庄内平野ではいま田植えの準備に忙しいです。トラクターで土を起こし水を張った田に、たくさんのウミネコ(カモメの仲間)がやってきます。
昨日(4/28)は風が強く寒い日だったので、荒れた日本海をさけて田んぼに餌を求めに飛来したのでしょう。一枚の水田に数十羽のウミネコが群れていました。餌を取るのに夢中なのか、ウミネコという名前の由来でもあるミャーという鳴き声はあまりきこえません。
当工房3台目の新品のルータです。といっても導入してからすでに丸2年経っていますので、それなりに使い込んでいます。マキタの電子ルータ RP2301FCという機種で、マキタの国内向けのルータとしてはいちばん新しいハイエンドのモデルです。それまでは日立工機のM12を2台使ってきましたが、ちょっとガタが生じてきていることもあって、新しい機種を1台追加しました。
スペック的には単相交流100V、15A、1430W、回転数9000~22000/分(無段階変速)、チャック孔径12mm、本機昇降範囲0~70mm、本体のサイズはW294×D155×H312mm、重量6.0kgとなっています。
スペックを見ただけではこの機種の特徴はよく分かりません。実際使ってみて感心するのは運転音が非常に静かなことです。もちろん木材を切削しているときは他のすべてのルータと同様かなりの騒音でイヤーマフが必要ですが、無負荷の状態では騒音とはいえないくらいの低いレベルです。試しにですが、モーターを回転させた状態で台の上に置き手を離しても振動で動くことはまったくありません(万一にそなえて刃を装着せずに行います)。
本体を上下動させるにはベースの2本のポールを手動でスライドさせるのですが、本体側にローラーベアリングを組み込んであるのとポールの精度がいいのかごくスムーズにに動かすことができます。片手だけでも楽に動かせるほどです。
本体下部底面にはLEDライトが付いているので、モーターのスイッチを入れると点灯し、スイッチを切ってからも十数秒ほどはライトは明るいままです。マキタのトリマーにもLED付きのものがありますが、それよりずっと明るい照明です。日立のM12にはもちろんLEDなど付いているはずもないので、刃先を視認し削り具合を見るのに手元照明を別に用意しないといけなかったのですが、この機種ではまずその必要がありません。
モーターのスイッチは右側のハンドル上部にありますが、押す+引くの2段階スイッチになっているので安全です。うっかりスイッチに触れて、というような事故を防止できます。モーターははじめゆっくりと回転し、2、3秒かけてフル回転に移行する「ソフトスタート」。スイッチを切ったときは反対に電磁ブレーキが働いてすぐに止まります。これまでの機械のような、スイッチを入れたとたんにガクンと衝撃とともにすぐに全開し、スイッチを切れば惰性でしばらくの間回りっぱなしの機械とは大違いです。
日立のM12はなにしろ1985年の工房開設以来の古い機種なので、集塵装置との接続はまったく考えられていませんでしたが、新しいルータではもちろん集塵が可能です。本体のベースに集塵アダプタを装着し、外部の集塵機とホースで接続します。切削条件と材料によりますが、ベースと切削材とがクローズの状態であれば切削塵は大部分吸い込まれてしまいます。あたり一面に木屑や木紛をまき散らす心配がなくなったのはありがたいことです。
全体としてはかなり上出来と思いますが、不満がまったくないわけではありません。それは切り込み深さの調整がやりにくいことです。M12の場合は単純にストッパーのポールを蝶ネジで締め付けるだけですが、RP2301FCではクイックスライドとか0.1mm刻みの微調整装置(マイクロアジャスタ)などが付随する、やや複雑な仕組みです。しかし機構にいろいろ工夫をこらしていながらも、その一方で各部の「遊び」が大きすぎるために、トータルではかえって調整をやりにくくしているような気がします。まあ慣れの問題もあるかもしれませんが。
値段としてはけっして安くはありません。税抜定価で57900円。ネット通販だと40000円くらいで入手できると思いますが、それでもいちばん高いほうの部類に入るでしょう。米国のメーカーのものであれば半値くらいのものもありますし、ホームセンターなどではなんだかよく分からないメーカーのものでさらに半値程度のものさえあります。しかし業務用で長時間・長期間使うことや、修理などのアフターを考えると、私はやはりマキタが安心です。
昨日4/25の胴腹ノ滝です。滝の姿が見えてすぐさま、これまでに比べかなり増水していることがわかりました。左右の滝の本流に加えて、いずれもその右側に小さな流れが別にはっきり現れてきています。水温は右側が8.8℃、左が8.7℃で、気温は9.0℃でした。水温は前回の4/11にくらべ右は同じ、左は逆に0.2℃下がっています。左の滝が右より0.1℃低いのは3月中のパターンと同様で、今回またそれにもどったわけですが、温度自体は左右とも0.1℃高いです。
胴腹ノ滝が見えはじめる所に赤い鳥居がありますが、そのすぐ手前にも渓流があります。沢筋は何本にも分かれていてそれぞれに小さな橋がかかっています。全体の水量としてはふだん胴腹ノ滝とほぼ同じくらいあるのですが、今は雪解けがさかんなためにこちらのほうが多いようです。水源は胴腹ノ滝とはまったく別で、北東方向約700mにある大きな湧泉と、それより下流側にあるいくつかの小さな湧泉が合わさって流れてきています。こちらの表流水は鳥居の直近で6.2℃でした(ちなみに3/1が4.6℃、3/30が4.4℃、4/11が5.1℃)。
車道から滝までの歩道上からは完全に雪が消えてしまいましたが、それとともに冬期間、滝を訪れた人が捨てたとおぼしきキャンデーやチョコレート、弁当などの包み紙が顔をのぞかせています。もちろんできるだけ拾うようにしていますが。
山形県の西側は日本海に面していますが、その海岸線のおよそ半分は砂丘におおわれています。長さ34km、幅約2.5kmのこの庄内砂丘は日本三大砂丘のひとつといわれています。砂山は海岸線に対して平行に、明瞭なものだけでも数列並んでいますが、写真の風車は庄内砂丘の北端にあたる遊佐町の海際の砂丘上に最近できたものです。
昨年12月から稼働しており順調に動いているようです。羽の先は平野部からも見ることができます。砂丘自体が主に海からの西風によってできたくらいですし、地吹雪の名所であり、人口密度も比較的低いので、風力発電にはうってつけの場所かもしれません。
支柱の高さ78m、羽の長さ41m、出力2080kwの大型の風車が7基。合計出力は14560kwで、これは約7000世帯分の電気にあたるそうです。風車は風の強さによって出力が大きく変わりますが、蓄電によりある程度平準化。またこの地域は雷の発生頻度がとりわけ冬期間は非常に多いのですが、その対策装置をそなえるなど、最新式の機器だとか。
ただ残念なのは事業主体は日立エンジニアリング・アンド・サービスで、またその株の3割を東京ガスが保有することです(原発事故でいまもあたふた、てんてこまい、ぐだぐだの東京電力ではありません。念のため)。結局は遊佐町はおろか山形県さえほんの脇役にすぎないわけです。地元の資本で地元の電気をまかなえればいちばんいいのですが。
胴腹ノ滝にもすこしずつ春がやってきています。写真は4/11夕刻のものですが、周辺の雪もだいぶ消えて水量もいくぶん増してきたことが分かります。車道から約150m杉林の中を歩いて滝に行きますが、その歩道の積雪も50cm程度に減ってきました。
滝の水温をできるだけ計るようにしています。滝壺からだいたい2mばかり上の流水をデジタル温度計で計測します。湧出口は滝壺から4~5mくらい上にあり登って登れないことはありませんが、神聖なる滝であり信仰の対象でもあるので遠慮しています。実際、水量もあるので温度は測定誤差の範囲内におさまると思います。
最近の記録としては、3/1で右側が8.7℃、左が8.6℃(気温1.9℃)。3/7が右8.7℃、左8.6℃(気温1.1℃)。3/13が左8.6℃。3/30が右8.7℃、左8.6℃(気温3.3℃)でした。ここまでは水量に若干の変化があるものの水温は変わっていません。左の滝が0.1℃低いですね。ところが昨日4/11は右が8.8℃、左が8.9℃(気温4.0℃)と、右がこれまでより0.1℃、左は0.3℃も上昇しています。0.3℃というとふつうの感覚ではたいしたことがないように思いますが、湧水の温度変化としては決して見過ごしできないほどの大きなちがいです。
雪解水の直接的流入や外気温の影響は考えられないので、左右の滝の湧水の温度上昇および逆転はどうしてなのか? 安易な推測は避けたいと思いますが、ずっと継続して調べていけばそのうちなにか分かるかもしれません。
鳥海山の南西麓標高210m付近にあるハッチョウトンボ(Nannophya pygmaea)の生息地です。3月13日に撮ったものですが、あたりはまだ1mほどの積雪に覆われているものの、ここは湧水があるのでを水面がのぞいています。
ハッチョウトンボは成虫が直径20mmの一円玉に全身がちょうどぴったり収まるくらいの、日本最小のトンボです。極小でまたきわめて低空でゆっっくりとぶのでそのつもりでよく見ていないと足下にいても気づかないくらいの昆虫です。かつては里山で水深の浅い湿地であればわりあいどこでも見ることができた普通種ですが、そういうところはいちはやく農地開拓や宅地化などで失われてしまい、いまではハッチョウトンボはかなり貴重な生き物になってしまいました。
写真の場所は山麓ながらいくらかの平坦地になっていますが、これはかつて石油を採掘するつもりで均した場所とのこと。石油は結局ものにならないで終わってしまったようですが、その跡地にハッチョウトンボがなぜかすみ着くようになったようです。湧水が一帯から浸出していますが、水量が不足になってきたために今は一部パイプで他から水を引っ張ってきています。
ここは周囲は金網で囲われ、厳重な保護下にあります。