工房での昼食はほとんどすべて自炊です。自分ひとりだけの食事なので、ご飯を炊いてみそ汁と漬け物各種を並べるか、ときどきはスパゲッティやうどんを茹でるだけのごく簡単なものです。料理にあまり手間ひまをかけるのは私個人的には時間(と人生)の無駄としか思わないので、これで十分です。もっとも食材の質自体にはわりあい気をつかっています。
そのスパゲッティも大量の湯をわかすのはもったいないので、工房にひとつだけある直径20cmの片手鍋で茹でるので、最初に沸騰した湯に麺を投じる際は、麺同士がくっついたりせずに満遍なく熱が伝わるように、写真のような具合に鍋に入れます。案外これは知らない人もいるみたいですが、手で束ねた麺をタオルを絞るようにして軽くひねってから手を離すと花が開くようにうまく散らばります。今回のは撮影もしなければと思いながらあわててやったので、まだむらのある広がり方ですが。
このあと鍋から飛び出した部分を手で順ぐり中に押してやると、自然と麺がからまったりすることなく鍋に没入します。あとは太箸でときどき軽くかき回すだけ。麺同士がくっついて生煮えだったりするスパゲッティは、とうぜんおいしくはないので、茹で加減だけはとくに注意です。具材はいちばんシンプルなのは少量のバージンオリーブオイルと醤油を麺とからめただけのもので、これがぜんぜん飽きもこないしとてもおいしいです。