現の証拠

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ゲンノショウコです。フウロソウ科フウロソウ属の多年草で、いまさかんに工房の敷地内で白い小さな花を咲かせています(Geranium  nepalense  ssp .  thunbergii)。漢字で書くと「現の証拠」で、変な名前のように思われるかもしれませんが、生薬の一種で胃腸薬(下痢止めなど)として用いられ、薬効がすみやかなことによります。「ほらみろ、言ったとおりだろ」というわけです。

花の直径は10〜15mmほどですが、葯や花弁基部の紫色の筋、紅色の花柱など、よく見るとたいへん繊細で美しい花です。高山植物のハクサンフウロも同じ仲間の植物ですが、むこうは淡紅色で大きさももうすこし大きいですね。

工房のゲンノショウコは人為的に植えたものではなく、ひとりでに生えてきていつのまにか繁殖しているもの。そういう意味では「雑草」なのですが、かつて昭和天皇が言われたように「雑草という名前の草はない」のです。私としては人工的に改変された園芸花はグロテスクな感じさえ受けることがしばしばで、やはり自然の野山で出会う自然の草木のほうがずっと美しいと思います。

 

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