月別アーカイブ: 10月 2014

ヒバカリ

 

DSCN3338_2

 

工房の掃除をして帰ろうとしたら、コンクリートの上を長さ30cmくらいの小さなヘビが這っていました。すぐにほうきでちりとりがわりの「み」に追い込んで捕獲し、撮影しました。背景がオレンジ色なのは「み」がその色のプラスチックできているからですが、とっさの判断ながらつるつるすべってヘビも簡単には脱出できないのが幸いでした。

全体が緑味をおびた茶褐色で、模様らしい模様はありません。太さはいちばん太いところでも1cmあるかどうかくらい。なんという種類のヘビなのかすぐには分かりませんでしたが、少なくともマムシやヤマカガシという毒蛇ではないことはたしかなので、じっくりと10枚ほど写真を撮らせてもらいました。ヘビのほうは危険を察知しておびえているのかとぐろを巻いたまま、ほとんど動きません。指先でちょっと触ってみましたが冷たくさらっとした感じです。撮影が終わったので戸外の草むらに放してやりました。

自宅にもどってさっそく調べてみると、どうやらヒバカリ(日計・日量)というヘビのようです。ユウダ科ヒバカリ属で、日本に産する主なヘビ8種類のうちの一種(島嶼も含む全体では36種)。それほど珍しい種ではありませんが、地味な色合いや薄明薄暮型の活動のため目立ちません。私も明瞭に認識したのは今回がはじめてです。毒はなく全長40〜65cmほどと比較的小型のヘビです。上の写真でもわかりますが口吻から頸部にかけて白色または淡黄色の斑紋があり、これが識別のポイントでしょうか。

 

コーヒーブレーク 29 「領土」

 

DSCN3184_2

 

天の川さびしき人類住めるなり

惑星に生命が発生する可能性はものすごく低いという。学者にもよるが、サイコロを1万回投げて同じ目が1万回続けて出るくらいの確率だとか。つまりそれはほとんど確率ゼロといっていい話で、現在地球にこれほど多種多様な生き物が栄えていることは奇蹟そのものといっていいだろう。しかも9割以上の生物がいちどに短期間に絶滅するような激甚な天変地異を幾度もかいくぐってきてのことだからなおさらである。/ごくわずかな確率であるにしても宇宙に文化と意識を持つような高度生命体が存在することは否定はできないが、距離的に地球からあまりにも遠く離れていて行き来に何万光年・何億光年もかかるのであれば、それは実際的には存在しないことと同義である。

人類の並び立てたる風車

私が住む地域にも風力発電用の大きな風車がいくつもある。現在主流の定格出力1.5〜2.5メガワット/時の風車の場合、羽の回転直径は70〜80m、タワーを含む全体の高さは100〜130mというから、おそろしいくらいの巨体である。遠くから眺めているぶんにはその大きさをなかなか実感できないが、もっとずっと小規模の風車でさえその足元近くまで寄ると驚くばかりの大きさと高さに圧倒される。さほど風が強くないときでもその「うなり声」にはすこしく恐怖感をおぼえるほどだ。

二百余の領土ありけり秋の暮

前にも触れたが、現在日本が承認している国は195カ国。しかし「国際的に他の多くの国からは承認されていない国」や、海外領土・自治地域などを含めると計249カ国とも。これはISO 3166の定義による「カントリーコード」の数でもある。 かつての列強による植民地などはあらかた独立したし、先般のスコットランド独立をめざす騒ぎ(国民投票を実施)にみられるように、まず安定的にみえる国家でさえも分裂の可能性は常にある。/国の数はこの先さらに増えていくのか、それとも日本における自治体の合併のようにいつかUターンして減っていくのだろうか。個人的には「自分たちのことは自分たちで決める」精神で細かく分離独立しながらも、たがいにその存在を認め自由に行き来できるのがいいなと思うが。

(※ 写真はスギの倒木の根株にびっしりと生えたスギヒラタケという茸。本来は食用菌だが薬との副作用で死亡する事例があったことから、今はほとんど見向きされなくなった。虚子に<爛々と昼の星見え茸生え>という句がある。)

仕口いろいろ

 

DSCN3352_2

 

アメリカン-ブラック-ウォールナットで戸棚を製作しているのですが、その一部の仮組をしているところです。木と木の部材を接合する際、縦と縦の同方向に接続する場合を「継手(つぎて)」、縦と横の異方向に接続する場合を「仕口(しくち)」と言いますが、上の写真では右側の脚に左の地板・中板が接合する仕口を示しています。

接合は接着剤や金物やダボではなく部材自体にホゾやホゾ穴、ミゾや段欠(だんがき)などといった凹凸をこしらえて、それをはめ込むしくみです。上の例ではホゾ+小根ホゾ+大入+段欠という仕口を採用しています。金物等で組み立てるのに比べはるかに手間がかかりますが、経年変化を含む強度と耐久性はいちばん高く、見た目にもきれいです。そのためもあってか木工家のことを以前は「指物師(さしものし)」と呼びました。指と指を組むようにして木材を精緻に加工して家具などを作ります。

 

ミニリフター

 

DSCN3223_2

 

先の庄内町でのリフォーム工事でたいそう重宝したミニリフター。ナカヤのNK−55です。右側の長いレバーを足先で踏むと左のL形の幅広の爪が上がる仕掛けで(写真では建具用に幅広の爪と傷防止に木片を付けています)、たとえばひとりで壁に大きめの一枚もののパネル類を張ったり、重いドアを取り付けたりする際の位置調整に用いると、楽に安全確実に施行することができます。

下げるときは中央の小さいレバーを足先で踏むのですが、上下動(4〜55mm)とも踏みかたで微動〜全動をかげんすることができます。耐荷重は590N(60kgf)で、3×8サイズの石膏ボードでも楽々リフトでき、しかも上げたままで左右に15mmまで振ることができるので、壁や張り終わった他のボードとの突き合わせも簡単。 油圧とか電動ではなくメカニカルな摩擦だけのシンプルな機構なので故障するおそれも少なく、全長も30cm弱、重さ1.7kgと、リフターとしては小型軽量といえます。

「建材施行用」とうたっていますが、冒頭で述べたように建具の仮付・本付にも最適で、すこし治具を工夫すれば家具の製作にもいろいろ使えると思います。税抜定価12000円ですが、仕事で使うならすぐに元がとれますね。

 

籠の猫

 

DSCN3346_2

 

わが家の猫トントが、自分からキャリーバッグの中に入って寝ていました。このバッグは動物病院などに連れていくときに用いるナイロン製の丈夫な専用のバッグですが、飼い主の私たちがこれにトントを入れて運ぼうとすると猛烈にいやがります。すばやくジッパーをしめロックをかけないと、わずかの隙間に頭を押し込んでこじあけ逃げられてしまいます。そしてロフトなどの「隠れ家」に閉じこもってしまい数時間出てきません。

ところが、下にすこしだけ写っているキャリーボックスの場合でも同じなのですが、自分から中に入るぶんにはぜんぜん抵抗がないらしいのがなんとも不思議です。むしろ今は生後4ヶ月半の新参猫のアルからあまりじゃまされないで寝ることができるので、このバッグやボックスの中のほうが居心地がいいのかもしれません。

このままひょいとバッグごと持っていかれたらおしまいなのにね〜。

 

アルビフロラ その4

 

DSCN3299_2

 

DSCN3312_2

 

6月半ばにわが家にもらわれてきた捨猫だったアル(正式名はアルビフロラ。albiflora ラテン語で白い花の意)もいつの間にか3ヶ月半が過ぎました。推定生後4ヶ月余りですが、驚くばかりの成長で、現在の体長は約35cm、体重は2.0kgです。最初は16cm&200gだったので、体重にしてなんと10倍にもなったことになります(ちなみにトントは50cm、4.9kg)。

とにかく活発で運動神経は歴代の猫でもぴか一。1mくらいは楽々ジャンプしています。それはまあいいのですが、先住のトントはおおいに迷惑顔。下の写真で左上にちょっと写っているのがトントの尻尾ですが、それを アルがじぃ〜と狙っています。また私たちにもじゃれながらすぐ噛み付くのも困ります。トントとちがって噛む加減がうまくできないので、ほんとうに痛いです。

わが家には子どもの同級生が土日などに5〜10人くらい遊びにくることがしばしばあるのですが、トントはすばやく安全地帯に隠れて出てこないのに対し、アルのほうはまったく気にすることなく、子どもらのまさしくいい玩具になっています。同じ猫でもこれほど性格が違うのもおもしろいことです。