地元の高校の特別授業で非常勤講師をつとめているのですが、「鳥海山の湧水」というテーマで年に何回かフィールドワークを行っています。一昨日の9月10日、その下見をかねて鳥海山の大平(おおだいら)口から笙ケ岳(しょうがだけ)までひとりで往復してきました。
笙ケ岳は俗に西鳥海と呼ばれており、庄内平野から眺めて大きくふたつある峰のうちの左側のピークです(右側は外輪山と頂上の新山)。標高はいちばん南側の第一峰=P1で1635mとそれほど高くはありませんが、傾斜のある均整の取れた峰で三つのピークが吊り尾根状に連続しています。また頂上に至るもっとも一般的なルートである象潟=鉾立ルートや、吹浦=大平ルートから外れているため静かな山行を味わうことができます(うるさいツアー客などがいなければですが)。
鳥海山も上部はすでにすっかり秋の気配が漂っており、頂上付近から紅葉が始まっています。短い夏が終わり、これから急速に冬支度となるわけで、前回の7月末頃に比べると咲いている花もだいぶ減ってきました。しかしなかには今が盛りの花もあって、静かにのんびりと6時間あまりの山旅を楽しむことができました。
私自身の備忘録を兼ねて以下に、1)今が盛りでたくさん見ることができた花、2)盛りは過ぎたがまだそれなりに見ることができる花、3)花期が終わりもうわずかにしか見ることができない花、以上を50音順に列記します。もちろんこれは今回のルートに限った話であって、他のルートであればまた違った結果になることは言うまでもありません。青字の花は下に写真を掲載。
1) アキノキリンソウ、イワショウブ、ウメバチソウ、エゾオヤマリンドウ、シラネニンジン、シロバナトウウチソウ、ハクサンフウロ、ミヤマリンドウ
2) イブキゼリモドキ、ウゴアザミ、エゾウサギギク、コバノギボウシ、チョウカイアザミ、ニッコウキスゲ、ハクサンイチゲ、ハクサンシャジン、ヤマハハコ
3) イワイチョウ、イワオトギリ、コバイケイソウ、シロバナハナニガナ、チングルマ、トウゲブキ、ノリウツギ、ハクサンボウフウ、ミヤマダイモンジソウ、ヨツバシオガマ、ネバリノギラン
ミヤマアキノキリンソウ(キク科)
イワショウブ(ユリ科)
ウメバチソウ(ユキノシタ科)
エゾオヤマリンドウ(リンドウ科)
シロバナトウウチソウ(バラ科)
ハクサンフウロ(フウロソウ科)
ミヤマリンドウ(リンドウ科)
エゾウサギギク(キク科)
コバギボウシ=タチギボウシ(ユリ科)。遠景の山は月山森
チョウカイアザミ(キク科)と ニッコウキスゲ(ユリ科)
マイクロウェーブ反射板跡地のヤマハハコ(キク科)とエゾオヤマリンドウ(リンドウ科)の大きな群落
トウゲブキ(キク科)
ミヤマダイモンジソウ(ユキノシタ科)
ヨツバシオガマ(ゴマノハグサ科)
ネバリノギラン(ユリ科)