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手袋2種類

 

比較的最近になって使いはじめ、いいなと思った手袋2種類です。一つは  ショーワグローブ株式会社の「No.380 ブレスグリップ」です。

これまで同社の「No.370 組立グリップ」という薄手の作業用手袋を主に使ってきたのですが、手指によくフィットし装着しながらでも筆記やかなりこまかな作業も素手に近い感覚でできるので、たいへん重宝しています。薄いとはいえそれなりに防寒力もあり、冬期でも室内で作業するぶんにはじゅうぶんです。耐久性もあるので、通常の綿の軍手に比べてコストパフォーマンスはとても高い点もいいですね。しかし色がかなり白っぽいのでとうぜんながら汚れが目立つことと、原木や重量物を扱ったり、冬に野外で作業するにはさすがにちょっと厳しい。

そこでインターネットで「作業用手袋」で検索して、実際に使用している人のコメントを参考にして選んだのが上の「ブレスグリップ」です。手の平と指先はやや厚手の柔軟なニトリルゴムで覆われていますが、このゴムは防水かつ透湿性もある発泡性ゴムという特殊なものです。濡れたものを触ってもだいじょうぶですし、汗で内部が湿っぽくなるということもほとんどありません(もちろん暑い真夏は無理でしょうけど)。ベースの生地も上の組み立てグリップよりはやや厚手のようで、雪かき作業や、低山域の冬山ハイクならこれでじゅうぶんでした。

色合いもゴム部分は黒で、その他は紺色なので汚れは目立ちません。名前が発泡プリントで大きめではっきり記してあるのも、まあファッション性を特別気にしなければ問題ありません。

 

もうひとつはやはりショーワグローブですが「No.282 防寒テムレス」です。冬も終わってしまったので季節外れの感がありますが、じつはこれは作業用だけでなく厳寒期の中・低山域の冬山登山にもオーケーのすぐれものでした。テムレスというのは「手が蒸れない」という駄洒落なネーミングですが、防水性と透湿性をもつポリウレタン性の外皮に、中はボアタイプの起毛となっていて、かなり暖かいです。湿気をかなり排出するので内部が湿っぽくなったり匂いがこもったりもしにくいです。テストではマイナス60℃の酷寒でも柔軟性を保つとのこと。

ただ欠点というわけでもないのですが、起毛しているせいで厚さがだいぶあり、これを装着しながら筆記やカメラの操作といった細かな作業は難しいと思いました。極薄のインナー手袋をしてからこの防寒テムレスをはめればいいでしょうが、そうするとさらに厚ぼったくなってしまいますね。もうすこしいろいろ使ってみる必要はあると思いますが、冬山登山用のアウターグローブに比べれば値段は2〜3割程度なので、試しに買っても損はしないでしょう。

 

白い秒針?

 

これは5年ほど前に一度記事にした件ですが、当工房のシャムガキの掛け時計「BLACK  TOWER」の秒針が白くなっています。時針・分針は木の色合いに合わせて艶消の黒色ですが、秒針だけがもともと白色というデザインなのかというと、けっしてそうではありません。秒針だけ目立つようではブラック-タワーという名前がだいなしです。

これはおそらくですが蛾か何かの幼虫か蜘蛛が糸を吐いて針をすっぽりとくるんでしまったようです。肉眼ではほとんど静止しているようにしか見えない時針や分針ではなく、ちっちっと動いて1分で1回転する秒針にだけどうしてこうした”仕事”をするのか謎です。逆にその針の動きが彼らの本能をいたく刺激するのかもしれませんね。もし蜘蛛のしわざだとすれば、網にかかってもがいている餌食とみなしているとも考えられます。

工房の”事務室”には見本としてのものも含めて3種類の掛時計を壁に下げています。秒針があるのは2個ですが、もうひとつの時計の秒針もBLACK  TOWERほどではないものの白くなっています。販売用の品物であれば即刻糸を取り払ってしまうところですが、見本品だしめったにひとも来ないので、このままでひそかに眺めて楽しんでいます。

 

コーヒーブレーク 103 「シンメトリー」

 

 

足の指シンメトリーや青き踏む

[あしのゆび しんめとりーや あおきふむ] ずっと前から5本指の靴下をはいている。木工の仕事で工房で作業をする際はかならず木綿の作業用の足袋をはくので、靴下も指付きでないとだめなのである。足袋は素足にはくのが本来かもしれないが、そうそう足袋は洗えないし、冬は寒いしということで、まず指付きの靴下をはいてからさらに足袋をはくのである。/誤解のないようにいえば、足袋を用いているのは「伝統」云々にはまったく無関係。上履きのスニーカーなどでは材料の上にじかに乗ったり、足で材料をはさんでクランプするといったことができないからである。いたって現実的な理由。しかしいまは呉服店や作業用衣料品店でも足袋を置いているところはなくなり、取り寄せするしかなくなった。つまり足袋を使うような職人がほとんどいなくなったし、その利便性を実感したり見聞きする機会がないからだろう。/福助だったかな、足袋のメーカーが柄物・色物の足袋をたくさん売り出したことがあったが、どうも不発に終わったよう。いや、必要なのはそういう「見た目の新規さ」ではないのだが。いわゆる伝統工芸でもそういう勘違いのデザイナーが多くていやになる。

吊り元のはるかなりけりぶらんこ

[つりもとの はるかなりけり ぶらんこ] 散歩のついでにときおり公園のぶらんこに乗ることがある。大人が乗ることを想定していないのか、座板の幅が狭い。乗れないことはないがぜんぜん余裕がなくぴったりの寸法である。これでは体格がもっと大きい人や、太り過ぎの人は乗れないな。それと吊っているチェーンがまったく油気がなくなって、こぐたびにきーきーうるさいことがある。あんまり気になって、むかし脚立とグリースを持っていってきしんでいる箇所に塗ったこともあった。チェーンは新しいぶらんこだとほとんどステンレス製のものになったので、ぶらんこに乗るたびに多少とも手に鉄錆がつくようなことはなくなったのはいいことである。

シーソーの水平にとまり春の夢

[しーそーの すいへいにとまり はるのゆめ] シーソーは設置されていない公園が多くなった。怪我をする子供がたまにいるので、役所などが”予防措置”を取っているからのようである。むろん構造や仕上げで可能なかぎり安全なように作り設置するのは当然であるが、あとはそれこそ保護者と子供の自己責任だと思うが。

 

 写真は多肉植物の一種で、ベンケイソウ科セダム属のヒントニー。刺だらけのように見えるが、やや太めながらもじつはみな柔らかい毛である。栽培はけっこう気難しい。中央部分の小さめの葉5枚の塊で実寸は7mm程度なのでマクロ撮影である。)

 

オオミスミソウあれこれ

 

4月はじめ、某所にて(踏み圧による荒廃や盗掘などを避けるため詳細は秘します)。オオミスミソウがたくさん咲いていました。雪が溶けたところからあちらにもこちらにも顔をのぞかせています。

オオミスミソウはキンポウゲ科の多年草で、オウレンとともに雪解けを待ち構えたように開花します(別名を雪割草といい、いかにもそんな感じで花が咲いてきます)。漢字で書くと「大三角草」で、これは葉が三角形であることからの命名です。葉は厚く光沢があり、緑色のままで冬越しをします。ミスミソウの花の径は10〜15mm程度ですが、日本海側には大型のオオミスミソウが分布しており、大きい花は20mmを越えます。これもオオヤマザクラ、オオバクロモジ、ユキツバキ、ヒメアオキ等と同様に「日本海要素」の例ですね。

おもしろいのは同じ場所に生えていながら、花色(萼片の色)が白、淡いピンク、濃いピンク、薄紫、紫、赤紫などいろいろで、なおかつ全体がほぼ圴一の一色のものと、中央が薄くて周辺が濃い色、筋が目立つものと目立たないものといったさまざまなパターンがあることです。園芸花で花色がいろいろあるのは珍しくもありませんが、自然の花でこういうのはあまりありません。愛好者が多い由縁でもあります。

 

大森山動物園へ

 

うちの子供とその友だちと私との3人で4月2日に秋田市の大森山動物園へ出かけました。子供たちの春休みと大人の日曜日、それに好天が重なったためかたいへんに人出が多かったです。私は年に少なくとも1回はここを訪れていますが、今回は子供も大きくなってきたので、私とは別行動としました(いっしょだと子供優先で、大人が子供の興味関心に合わせないといけない)。お昼は芝生のところでお弁当をいっしょですが、その前後はそれぞれ気のおもむくままに…。

カピバラの打たせ湯、オオカミやトラののしのしと歩く姿、置物のようなシロフクロウ、まるでぬいぐるみのレッサーパンダなど、たいへん楽しかったです。高校生以下は無料という大判振る舞いで、もっと近ければ何度でも行きたいのですが、片道2時間くらいかかるので、なかなか。

 

 

 

 

 

珊瑚のような地衣類

 

岩の上にもじゃもじゃと生えた、なんだか得体のしれない植物みたいなものですが、地衣類といいます。広くは菌類の仲間で、シアノアバクテリアや緑藻を共生させることで自活できるようになったものの総称です。一見したところ苔のようですが、実際は苔とはまったく異なる生き物です。

地衣類は非常に種類が多く、形体的にも瘡状・葉状・樹状などさまざまなものがあります。木肌や岩肌に密着していて、樹や岩自体の紋様にしか見えない極薄のものもあれば、通常の苔に似たもの、草か矮姓低木のような大柄なものも。ただし顕花植物などと違って種の区別や同定はとても難しそうなので、私個人としてはあまり深入りしたくありません。

下の写真も1&2枚目、3&4枚目は同じ種で、都合3種類の地位類だろうと思うのですが自信はありません。

 

 

 

 

 

ブナのスポルトの刳物

 

ブナの丸太を1年間ほど工房内に置いていたところ、通常の干割れだけでなく、材の内部に濃淡の不規則で奇妙な紋様が生じていました。こういった材料のことを英語ではスポルト(sport)と呼んでいますが、競技・運動といった通常の意味のほかに、変わりもの・おふざけ・からかい・お調子者といった意味もあります。木材のスポルトは後者の意味でしょうね。(→関連記事は当ブログの3/5の記事をごらんください)

たいへんおもしろい材料であることは間違いがないので、試しに4つほど旋盤で削って器を作ってみました。木固剤を浸透させたうえに艶消しの塗装を4〜5回施して仕上げていることもあって、「白っぽくて硬くすべすべした」ふつうのブナのイメージとは大きく異なります。

ふつう家具材・木工用材として用いる場合、含水率を10%くらいまで下げた木材を使うのですが、このスポルト材はすでに干割れがあちこち生じており、このまま置いておいても、へたをするとすべて薪にしかならない可能性があります。現在の含水率は30%ほどあるのですが、あとから変形等が生ずる心配を承知のうえでの加工です。

 2〜3ヶ月くらい今後もようすを見てみますが、割れ等が生じてこないようであれば、ご希望の方には販売いたします。ただ上のような事情もあるので格安で。

 


No.551 ブナ・スポルトの器 直径106mm、高さ102mm、深さ67mm。太い枝の部分で、芯を含んだ状態での木口(断面)削り。濃淡や黒い筋などいろいろ生じている。


No.552 ブナ・スポルトの器 直径146〜149mm、高さ51mm、深さ32mmであるが、径の幅方向は長さ方向に対してすでに3mm縮んでいる。極端にいえば楕円形に歪んでいるのだが、割れが生じなければこれはこれでおもしろい。


No.553 ブナ・スポルトのボウル 直径144〜145mm、高さ57mm、深さ38mmで、丸くころんとした厚手の作り。ナッツなどを入れるのにいいかも。


No.554 ブナ・スポルトの器 直径130〜132mm、高さ38mm、深さ23mmで、4個のなかではいちばん小さい。はじめはNo.552と同じ大きさの材料から削り出したのだが、もとから内部にあった干割れなのか、それとも削る過程で後から生じた割れかはっきりしないものの、1mm近い極薄にした縁に割れがあったので、それを削り取っていったらずいぶん小さくなってしまった。

 

サンショウウオの卵とミドリウスバサイシン

 

某所にて。上はトウホクサンショウウオの卵です。半透明の太いチューブの中に丸い卵が連なって入っており、胚もかなりサンショウウオの形になってきています。

2枚目はミドリウスバサイシン(緑薄葉細辛)でウマノスズクサ科。通常のウスバサイシンの花は暗赤紫色ですが、これはごく薄い黄緑色をしています。私は初めて見ました。花の直径は15mmくらいです。ウスバサイシンは根にメチルオイゲノールという非常に辛いテンペル物質を含み、薬草として用いられるとのこと。

春の野山はいろいろと面白いものが満載です。

 

 

オウレンの群開

 

工房の近くの里山でオウレンの花がたくさん咲いています。雪はまだところどころ残っているのですが、その雪が溶けた先から所狭しという感じで、無数といっていいほどのオウレンが白い花を開いています。

オウレンはキンポウゲ科の多年草で、いくつか種類があるようですが、ここのものは葉がキクに似ているのでキクバオウレンというタイプでしょうか。白花なのに植物名を漢字で黄蓮(黄連)と書くのは、根茎の断面が黄色であることや蓮根のように太いからのようです。この根茎にはベルベリンという成分を多く含み、オウレンは昔から胃腸薬として名高く、薬用植物として栽培されることもあるとか。

花の外側の大きな花弁のように見えるのは萼片で、花弁は内側の小さい匙型のもの。両性花と雄花があり、両性花は袋状の実をつけるということなので、3・4枚目の写真はまちがいなく後者でしょう。

 

 

 

※ 別の場所のも2枚追加。

 

 

コーヒーブレーク 102 「静脈」

 

 

割れし薄氷蝶となり飛びゆける

[われしうすらい  ちょうとなり とびゆける] 和菓子にも薄氷というものがあるそうな。ただしこちらは「うすらい」ではなく「うすごおり」と読む。富山は小矢部市にある某和菓子屋さんの超ロングセラーの銘菓だそうだが、個人的にはいまひとつ興味がわかず。ある雑誌に「和菓子特集」が組まれていたときも、冒頭のほうの茶道の席で使うような上品な和菓子は「ふ〜ん」としか思わなかったが、後半のふつうの萬頭や羊羹やどら焼きなどは見るからにおいしそうで、すぐにでも食べたくなってしまい困ったことがある。菓子にかぎらず食べ物はとくに、あまりよけいな手間をかけていないシンプルなもののほうが私はだんぜん好きだな。値段もてごろだし。

雪解野にふとき静脈ほそき静脈

[ゆきげのに ふときじょうみゃく ほそきじょうみゃく] 雪は降ることはあっても積もることはなくすぐに消えてしまうようになった。除雪用具のスノーダンプやスコップなども物置にしまいこんだ。自分の車にはまだスコップが一丁載ったままになっているが、これは登山などで山間地に行った際の非常時に備えての道具として積んでいるものである。今冬は山には、平地とちがって例年なみの雪があるという話もあるが、気温的には決して厳寒の冬ではなかったから、このあと溶けるのはけっこう早いだろうと思う。やはり山に長い間残雪として存在し、ゆっくりと溶けて地中に浸透してこその「豊かな水」なのだ。今年も夏場に水不足にならないといいが。

春泥や豆粒なほどの島四つ

[しゅんでいや まめつぶなほどの しまよっつ] 春泥そのものが生活圏にはほとんどなくなった。言うまでもなくいたるところがコンクリートやアスファルトで覆われてしまい、裸の地面というものが少なくなったからである。加えて側溝や河川も改修がすすみ、降った雨や雪解け水もさっさと流れて行ってしまう。/ずっと昔1キロ半くらい離れた中学校まで歩いて通ったが、メインルートは両脇に水田が広がるような未舗装の狭い農道だったので、春先やすこし強い雨が降ったあとは水たまりがあちこちにできた。それをよけつつ歩いていくのだが、たまに道幅いっぱいに水たまりが広がっていて、おまけに短靴だったのでどうにも通過できず、かといって今さらもどるにも遠すぎる。思案の末、裸足になりズボンを膝までまくってその水たまりの中を突破したこともあったな。しばらく歩いてきれいな水があるところで足を洗い、手ぬぐいで拭いてまた靴を履いて……。