月別アーカイブ: 5月 2011

テーブルリフターのハイトスケール

当工房では作業台として2トンクラスのテーブルリフターを使用しています。スチールの甲板の大きさ800×1200mm、高さは電動の油圧ポンプで最低300mmから最高1120mmまで無段階に上げ下げできます。重量420kgもあるたいそう頑丈な作りです。新品だと40万以上するものですが、3年前に中古で10万ほどで入手しました。

通常の作業台(テーブル)では高さが一定なので、作業内容によって高すぎたり低すぎたりします。ある程度の工夫はできなくはありませんが、基本的には人間のほうが機械や道具や材料の高さに合わせるしかありません。無理な姿勢はひどく疲れますし、ときに危険でもあります。それがこのテーブルリフター式の作業台であればスイッチ一つでミリ単位で最適な高さにセットすることができます。

ただ作業台の高さを大きく変えるときは、なにかの目安があると使い勝手がよくなります。900mmの高さでの材料加工を終え、次に図面チェックするのに一気に650mmまで下げたいといった場合です。機械自体にはスケールといったようなものはとくに付いていないので、写真のようにベースの鉄枠にコの字型の木枠をかぶせて目盛を入れました。パンタグラフ式のリフターの脚の車輪中心が650に来ていれば、そのときの床から作業台上面までの高さが650mmというわけです。

どちらからでも一目でわかるように左右2カ所にこのハイトスケール(高さ目盛)を付けました。これまではマスキングテープを貼ってマジックインキで数字を記しただけの簡易なものだったので、見にくく、またすぐに破れたりしていましたが、こんどはだいじょうぶです。このぐらいの細工でも2時間近くかかりますので、気持ちにいくらか余裕があるときでないとできないです。

さらに

昨日(5/3)の胴腹ノ滝です。どんどん水量が増えています。ただ水温は右側が8.8℃、左が8.7℃(気温10.8℃)ですので、前回4/25と同じ。まあごくノーマルな温度です。つまり雪解水が直接流入しているわけではもちろんなくて、浸透量が増すことで圧力が急に高くなり地下水を押し出しているものと考えられます。

一般に湧泉の湧出水量の測定は難しいので、はっきりしたことはいえませんが、胴腹ノ滝は年間でみると水量の変化がかなり多いほうです。いまの雪解けの季節もそうですが、大雨が降り続いたあとも急に水量が増します。一年中あまり増減がない湧泉もあるので、その違いはどこにあるのかもうすこし検討が必要です。じつはそのことが例の採石の問題ともおおいにからんでいる可能性があるからです。

鳥海ブルーライン

鳥海山の山岳観光道路、鳥海ブルーラインに昨日(5/1)行ってみましたが、標高1000mの大平(おおだいら)山荘までしか登れませんでした。例年だと連休前までには全線開通し、最高点の鉾立(おおだいら 標高1150m)まで行けるのですが、今冬は積雪が多かったせいかまだ開通していません。もしかしたら3.11の大震災の影響もあるかもしれませんが(建設会社の重機や人手が足りないなど)、はっきりしたことは分かりません。

大平の手前でも道路わきの雪の壁は高いところは3m以上もあり、すこし怖い感じもします。もし崩れ落ちてきたらどうしましょう。

さて鳥海ブルーラインのような高いところの雪はともかく、この日午前中に偵察に行った高瀬峡は、林道最奥の山ノ神の駐車場まで車は入れました。1週間ほど前は途中で残雪ですすめなかったので、この間に溶けてしまったようです。山ノ神の標高は320mです。

高瀬峡の遊歩道をすこしだけ歩いてみたのですが、500mほど先の第一吊橋はまだ踏板が設置されておらず渡ることができません。橋の耐荷重の関係で冬期間は踏板を外しておくのですが、4月末〜5月頭の連休でかならずハイカーなどの人が訪れるのに、これはなってませんね。地元の遊佐町は高瀬峡や二ノ滝渓谷などを気軽におとずれることのできるハイキングコースとしてさかんに宣伝はするのですが、実質がともなっていないと思います。

ヒメオドリコソウ

田や畑の法面、道端、空き地など陽のよくあたる場所に群生している草本です。漢字で書くと姫踊子草。シソ科オドリコソウ属の越年草です(Lamium purpureum)。ヨーロッパ原産で、日本には明治中頃に帰化した外来種ですが、今では在来植物を圧倒するような勢いでどこでもふつうに見かけることができます。

わが国にはもともと同類で大柄のオドリコソウ(L. album var.barbatum)が生えており、当地にもあるはずですが、私自身は野生のオドリコソウは見たことがありません。ぜひいちど見たいと思っているのですが、だれか内緒で教えてくださいませんかね。

このヒメオドリコソウは草丈が10~25cm程度ですが、近くでかがんでよく見るとピンク色のきれいな唇形花です。ただ上部の葉がくすんだ赤紫色に色づくことが多く、これが大量にまとまって生えていると、遠目にはなにやらとても地味というか、暗いといってもいいすぎではないほどの雰囲気になってしまいます。花が葉の色に負けてしまうのですね。もしこれが全体にもっと明るい色なら、サクラの開花と並んでずいぶん人気が出るのでしょうが。