9月9日に鳥海山・飛島ジオパークが認定となりましたが、それの現地審査ならびに訓練のための模擬ガイドでは、ただ口頭で説明するだけではなく、さまざまな小道具も用いました。地学的なことがらは話だけでは理解することはたいへん難しいので、そのための補助です。
ものとしては地形の模型や地図や写真などがありますが、下の写真は地形・地質説明のための手書きの絵です。上は鳥海山の西側馬蹄形カルデラの中の湧水の概念図、下は最終氷期(7〜1万年前)の中で最も海水準が下がったとき(約120m)の海岸線をあらわしたものです。いずれも直接目で見ることはできないものなので、事前によほど基本的な知識のある人でないと、口頭で説明を受けただけではちんぷんかんぷんだろうと思います。
実際にこれらの補助的な道具を併用しながら何度か模擬ガイドまたは本番のガイドを行って感じたことは、お客にはとてもわかりやすいことや注意をひきつけることができること、話すほうも一種のあんちょこ(備忘録)として使えることです。絵は水性マーカーと色鉛筆を使って私自身でさっと描いたものですが、パソコンの「お絵描きソフト」などを用いたきれいすぎる緻密すぎる絵よりも、かえってこういう下手くそな絵のほうがむしろ好ましいと感じました。お客から「あ、このガイドが自分で描いたんだな」と思ってもらえれば親しみもわきます。文字情報は最小限にとどめます。
基本的に野外での説明のためのものなので、水に濡れてもいいように紙に書いたものをラミネートしています。フィルム面に照明の光や太陽光などが反射すると非常に見にくくなるので、艶消しのフィルムを用いたラミネートであることが必須です。サイズはA3とA4の2種類。大・中型バスの中での説明やお客の人数が多い場合は後ろの人からも見えるようにA3でないといけませんし、車から離れて諸々の荷物をザックに入れて運ばないといけない場合はA4になります。