カエデ杢板 その3

アメリカ産のパシフィックコーストメープル(PCメープル、ソフトメープルとも)の杢板です。水で濡らした状態で撮影したものを横向きに掲載していますが、2/11・2/12に紹介したイタヤカエデと比べるとちょっとくどい感じがします。サイズは厚さ20mm、幅380mm、長さ650mmですが、もう一枚共木かもしれない20/270~340/360mmの板もあります。

両側は縮み杢ですが、中程は玉杢っぽい感じの凹凸の杢で、英語では前者はカーリー、後者はキルテッドと呼んでいます。板の全面に激しいキルテッドが生じているものも見かけますが、あくが強すぎるので使い方は難しいと思います。上の材料もこれだけしわしわでこぼこがあると、実際なにに使うかは悩みますけどね。

北米ではメープル類やチェリー、ウォールナット、アルダー、オーク類などの落葉広葉樹の計画的生産が昔から行われています。年間の供給量も基本的には年間の材積拡大分だけ。つまり育った分だけ伐り出すということで、これであればずっと将来まで安定的に木材を出すことができます。そのためでしょうか、とくにメープル類に関してはカーリーメープル(縮みの入ったカエデ類の通称で、PCメープルが多い)のみをバンドル単位でほしいという要望にも応えることが可能です。価格的にもわりあいこなれています。

日本は林業の盛んな「木の国」となんとなく思われていますが、それはせいぜいスギやヒノキ、マツ類などの針葉樹の話であり局所的な話であって、広葉樹の計画的生産や国土全体の森林管理などではたいへん遅れています。国産の広葉樹を家具に使いたいと思っても年々それがかなわない状態になってきました。量的にも質的にも急速に下落しています。

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