写真が小さくて分かりづらいと思いますが、3枚ある板のいちばん上は孔雀杢の黒柿、その下の2枚は部分的に孔雀を含む上杢の黒柿で共木のブックマッチ。厚さは10〜13mm、幅は125mm、長さは割れなどをのぞいた有効寸法で450&930mmです。もちろん完全に乾いた板。
じつはこれは指物で箱を作るということで、他の方からの依頼があって当工房でラフな木取をしたものです。「孔雀杢で」という希望があったのですが、全部はとても無理なので、天板のみ孔雀杢の板とし、4枚の側板はなんとかそれに準ずるものにしました。側板の方の材料には若干の干割れがあるので、いいとこどりで再木取ができるように余裕をみました。うまくいけば左右と前後、それぞれの側板をブックマッチにできるかもしれません。
黒柿でかつ孔雀杢やブックマッチで箱物を製作するというのは、最高度にぜいたくな話です。費用的な面もむろんありますが、それ以前にそのような特別な黒柿材を用意することがすでに今日では超難問だからです。