月別アーカイブ: 12月 2014

コーヒーブレーク 35 「万有引力」

 

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万有引力ありけり飛行機浮かぶ

魔法だの秘術だのというインチキな話ではない、そういう作り話や妄想ではない、たしかにこの世に存在しわれわれがその中で生きざるをえない厳然たる事実として万有引力というものががある。精神や心といったものを持たない「ただの物質」がそこにあるというそれだけで互いに引き合う。しかも宇宙空間のような遥か彼方にまでその力がおよぶというのは、あらためて考えてみればほんとうに不思議なことだ。あえて魔法というならこれこそが第一級の魔法であって、これを魔法と言わずとしてなんという、てなもんですね。

冴ゆる夜のジェット機空を焦がしつつ

ジェットエンジンは外部からとりこんだ空気を圧縮し、内部で燃料と混合させて燃焼、そこで発生した高温高圧の膨張ガスを噴出させて、その反作用を直接的に推進機関とするエンジンのことだそうな。現在実用化されているジェットエンジンは大別して3種類ある。ターボジェット-エンジン、ターボファン-エンジン、ターボプロップ -エンジンである 。世界で最初にジェットエンジンを搭載して実用化したのはドイツのMe−262であるが、この名前は私もすぐぴんときた。小学生の頃にタミヤだったかのミニプラモデルで、第二次世界大戦時の戦闘機を中心にいろいろ集めていたからである。一機150〜250円くらいの、手の平に軽く収まるくらいの、まさに子ども向けの簡易な模型だったが、たぶん20機くらいのコレクションにはなったと思う。

 万の人工衛星めぐらせ冬の星

「千万の〜」という表現は、ほとんどの場合、実際の数が千や万あるということではなく、とにかくものすごくたくさんあるという意味である。百貨店や百科事典なども同様だが、こちらのほうは個数の多さよりは種類的にさまざまいっぱいある、多種多様ということで、前者とは同じ多数であっても力点がちがう。/さて人工衛星である。これまで打ち上げらた人工衛星は7000個程度とみられており、現在も地球の周りを回っているものはその約半数の3500個くらいらしい。肉眼で識別できるものだけでもその1割の300〜400個はあるというから、いずれにしてもたいへんな数ではある。なかには輝度が一等星くらいの明るさのものもあって、「あっ、一番星だ!」と思ってよく見たら大型の人工衛星であったということにもなりかねない。う〜む、現代ならではの光景であり感慨であるな。

 

一触即発か

 

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アル(左)とトント(右)が鼻先をくっつけあっていますが、お互いにくんくんと匂いをかいでいるだけで、べつに仲良くしているというのではありません。このときもこの後すぐににらみ合ってましたし。

捨て猫だったアルがわが家にもらわれてきてから半年近くになりますが、ようやく先住のトントはそれなりに折り合いをつけるようになり、以前のような、トントが相当力をかげんしているとはいえ取っ組み合いや、フーッ!とかシューッ!とか声をあげて威嚇するようなことはまずなくなってきました。

わが家ではずっと猫は室内でのみ飼うようにしていますし、たいして大きな家でもないので、二匹はいやでも顔を合わせることになります。対立ばかりしていてはたいへんですからね。もっとも気をつかってだいぶ我慢をしているのはおばちゃん猫のトントのほうで、むすめ猫のアルはただ単純無邪気にトントにじゃれているだけという気がします。というわけで、私はできるだけトントをハグするようにしています。

 

苔むした岩

 

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大きさ1〜2mほどの岩が苔や地位類に全面おおわれています。湧泉の近くでいつも霧がただよっているせいでしょうか。白く平滑に見える部分も極薄の地位類がついているところで、岩そのものの地肌はかくれています。草木の緑が後退し枯れ色になってくると、こうした苔むした岩の美しさが際立ってきますね。

 

大手通販の梱包

 

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これはアマゾンから届いた荷物を開けたところです。段ボール箱の大きさ325×250×115mmに対し、中に入っていた品物はそのパッケージを含めても100×75×75mmの大きさしかありません。ためしに計算してみたところ容積率ではわずか6%。重量も箱の封を開けてみるまでは中が空かと思うような軽さです。けれども私はこれを批判しているわけではありません。「空気を運んでいるみたいで無駄だ。けしからん」などという見当ちがいな文句は言いません。逆に、通販の最大手ともなると考えることが違う、あっぱれとあらためて感じました。

送付する商品に合わせてできるだけ無駄な空間が生じないように小さめの段ボールに封入したほうがいいと思うのは、たとえば個人や当工房のような弱小零細企業であればまったくその通りでしょう。送料がぜんぜん違いますからね。しかし、毎日ものすごい数の商品を梱包し発送するような大企業の場合はその論理は必ずしもあてはまりません。Aという商品に対しaの箱がいいのかbの箱がいいのかcの箱がいいのか…といちいち試行錯誤していたのでは時間ばかりかかってしかたがありません。もちろんアマゾンとて梱包用の箱は何種類もあるはずですが、できるかぎり種類を絞って、はじめからまちがいなく収まるであろう大きめの台紙に商品を載せラップでくるみ箱に入れてしまったほうがはるかに迅速確実です。

余計な空間がいくらあっても、商品は台紙ごと熱収縮フィルムでラップされ、そのまま箱の底にホットメルト接着剤でくっつけてあるので、箱の中で商品があばれて破損してしまうおそれはまずありません。段ボールの蓋もよく見ると妻手のほうの蓋は大きく斜めに面取りをしてあり、長手の蓋と干渉しにくいように作ってあります。おそらくですが、商品を台紙に手作業で載せた以降はあとは自動でラップと箱入れ・封緘・ラベリングをしているのではないでしょうか。

箱の大きさがそろっていれば自動化もしやすいし、それをパレットや車に積載するのも簡単です。トラック等の荷室にどれだけの数の荷が入るのかも事前にかなりの精度で予測できるでしょう。当工房みたいにバンやトラックに家具が入るだの入らないだのと何度もトライしてみる必要はありません。たしかに個々の品物でみれば、たとえば上の写真のようにえらい空隙が生ずることはあるでしょうが、物流全体のコストでみれば、そんなものは微々たるものです。

 

オリジナル木製ハンドル

 

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ウォールナットでドアを作ることになり、いま下拵えをだいたい終えて本加工に向かうところです。ドア開閉のための取手は横向き1/4回転のレバーではなく、縦向きで棒状のハンドルにする予定ですが、市販品ではなくオリジナルで自分で作ることにしました。材料はやはりウォールナットです。

大きく面取りした角材に丸棒の片端を埋め込んで、それをドア枠に貫通させ、反対側でも同じ大きさの角材に丸棒のもう片端が差し込まれるかたちになります。丸棒はゆるくてもきつすぎてもいけないので、ノギスで何度も計測しながら丸穴の径に対しプラス0.2mm程度になるように慎重に調整し、木殺をしたのちにハンドルの角材ならびにドア枠に入れ込みます。

市販品を購入して付けてしまえば簡単ですが、極端に安い出来あいのハンドルを使うのでないかぎり、コスト的にはオリジナルで作っても大差はないと思います。ただ後者は時間はかかりますし、不確定要素(製作ミスや取付けのミス等)はどうしても残るので、一般にはあまり採用されない手法ですね。

 

市販椅子の手直し

 

11月16日の記事で市販品のテーブルの手直しについて書きましたが、今度はやはり市販品の肘掛け椅子2脚の手直しです。材質はアメリカン-ブラック-ウォールナットで、オイルで仕上げしてあります。座面の高さだけお客様のご希望にあわせてお店で調整(脚の下端を寸詰め)してもらったようです。

座のクッション(ビニールレザー?)は裏から6本の木ネジで止めてあるだけだったので、それは簡単に外れたのですが、他の部分はばらせません。また全体的に部材が細すぎるので、とくに問題の肘掛けあたりの面取りを現行のR1.5mmよりやや大きめのR4.5程度に変えるにとどめました。たしかにこのままではエッジやコーナーがとがりすぎていて体が当たって痛いです。

私の観点としては、1)座面が後方にすこし傾斜しているのはダイニングチェアとしては使いづらい。2)背もたれと座面の間が空きすぎているので、座った人の背中をしっかりと保持できない。3)座面の凹みのカーブが大きすぎるので常に中よりに無駄な力がはたらき、長時間座るとお尻が痛くなる。4)部材が細すぎるので強度・耐久性に不安がある。5)一部のパーツに白太が使われそこだけ着色してありました。椅子の部材でそれは駄目。6)各部材の表情が板目あり柾目ありでそろっていない。……といったところでしょうか。しかし一般市販品としてはこれぐらいがまあ残念ながら普通といっていいかもしれません。

写真は上は手直しする前の状態、下2枚が手直し後のものです。とくに肘掛けの前端部はもとは他のエッジと同様のR1.5くらいだったのを、いくらなんでもこれはないよねということでR10に変えました。オイル塗布(キャピタルペイントのNA−6 オリオ2。前のオイルは不明)もあらためて全面に施したので、色もすこし以前より濃くなりました。

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