日別アーカイブ: 2012年4月10日

iPhone 4S

言わずと知れた(?)iPhone 4S(アイフォーン4S)です。多機能携帯電話、スマートフォンの代名詞ともいえる米国アップル社の携帯電話ですが、じつにもってすばらしいです。

これまで3年間あまり使用していたのはやはりアップルのiPhone ですが、3Gという2代目のもの。したがってその後に出た3GS>4>4Sということで、3周遅れでようやくトップに追いついたかっこうになりました。年内には次のモデル=iPhone 5が出るというウワサもあるのですが、それはそのときにあらためて考えましょう。

数日前に交換したばかりでまだよく分かっていないところが多々あるのですが、間に3GSと4の二つのモデルが入っているせいか、その進化にはたいへん驚きました。まず液晶が非常に精細できれいです。じっと目をこらしてもピクセルが分からないくらいで、3Gとの差は歴然としています。とくに小さな文字は輪郭がにじまずくっきりしているので読みやすいです。ほとんど印刷物なみ。それからタッチスクリーンの反応がじつに適格ですばやくなめらか。まずねらいを外すことはありません。前機種でもとくに大きな不満はありませんでしたが、今回はそのスムースさの度合いが一段と向上しています。搭載カメラも画素数が8メガと上がり機能もずっとよくなったので、このiPhone 4Sがあればコンパクトデジタルカメラならなくてもいいかもしれません。

機能面の改良や向上もさることながら、なんといってもデザインがいい。全体的なバランスもいいですし、ほんとうに微細なところまでこれ以上はないだろうなと感嘆するほど煮詰められています。それでいて、非常によくできたデザインワークがたいていそうであるように、結果としてはそうした苦労の跡をみじんも感じさせないクールなたたずまい。私も木工人の一人として木製品のデザインを考え自ら製作しているわけですが、このiPhone 4Sのデザインはとても刺激的であり示唆に富んでいます。

携帯電話としての用が足りるだけでいいのであれば、スマートフォンでなくとも充分で、むしろ機能を徹底的に絞り込んだ「らくらくほん」みたいなもののほうが実用的ではあるでしょうね。お金もあまりかかりませんし。それに比べこのiPhoneをはじめスマートフォンは毎月の基本料&使用料がけっこうかかります。それが負担ではないといえばウソになりますが、しかしこのiPhone 4Sの外観およびインターフェースのデザインのすばらしさを一度体験してしまうと、他の携帯電話はまったく色あせてみえます。

 

黒柿の木取

写真が小さくて分かりづらいと思いますが、3枚ある板のいちばん上は孔雀杢の黒柿、その下の2枚は部分的に孔雀を含む上杢の黒柿で共木のブックマッチ。厚さは10〜13mm、幅は125mm、長さは割れなどをのぞいた有効寸法で450&930mmです。もちろん完全に乾いた板。

じつはこれは指物で箱を作るということで、他の方からの依頼があって当工房でラフな木取をしたものです。「孔雀杢で」という希望があったのですが、全部はとても無理なので、天板のみ孔雀杢の板とし、4枚の側板はなんとかそれに準ずるものにしました。側板の方の材料には若干の干割れがあるので、いいとこどりで再木取ができるように余裕をみました。うまくいけば左右と前後、それぞれの側板をブックマッチにできるかもしれません。

黒柿でかつ孔雀杢やブックマッチで箱物を製作するというのは、最高度にぜいたくな話です。費用的な面もむろんありますが、それ以前にそのような特別な黒柿材を用意することがすでに今日では超難問だからです。