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子鹿

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鳥海山の中腹で、山岳観光道路ブルーライン添いの大平(おおだいら)にある鹿公園の子鹿です。学童保育の子どもたちといっしょに先日(9月20日)でかけたのですが、子どもたちはフェンスの前の草むらをむしって鹿たちに草をたくさんあげていました。鹿は数十頭いるのですが、やはり今年生まれたばかりかと思われる子鹿が人気です。

犬でも猫でも他の動物でも、動物の子どもはみなとてもかわいいですね。それはその動物自体が愛らしいということなのか、見る側の人間の感性がそのようにあらかじめできているのか分かりませんが、おそらくはまだ庇護を必要とする幼い動物と、成長した保護者・保護動物との間のよくできた協同的で本能的な仕組みであるように思います。

20アンペア

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自宅の契約電力を50アンペアから20アンペアに変更しました。今年2月に新築し引越した際には、現状の配線設備上の上限である50アンペアでとりあえず契約したのですが、半年近くその状態で電気を使用してみた結果、その必要はまったくないことが分かりました。

考えてみれば引越する前の借家の電気が20アンペアで、たまにはブレーカーが落ちたことはあるものの絶対的な不都合はありませんでしたし、新しい家での電気の使いかたも基本的には前とたいして変わっていません。

暖房は灯油ボイラーを熱源とする温水循環式床暖房で(前の家では部屋ごとに石油ストーブ)、暑いときは扇風機。つまりエアコンはありません。調理はIH式コンロではなくガスコンロです。電子レンジは500Wのごくシンプルなもので、常時は使いません。冷凍冷蔵庫は300リットルくらいで、そんなに大きいものではありません。洗濯機は洗濯のみで乾燥機能はないので、天気がわるい場合は室内で衣類乾燥機を使って衣類を乾かします(じつはこれがいちばん電気を消費しているようです)。掃除機はマキタの充電式のものだけです。大画面のテレビや大掛かりな音響映像設備もありません。照明器具はほとんど100%近くLEDです。

したがって炊飯器と電子レンジと洗濯機と衣類乾燥機を同時に使ったりしない限り、ブレーカーが落ちることはありません。実際50から20にアンペアを下げてから一度もブレーカーが落ちたことはないです。同じ20アンペアでも各電気器具の省電力化がすすんでいることも貢献しているでしょう。

今時の新築の家で20アンペアの電気契約はたぶんかなり珍しいと思いますし、電力会社からも「ほんとうにそれで大丈夫ですか?」と何度も念を押されてしまいましたが、まあ問題はありませんね。アンペアダウンしていちばんいいのは基本料が大幅に下がったことです。自宅は東北電力管内で「従量電灯B」というタイプの契約ですが、基本料金が50アンペアだと1575円、20アンペアだと630円なので、毎月945円の差が出ます。もうひとつのいい点は、電気の使い方に注意を払わざるを得なくなることです。無造作に使えばやはりブレーカーが落ちて、パソコンの製作中のデータが消えてしまったなどという事態になりかねませんから。

50アンペアから20アンペアに下げる場合、電力会社→電気屋さんからブレーカーをそれ用に交換してもらわなければなりませんが、無料でできます。反対にアンペアを上げる場合は、その程度にもよりますがけっこうな出費になるようです。既存の配線設備では上げることが不可能なこともあります。

 

 

現の証拠

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ゲンノショウコです。フウロソウ科フウロソウ属の多年草で、いまさかんに工房の敷地内で白い小さな花を咲かせています(Geranium  nepalense  ssp .  thunbergii)。漢字で書くと「現の証拠」で、変な名前のように思われるかもしれませんが、生薬の一種で胃腸薬(下痢止めなど)として用いられ、薬効がすみやかなことによります。「ほらみろ、言ったとおりだろ」というわけです。

花の直径は10〜15mmほどですが、葯や花弁基部の紫色の筋、紅色の花柱など、よく見るとたいへん繊細で美しい花です。高山植物のハクサンフウロも同じ仲間の植物ですが、むこうは淡紅色で大きさももうすこし大きいですね。

工房のゲンノショウコは人為的に植えたものではなく、ひとりでに生えてきていつのまにか繁殖しているもの。そういう意味では「雑草」なのですが、かつて昭和天皇が言われたように「雑草という名前の草はない」のです。私としては人工的に改変された園芸花はグロテスクな感じさえ受けることがしばしばで、やはり自然の野山で出会う自然の草木のほうがずっと美しいと思います。

 

栗のテーブル

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栗の小ぶりのテーブルです。大きさは幅1130mm奥行600mm、高さもやや低めの630mmです。これとほぼ同様の栗の学習机については2013年6月25日の記事で紹介しましたが、今回のものには抽斗がありませんし、寸法が若干異なります。

先の学習机のほうはご注文があって製作したものですが、今回のテーブルは「予備品」として木取は同時に、その後の加工は後から行いました。使い勝手や強度上はまったく問題はありませんが、木目の並び具合や色合いなどにいくらか不揃いがあり、甲板の一部に仕上げ削りでも取りきれなかった変色がわずかにあります。脚には小さな節がすこし。

個人のデスクとしてちょうどいいくらいの大きさですが、なにかの補助テーブルとしても使われてもいいかなと思います。上記のようにやや難点もあるので、通常価格より大幅にお安くします。ご希望の方はメールにてご連絡ください。

※※大阪府の方から上記のテーブルをご購入いただきました。ありがとうございました。コメントもいただきましたので、どうぞ。↓ (2014/1)

台風過

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昨日の台風の跡です。自宅からは車で10分ほど離れた場所に工房があるのですが、もう築40年くらい経っている作業小屋なので、強風と大雨の襲来でいつ壊れるかびくびくしながら仕事をしていました。

幸い建物には目立った被害はなかったのですが、キリの木のかなり太い枝が折れて、隣の材料置き場に落下してしまいました。そのほかにも枝の破損はたくさん。ウドの群れもすべて風でなぎ倒されています。写真に写っている折れ枝などを集めた小山は径2.5mくらいあります。川のほうの増水はさほどではありませんでした。

工房の建物と敷地は、もともとは大工さんの作業場だったのですが、賃借→買取して当社(有限会社オーツー)の所有となっているものです。窓を増設したり土間の半分ほどに床を張ったり、事務室をこしらえるなど、いろいろ手を加えてはいるのですが、肝心の骨組みや屋根・外壁の波トタンなどはそのまま。さすがにあちこち痛んできました。

冬場の移動などを考えると、ほんとうは自宅にもっと近ければいいのですが、これから移転するとか、現在の建物におおがかりな改修を施すのはあまりにもたいへんです。かといって放っておくわけにもいかず……。

 

つむじ風

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渦を巻くようなみごとな綿毛。バラ科チングルマ属のチングルマ(稚児車)という高山性の落葉矮性低木です(Sieversia  pentapetala)。綿毛は花が咲き終わった後の花柱が羽毛状にのびたもので、風のせいなのか花自体がそうなりやすい物性を持っているのか、つむじ風のように右または左回りに巻いていることが珍しくありません。花は白色5弁の虫媒花ですが、種子は風によって散布されます。

鳥海山には地面を覆い尽くすような大きな群落もそこかしこにあり、いっせいに白い花が咲いている光景はすばらしいものがあります。しかし花が終わってからの写真のような渦巻く綿毛の姿もなかなか情趣に富んでおり、私は開花期と同じくらいに好きです。

やがてこの綿毛もみな風に飛ばされて消え、葉が赤くなります。個体差があるので、3枚目の写真ではすでに半分くらい紅葉がすすんでいますね。

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鍋森

鳥海山は複合成層火山で、約60万年の歳月の中で幾度となく大規模な噴火や山体崩壊を繰り返しているため、下からの一見おだやかで秀麗な山容とはうらはらに非常に複雑な地形をしています。

鳥海湖は噴火口の跡ですし、その周囲にある扇子森や鍋森は溶岩丘です。粘度の高い溶岩がむくむくと盛り上がってそのまま冷えて固まったのですね。また山体崩壊のほうは頂上(新山)北面の場合は約2500年前と比較的新しいためすぐにそれと分かりますが、じつは南西面の笙ケ岳〜御浜〜扇子森〜ボサ森〜月山森〜天主森の馬蹄形も古い山体崩壊の跡です。

崩壊して巨大な谷間になった後から鳥海湖付近から流れ出した溶岩が、その山体崩壊の凹みを埋めつつ麓近くまで達しました。その先端が八森〜山ノ神〜吉出山〜胴腹ノ滝〜金俣地区の急斜面です。また、崩壊した古い地層と、新たに流下した溶岩との境界線であり急峻な谷間となったものが、西側のヒノソであり東側の月山沢・西ノコマイ。つまりヒノソも月山沢も巨視的にみると右岸と左岸とでは地質が大きく異なるわけです。そうしたことを知ったうえで鳥海山を眺めるとまたちがった面白さがたくさんわいてきます。

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笙ケ岳第4峰(岩峰)北側の鞍部付近からみた頂上方面。左寄りの三角峰が頂上の新山(2236m)、その右奥で写真中央が七高山(2230m)、右端から左側に下ってくる尾根が行者岳・伏拝岳・文殊岳と続く外輪山。

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笙ケ岳第3峰付近からみる鍋森。左側ドームが鍋森の主峰、それより低く小さく写真中央よりやや右側のドーム〜右端の山体が前鍋森。そしてこの前鍋の背後に東鍋森がある。

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笙ケ岳第2峰と3峰の間の稜線(吊り尾根)上に点在する池溏(ちとう)と鍋森。

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笙ケ岳。左から第1峰(1635m)、2峰、3峰。

 

赤い実

9月10日に登った、鳥海山の大平口(おおだいらぐち)から笙ケ岳(しょうがだけ)ですが、その際に見かけた赤い実です。基本的に緑一色の中で赤々とした果実は非常に目立ちます。

これは鳥などの目につきやすくして種子の散布をしてもらいやすくするためでしょうが、人間から見てもとてもきれいです。ただし毒を含んでいたり、不味かったりして食用には適さないものも少なくないので、キノコと同様に「絶対に大丈夫」と断言できるもの以外は口にしないようにしましょう。

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ゴゼンタチバナ(ミズキ科)

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アカモノ=イワハゼ(ツツジ科)

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ガマズミ(スイカズラ科)

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タケシマラン(ユリ科)

 

大平から笙ケ岳へ

地元の高校の特別授業で非常勤講師をつとめているのですが、「鳥海山の湧水」というテーマで年に何回かフィールドワークを行っています。一昨日の9月10日、その下見をかねて鳥海山の大平(おおだいら)口から笙ケ岳(しょうがだけ)までひとりで往復してきました。

笙ケ岳は俗に西鳥海と呼ばれており、庄内平野から眺めて大きくふたつある峰のうちの左側のピークです(右側は外輪山と頂上の新山)。標高はいちばん南側の第一峰=P1で1635mとそれほど高くはありませんが、傾斜のある均整の取れた峰で三つのピークが吊り尾根状に連続しています。また頂上に至るもっとも一般的なルートである象潟=鉾立ルートや、吹浦=大平ルートから外れているため静かな山行を味わうことができます(うるさいツアー客などがいなければですが)。

鳥海山も上部はすでにすっかり秋の気配が漂っており、頂上付近から紅葉が始まっています。短い夏が終わり、これから急速に冬支度となるわけで、前回の7月末頃に比べると咲いている花もだいぶ減ってきました。しかしなかには今が盛りの花もあって、静かにのんびりと6時間あまりの山旅を楽しむことができました。

私自身の備忘録を兼ねて以下に、1)今が盛りでたくさん見ることができた花、2)盛りは過ぎたがまだそれなりに見ることができる花、3)花期が終わりもうわずかにしか見ることができない花、以上を50音順に列記します。もちろんこれは今回のルートに限った話であって、他のルートであればまた違った結果になることは言うまでもありません。青字の花は下に写真を掲載。

1) アキノキリンソウイワショウブウメバチソウエゾオヤマリンドウ、シラネニンジン、シロバナトウウチソウハクサンフウロミヤマリンドウ
2) イブキゼリモドキ、ウゴアザミ、エゾウサギギクコバノギボウシチョウカイアザミニッコウキスゲ、ハクサンイチゲ、ハクサンシャジン、ヤマハハコ
3) イワイチョウ、イワオトギリ、コバイケイソウ、シロバナハナニガナ、チングルマ、トウゲブキ、ノリウツギ、ハクサンボウフウ、ミヤマダイモンジソウヨツバシオガマネバリノギラン

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ミヤマアキノキリンソウ(キク科)

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イワショウブ(ユリ科)

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ウメバチソウ(ユキノシタ科)

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エゾオヤマリンドウ(リンドウ科)

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シロバナトウウチソウ(バラ科)

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ハクサンフウロ(フウロソウ科)

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ミヤマリンドウ(リンドウ科)

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エゾウサギギク(キク科)

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コバギボウシ=タチギボウシ(ユリ科)。遠景の山は月山森

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チョウカイアザミ(キク科)と ニッコウキスゲ(ユリ科)

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マイクロウェーブ反射板跡地のヤマハハコ(キク科)とエゾオヤマリンドウ(リンドウ科)の大きな群落

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トウゲブキ(キク科)

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ミヤマダイモンジソウ(ユキノシタ科)

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ヨツバシオガマ(ゴマノハグサ科)

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ネバリノギラン(ユリ科)

 

トキワハゼ

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自宅の庭に薄紫色をした小さな花が点々と咲いています。トキワハゼ(常磐はぜ)といってゴマノハグサ科サギゴケ属、唇弁花の花の大きさ長さ10mm余、幅7mmほどの多年草です。上の写真の場合でも右端から左端までで5cmくらいしかありません(Mazus  pumilus)。

あまり小さく背丈が低いのでうっかりすると踏んづけてしまいそうですが、庭の草取りをするときに意識的にこの植物は残すようにしたので、最近は個体数が徐々に増えてきています。小さくて目立たない花ですが、よく見るととても味わいがあります。花期は春から秋まで(4〜10月)と長く、いつも咲いているような感じなので、それが名前の由来になっています。

よく似た花にムラサキサギゴケがありますが、そちらは匍匐枝をさかんに出して広がることや、花色が紅紫色であること、花期が春(4〜5月)であることなどの違いがあります。ではなぜサギなのかというと、まれに白花のものがありそれが サギの頭部を連想させることから付いたようです。元々はその白い花が咲くものをサギゴケと呼んだらしいのですが、むしろそれよりはずっと普通に見られるトキワハゼのほぼ白色花の個体のほうがサギゴケにふさわしいイメージがあります。なんだかこんがらがるような話ですね。