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胴腹ノ滝に光が

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きのう胴腹ノ滝に恒例の水汲みと調査に行きました。午前9時頃ですが、杉林の中は人の目で感じているより実際はかなり暗いです。カメラはそれを客観的に計測するわけですが、写真を撮っているとちょうど木漏れ日がスポットライトのように右側の滝の滝壺近くにさしてきました。

9月は6日・13日・22日・30日と計4回調査を行っていますが、10月10日の分も加えたその結果は以下の通り。

胴腹ノ滝の右側(湧水) 8.8  8.9  8.9  8.8  8.9
胴腹ノ滝の左側(湧水) 8.8  8.9  8.9  8.8  8.9
鳥居の前の表流水   12.3 12.1 11.3 11.1 11.6
胴腹ノ滝の前の気温  18.3 21.9 14.7 17.6 17.1
鳥居の前の気温    19.9 23.8 18.9 18.0 16.9

滝の水量のほうは9月6日は前回の8月29日にくらべいくらか増えていましたが、その後はずっとすこしずつ減ってきています。滝の水温はこの2ヶ月間、8.8〜8.9℃で安定的に推移。昨年度の同時期とほぼ同じ数値です。

DSCN1090_2さて車道から胴腹ノ滝に至るおよそ150mの歩道沿いには、たくさんの種類の草木が生い茂っていますが、そのうちの十数種類ほどに左の写真のような科名+種名の立て札がそえてあります。ただ、その多くが今では朽ちて倒れたり、あったはずの肝心の草木がそこに見当たらない状態になってしまっています。とても残念です。

先日の鳥海山吹浦口の登山道の標識設置の際にも触れたことですが(9/27)、立派な標識を立てたり取り付けようとするとお金も手間もそうとうかかります。したがってなかなか設置されないし、いったん設置されてもやがて破損・摩滅・倒伏してほとんど標識の用をなさなくなっても、こんどは容易に修復・交換されません。

それよりは一般人のグループなり個人なりが、簡易なものでぜんぜんかまわないので手軽に設置または更新できる標識のほうがずっと役に立ちます。いやむしろあまり派手で目立ちすぎる名札は、自然の草木には似つかわしくありません。もちろん間違った名前をつけたのでは非常にまずいので、設置する前に専門家にチェックを入れてもらう必要はあります。植物の研究者や愛好家はたくさんいますよね。

こんなことを書くと「それならまず言い出しっぺがやれば」と言われてしまいそうです。それはたしかにまったくその通りなので、なんとか実現するべく動いてみますかね。賛同し手伝ってくださる方がいればうれしいです。

 

 

ナギナタコウジュ

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写真は別々の日に撮ったものなので色あいがずいぶんことなりますが、淡紅紫色の花が一方の側だけに片寄って咲くナギナタコウジュの特徴はおわかりいただけると思います。

ナギナタコウジュ(薙刀香蕾)はシソ科ナギナタコウジュ属の一年草で、名前はやや反り気味に片寄って咲く花のようすが薙刀のようだからとか(Elsholtzia  ciliata)。花は枝先につき花穂の長さ4〜9cmくらい。茎は四角形で有毛。葉は対生で長さ3〜9cm幅1〜5cmの卵形から狭卵形。全草に強い香りがあり、漢方では利尿薬に用いられます。

山野の道ばたや林縁などにそって生えていることが多くふつうに見られる植物ですが、たいへん特徴のある花にもかかわらず一般的にはあまり知られていない、関心がもたれないように思います。残念なことです。

 

鉋刃の交換

手押鉋盤ならびに自動鉋盤の刃が切れなくなってきたので、各2枚計4枚のハイス(高速度鋼)製の刃を交換しました。外した刃はとうぜんながら専業の研磨屋さんに出して研いでもらうのですが、写真はそのための通函です。

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6年ほど前に自作したものですが、刃は「使用中」「予備」「研磨中」と3組ずつあるので、ケースは合わせて6つあります。手押用の305mmの刃と、自動用の465mmの刃ですが、1枚の重さが1.1〜1.8kgもあるので、せっかく再研磨した刃が保管・運搬時に痛まないようにベイヒバの40mmくらいの厚板を刃に合わせて彫り込んでいます。以前は購入した際に刃が納められていた段ボール製のケースをそのまま使っていたのですが、しだいににぼろぼろになってきて見た目にも恥ずかしいくらいになっていました。

さて肝心の刃の交換ですが、使用中にゆるまないようにしっかり固定するのはむろんのこと、回転する鉋胴から刃先がきっちり同じ寸法だけそろって出ていることが絶対条件です。すこしでも不揃いだと材料が平滑・均一に削れません。刃は鉋胴に多数のボルトで締め付けるのですが、それだけでは刃先の出がばらばらになってしまうので、専用の刃先ゲージを併用して微調整します。許容誤差は0.05mm以下です。

この刃の交換は一般的にいうとかなりの慣れが必要で、私も刃の交換→微調整→試し削り→注油・清掃と一連の作業に1時間以上かかることもしばしばでした。しかし最近はコツがのみこめてきたようで30〜40分くらいで終えることができるようになっています。また若干の刃の鈍摩については、刃を機械に装着したまま刃先をオイルストーンを用いて手作業で軽く研磨することによって、交換のスパンを5割程度は延長することもできるようになりました。ただしこのオイルストーンによる手研磨は1回のみで、それ以上無理に行うと刃先の直線が崩れてしまいます。

 

土田牧場

昨日は午後から秋田県にかほ市の仁賀保高原にある土田牧場(☎0184−36−2348)に子どもと行ってきました。夏場のピークはすぎたのか駐車場は半分くらいの入りですが、家族連れなどでなかなかのにぎわい。

さっそくまず動物のいる建物へ直行しました。犬(セントバーナード、シベリアンハスキー)、ウサギ、ヒツジがいて、自由に触ることができます。動物のほうもずいぶん人慣れしていて悠然としています。セントバーナードは5頭ほどもいるのですが、やっぱりとても大きい。並の人間より体重はあるでしょう。こういった牧場でもなければまずふつうの家では飼えませんよね。私も実際に手で触ってみたのは初めてです。戸外にはニュージャージー種のウシがたくさんいて、こちらも柵越しに鼻面をなでることができました。あとはウマが数頭、ヤギが1頭です。

ニュージャージーのミルクで作ったソフトクリームをなめ、大型のペダルこぎのトラクター玩具に乗って遊び、ソーセージ2種類をおみやげに買って、夕方帰りました。入場は無料なので、動物が苦手でなければ家族やペアでけっこう楽しめると思います。

牧場からは鳥海山もよく見えていましたが、山形県の庄内平野から眺めるそれとはずいぶん違った印象です。頂上下方のところどころ白いのは前冬の残雪でしょうね。霞がすこしかかっているので写真ではわかりづらいですが、上半分くらいまで紅葉がすすんでいます。

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スポンジ

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自宅で使っていてとても具合がいいので、工房の台所でも最近使うようになった食器洗い用のスポンジです。

お昼はほとんど工房で自炊しています。外食することはまずありません。圧力式IH炊飯ジャーでご飯を炊いて(特別栽培米のササニシキ+胴腹ノ滝の湧水)、漬け物を数品+みそ汁程度のごく簡単なものですが、それでも食器や鍋釜・カップなどを毎回洗う必要があるので、そのときに使うスポンジは必要不可欠なだいじな道具です。これまではどこにでも売っているごくふつうのスポンジを使っていたのですが、どうもいまいち感がぬぐえません。こんなものかと諦め気分。そのときたまたま農協系列のスーパーマーケット=Aコープで見かけたのがこのスポンジでした。包装の袋には

構造が網状だから、泡立ち・水切れが抜群!!
軟質ポリウレタン製なので、食器など傷つけにくい!!
プロの調理員が選んだサイズなので、フィット感が良い!!

と、これでもかというくらいにアピールの文言が並んでいます。裏面を見ると、サイズは40×90×120mmで、通常の家庭用スポンジより体積的には倍くらいの大きさ。材質は軟質ポリウレタンフォーム。メーカーはエスケー石鹸株式会社です。

さっそく購入して使ってみると、うたい文句どおりに泡立ちが非常によく、比較的網目が大きいのでカスがたまりにくく、使用後のすすぎ洗いが楽にできます。乾燥も早いです。材質に腰があるので、食器や鍋釜の凹みにも力がよく伝わりますし、多少のこびりつきならこのスポンジだけでこすり落とすことができます。

以前に亀の子束子のことを記事にしましたが、わずか二三百円くらいの出費(他の製品よりいくらか高い)で、これほど快適に「家事」ができるというのはじつにすばらしいことです。コストパフォーマンスは抜群ですね。

 

机上の猫

最近「トントちゃんはどうしてますか?」というお声を若干名からいただいたので、ちょうど私がパソコンを操作しているそばで机の上でくつろいでいたトントを写真に撮りました。

3枚目は後脚で耳のあたりを器用にひっかいているところ、4枚目はう〜と伸びをしているところで、前脚と顔の形がちょっとヘン。

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フォトスタンド斜め切り

家具や大工仕事の打ち合わせ、図面・見積書の作成と重なって、なかなか進まないフォトスタンドBタイプの製作ですが、ベース下部の木端の斜め切りをスライド丸ノコを使って行いました。

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このスライド丸ノコは建築現場等にも持ち込める可般型・径216mmの機種ですが、左右にそれぞれ45度余り刃を傾けることができます。またベースも半回転ほど左右に動くので、2方向の斜め切りが可能です。今回のフォトスタンドの場合は一辺を25度切り落とすという作業なのですが、昇降盤や横切盤などと違って切り落とした木片が自分のほうには飛んでこないので、安心して作業することができます。刃にはプラスチックの安全カバーがついていますが、それが一種の送風機になって切り落とした材料を横にどけてくれます。

この加工にかぎりませんが、手持ちであれ固定であれ丸ノコの機械で切り落とした材料が、まだ回転中の刃に接触して反発したり、刃口板と刃の間にはさまったりすることがありますが、これは非常に危険であるだけでなく機械にも大きなダメージを与えます。したがって加工材と切落材の双方を最後までしっかり保持しておかなければなりません。

それができない場合は、めんどうでも「二度切り」します。例えば30mm厚×100mm幅の板の片木端を10mm落とすとします。もし長さが2mなら1mほど切ったらいったん機械を止め、次に材料の前後をひっくり返して残り1mを切ります。刃の回転が止まるまで加工材と切落材と両方をしっかり支えて持ちます。ただし、つかんで保持するだけの長さがない場合や、角度のある切断の場合は上のように前後をひっくり返して切るようなことはできませんので、そのときは刃の出を29mmくらいにして一度切り抜け、手または手ノコでその余分を折り取り・切り離します。それから刃の出を通常のように30mmよりすこし出して残ったバリをきれいにカットします。

スライド丸ノコを使えば上記のような手間なしで一度で所定の斜め切りができるので効率的かつ安全です。ただ当然のことながら加工できる材料の幅や厚みには制約があり、あまり大きなものの切断はできません。

 

フォトスタンドの穴の仕上

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追加製作中のフォトスタンドBタイプですが、角ノミ→トリマー→手ノミで開けたベースの穴を、最後はサンディングペーパーで仕上げます。この穴はあとからスタンドの板を差し込んでスライドさせるためのもので、直接目に触れるわけではありませんが、それでもそれなりにきれいにしておかないと「仕事が雑」という印象を与えかねません。むろんそれ以前にあまり粗面ではスライドに支障をきたすかもしれません。

外側の凸部を磨くのはわりあい簡単ですが、凹部や穴の内側を磨くのはけっこう面倒です。上の写真では穴の大きさよりそれぞれ1mm薄い板に、両面テープでサンディングペーパーを貼付け、それで磨いています。刃物の切削痕(ナイフマーク)やビットの軽い焦げ跡などを除去して通常の8割方くらいにきれいになればよしとします。ただし穴の形はあくまでもきっちりした長方形でないといけないので、ペーパーを不用意にかけてエッジがだれてしまうといったことがないように注意します。

この作業ではペーパーの切れ味が鈍ったらただちににペーパーを貼替えしなければなりませんが、そのためには前のペーパーがきれいにはがれてくれないと困ります。それで当工房ではずっと以前からテラオカのNo.7220という両面テープを使用しています。このテープは接着層の基材がやや厚めに丈夫にできているので、貼ったテープをはがすときに接着層がちぎれることはまずありません。また接着剤も「糊残り」がほぼ皆無の良質のものです。

通常の両面テープでしかも貼ってからすこし時間が経った場合、はがそうと思ってもなかなかうまくはがれてくれません。しまいにはこすり落とそうとする指先が痛くなってしまいます。テラオカのNo.7220はその点、接着力は強いのにはがすのも簡単にきれいにできるので、非常に使い勝手がいいです。ただし値段は同等サイズの普通の両面テープにくらべて2〜3倍くらいするので、後からはがす必要のない場合は安いふつうの両面テープでというように使い分けしています。

こうした「はってはがせる」タイプの両面テープは十数年前はあまり市販されておらず、最初に手にしたのがテラオカのNo.7220だったので、それ以来こればかり使っています。ニットーやセキスイ、3Mなど、他のメーカーからも今は同タイプの両面テープが出ていますが、まあ義理立てという意味もありますので。

 

道標の取付け

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9月24日に山形県立遊佐高校の2年生たちといっしょに、鳥海山の吹浦口の登山道に道標を取り付けました。写真上は山形新聞9月25日の記事、下の写真は荘内日報9月25日の記事です。他に遊佐町広報からの取材もありました。

中腹の大平(おおだいら)から登り始め、二ノ宿(にのしゅく)、見晴台、清水大神(しみずおおがみ・しみずおおかみ)、とよ、河原宿の5カ所です。下見では7カ所の設置を想定していたのですが、当日は時間等の関係で一部割愛しました。5カ所はいずれも既存の道標(標柱)が朽ち果てて倒壊したり地名の文字がまったく判読不可能な悲惨な状態になっていたので、その替わりです。

厚み25mm幅87mm長さ260mmのヒノキの板に地点名を油性マーカーで2回なぞり、それを樹の幹や枝にはシュロ縄で、岩にはステンレスの針金でしばりつけました。板面には「遊佐高校」の焼印を小さく押しています。

基礎をうち柱を立てて標識を取り付けるような本格的な道標ならもっといいのでしょうが、それにはかなりの費用と時間がかかます。また国定公園内ですから小規模とはいえ「建造物」としての申請と許可を得ることが必要です。遊佐町なり山形県なりが積極的に予算化し施工してもらえれば御の字なのですが、機会あるたびに進言してもまったく実現する気配がありません。とりわけ吹浦口(大平コース)は往時にくらべ登山者が減少しているので、利用者の多い象潟口(鉾立コース)などから後回しにされているきらいがあります。

板きれにマジックで名前を書いてそれを樹や岩にしばりつける方式なら、行政だよりにしなくともいつでもどこでも簡単に実施できます。風雨や氷雪にされされて長くはもたないかもしれませんが、過去の実績からすると3〜5年程度は保つようです。登山のついでに点検し、もし痛んでいたら即座に補修または交換することもできます。

昔は(といっても40〜50年ほど前)地元の高校山岳部や社会人山岳会などが、こうした道標の作製と取付を自主的に行っていたように記憶していますが、最近はあまりそういう動きが見られなくなったのが残念です。中高年の登山人口はひところよりは低減しているとはいえ依然として大勢をしめているのに、ほとんどの人は個人的に登山を楽しむだけで、道をきれいにする補修する、鳥獣草木・景観等の自然を保護するといった社会的意識は希薄ですね。

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フォトスタンドの穴あけ

定番商品のフォトスタンドBタイプですが、在庫がなくなってしまったので20個ほど追加製作しています。このフォトスタンドは2枚の板からなり、ベースに開けた細長い穴にスタンドの板を差し込んで任意にスライドさせることで、掲示するものの厚みに自由に対応することができるようになっています。写真であるとかCD・DVDのケースであるとかですね。

下の写真はそのスタンドの入る穴を加工しているところですが、穴の大きさは左右で1mm、上下で0.5mmのクリアランスしかなく、また使用時には隠れて見えなくなるとはいえ、やはり穴の内側もきれいに正確に仕上げたいところです。

それにはまず一回り小さいサイズの角ノミで裏と表の両側から下穴を開けた後、次はトリマーに6mm径のストレートビットを装着してやはり両側から規定寸法の縦・横にきっちり切削します。いくら切れのいい刃であっても原理的にいって角ノミだけでは削り肌が荒れるので、切れ味のいいビットで必ずもう一度仕上げ掘りをおこなわなければなりません。さらにビットでは4つの角は丸みが残りますから、それは手ノミできれいに落とします。最後は木辺に貼付けたサンディングペーパーで穴の内側を研磨して終わりです。

NCルーターでもあれば別でしょうが(零細弱小木工房にはとうてい不可能な高価で大型の機械です)、手持ちのルーターやトリマーでの切削は、ごく浅い彫り込み以外は角ノミもしくはドリルによる下穴を開けてからでないと、ビットや機械に対する負担が大きすぎるし、危険でもあります。

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