばん少ないながら、いざというときにはなくてはならない存在です。

青い瞳

わが家の猫、トントです。瞳が青いです。雑種ですが、いわゆる洋猫の血がだいぶ入っていますね。3匹いる猫のなかでもトントはいちばん人見知りがはげしく用心深く繊細ですが、この写真でもかなり緊張しているのが見てとれます。

7年あまり前に迷い猫だったのを保護し飼うことになった猫ですが、その仔猫の時分の安穏とはいいがたい記憶をいまもひきずっているのかもしれません。今はいちばん体格はいい猫ですが気はいちばん優しいです。

ハンディGPS

鳥海山の湧水等の調査に必要なため、総合地球環境学研究所からハンディタイプのGPSを用意してもらいました。ガーミン(GARMIN)のオレゴン(OREGON) 450TCです。専用のGPSを貸与してくれるということでしたので、インターネットなどで調べて性能・評判的にもいちばんよさそうな機器を選んで新品を購入していただきました(10万くらいするので、自分ではとても買えません)。

まだ届いたばかりで操作マニュアルを読んでいる最中であり、実地ではろくに使っていません。??が点滅しています。先日、胴腹ノ滝に水を汲みに行ったときにこのGPSを携行しましたが、受信感度や軌跡表示など、こりゃぁすごいと思いました。携帯電話に比べれば厚みや重さが倍以上ありますが、アンテナの突起もなく表面からのサイズとしてはかなりコンパクト。操作はすべて液晶画面のタッチパネル式。3軸電子コンパスや気圧高度計も搭載されています。道路地図と10m単位等高線表示の登山地図がインストール済みです。

パソコンと同期させて取得データの管理やルート図などの加工もできるはずですが、Macには対応していません。GPSのためだけに導入するのはしゃくですが、仕事ですのでうちでもWindowsが使えるようにしなければと思っています。このGPSの使い勝手などについては、ある程度使い込んでからまた報告します。今日はとりあえず外観だけ。

カエデ杢板 その3

アメリカ産のパシフィックコーストメープル(PCメープル、ソフトメープルとも)の杢板です。水で濡らした状態で撮影したものを横向きに掲載していますが、2/11・2/12に紹介したイタヤカエデと比べるとちょっとくどい感じがします。サイズは厚さ20mm、幅380mm、長さ650mmですが、もう一枚共木かもしれない20/270~340/360mmの板もあります。

両側は縮み杢ですが、中程は玉杢っぽい感じの凹凸の杢で、英語では前者はカーリー、後者はキルテッドと呼んでいます。板の全面に激しいキルテッドが生じているものも見かけますが、あくが強すぎるので使い方は難しいと思います。上の材料もこれだけしわしわでこぼこがあると、実際なにに使うかは悩みますけどね。

北米ではメープル類やチェリー、ウォールナット、アルダー、オーク類などの落葉広葉樹の計画的生産が昔から行われています。年間の供給量も基本的には年間の材積拡大分だけ。つまり育った分だけ伐り出すということで、これであればずっと将来まで安定的に木材を出すことができます。そのためでしょうか、とくにメープル類に関してはカーリーメープル(縮みの入ったカエデ類の通称で、PCメープルが多い)のみをバンドル単位でほしいという要望にも応えることが可能です。価格的にもわりあいこなれています。

日本は林業の盛んな「木の国」となんとなく思われていますが、それはせいぜいスギやヒノキ、マツ類などの針葉樹の話であり局所的な話であって、広葉樹の計画的生産や国土全体の森林管理などではたいへん遅れています。国産の広葉樹を家具に使いたいと思っても年々それがかなわない状態になってきました。量的にも質的にも急速に下落しています。

カエデ杢板 その2

昨日(2/10)に続いてイタヤカエデの杢板で、2枚は共木です。同じ丸太から取れた板ということですね。左が樹皮に近い方の板で、右が芯近くの丸太を二つ割りにした最初の部分の板です。サイズは左が38~43/320~400/1800mm、右が30~40/470~510/1800mm。

全体に左右対称に縮み杢が生じています。いわゆるバイオリン杢というやつですが、高級なバイオリンやギターには通常欧州産のホワイトシカモア(white sycamore 、グレートメープル)が使われます。乾燥が比較的容易で比重は0.54、加工もしやすいといいますから、比重0.67で乾燥・加工が困難なイタヤカエデとはやはりだいぶ異なります。

さてこの材料で面白いのが右の写真です。写真左側の材料の一部のクローズアップですが、まるで水面のさざ波みたいでしょう。縮みとはまた別の紋様で、縮みに直交するような向きに入っています。削り込んだときにどこまでこの紋様があるか心配ですが、非常に変わった杢であることは確かです。