日別アーカイブ: 2016年12月27日

乗用車のデザイン

 

 

先般、古い家具の直しの仕事を受けた際、抽斗の底に敷いた新聞紙がたくさん出てきました。作業用に古新聞紙を使うことがときどきあるので取っておいたのですが、ふとみるとトヨタの乗用車の広告が載っていました。

昭和62年=1987年、ということは約30年前の新聞広告ということになります。左上からスプリンター、カローラ、マーク2、クラウン、ビスタの5車種ですが、形状はみなよく似ています。角張ったラインとできるだけ薄く平べったくみせているフロントはまったく同じで、違いというとグリルの形と全体としてのサイズ・ボリューム感ですね。

クラウンはやはり「おやじさん」っぽい雰囲気ですが、スプリンターとかカローラなどはこれはこれでなかなかいいデザインと思います。現在のぐにゃぐにゃしたオーガニック(有機的)なデザインや、プラモデルみたいなデザイン、コンピューターの性能をいたずらに駆使してよけいなラインや膨らみをてんこ盛りにした過剰なデザインよりずっと上品です。

もちろん言うまでもなく、動力性能や安全性や耐久性などと異なり、デザインはしょせんは「好き嫌い」の問題であって、数値的に客観的に「良し悪し」を評価できるわけではありません。しかし昨今のあまりにも酷いデザイン(中でもト◯タ!)の車をみるにつけ、一服の清涼剤を得たような気分でした。